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  <title type="text">コーギーとお昼寝</title>
  <subtitle type="html">市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。</subtitle>
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  <updated>2010-10-22T17:48:38+09:00</updated>
  <author><name>水城かなは</name></author>
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    <published>2026-08-11T22:09:08+09:00</published> 
    <updated>2026-08-11T22:09:08+09:00</updated> 
    <category term="日常の話(えふいー)" label="日常の話(えふいー)" />
    <title>窓の向こうに風の音</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[書類仕事がひと段落ついたせいか、窓の外の強風が妙に気にかかる。<br />
台風がこの辺りまで上陸してくるのも随分久しぶりだし、千葉に上陸した台風でつい6年前のあの台風のことを思い出してしまう。<br />
<br />
(あの時はまだ東京がいてくれたんだよな)<br />
<br />
姉のような妹のような、俺のそばにずっといてくれた奴のことを思い出す。<br />
設備がやられて動けなくなってた俺のところに食料や物資を持って面倒見に来てくれた。<br />
そんな存在はもうここにいない。<br />
「君津さん、大丈夫ですか？」<br />
職員が気遣うように声をかけてくる。<br />
お盆だってのに夜勤に入ってくれた真面目な奴だ、余計な心配をさせたくない。<br />
「少し考え事してただけだから」<br />
「なら良いんですけど」<br />
神様の端くれのくせに、この台風があの時のようにひどくならないことを願うしか出来ない。<br />
そんな無力な俺を気遣ってくれるのが嬉しくもあり、ちょっと申し訳なくもある。<br />
「早く過ぎて欲しいですね、台風」「ほんとにな」<br />
<br />
<br />
----<br />
君津と台風。<br />
作中言及エピは<a href="https://1120.dou-jin.com/%E6%97%A5%E5%B8%B8%E3%81%AE%E8%A9%B1-%E3%81%88%E3%81%B5%E3%81%84%E3%83%BC-/%E9%80%A2%E3%81%84%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%8F%E4%BA%BA" title="">これ</a>]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-08-11T18:43:55+09:00</published> 
    <updated>2026-08-11T18:43:55+09:00</updated> 
    <category term="日常の話(えふいー)" label="日常の話(えふいー)" />
    <title>今日もあの人は帰ってこない</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「分かりました、お気をつけて帰ってきてくださいね」<br />
そう言って電話を切ると、後ろに立っていたのは小倉さんだった。<br />
「八幡か？」<br />
「ええ、台風で飛行機飛べなくなったんで夜行バスで帰ってくるみたいですよ」<br />
「東京から小倉だろ？ってことははかた号か&hellip;&hellip;着いた頃にはケツが4つに割れてんな」<br />
「そうなんですか？」<br />
私がそう答えると小倉さんは私の顔を見て「なんか嬉しそうだな」と呟く。<br />
「&hellip;&hellip;しばらく顔見てませんからね」<br />
USスチールとの合併の話が持ち上がってから、八幡さんは随分と多忙な日々を送っていた。<br />
北九州に帰ってきても仕事せずに休養に勤めていたから尚更顔を合わせる機会が少なく、久しぶりに帰ってくるのをどこか心待ちにしていた気は確かにしている。<br />
「&hellip;&hellip;あんなののどこがいいんだか」<br />
小倉さんの言い分は分からないでもない。<br />
あの人は根っこのところではこの会社と釜石さんしか見てないから、たぶん私個人のことはそこまで気にしてないのだろうと思うことは何度かあった。<br />
「それでも、あの人は私の王子様のままなんですよ」<br />
どうしようもない人だけど、その輝きがまだ脳裏に残されてたままでいる。<br />
「戸畑、お前はあんなのにゃもったいないくらい良い女だ」<br />
「ありがとうございます」<br />
「だから、いざとなったら俺という個人はお前の味方になってやる」<br />
それは小倉さんから私は向けられた純粋な行為であり、その言葉の熱はこんな肌寒い日は心地よく響いてきた。<br />
<br />
<br />
------<br />
戸畑ちゃんと小倉さん]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-08-02T11:15:40+09:00</published> 
    <updated>2026-08-02T11:15:40+09:00</updated> 
    <category term="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" label="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" />
    <title>つれづれ短編✖️2</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[タイトル通りのラグビー組短編集です<br />
<br />
・君を寿ぐ宵の花(スティーラーズ)<br />
今夜のメリケンパークは随分と賑やかで、その一角に同郷の顔見知り四人で集まっている。<br />
浴衣姿のレオネッサはかき氷で頭を痛め、ストークスはヴィッセルと話し込んでおり、俺はそれを穏やかな気持ちで眺める。<br />
今夜の花火はこの同郷4チームの優勝記念花火ということで、みんなで観に行こうと言い出したのはレオネッサだった。<br />
(同郷の友人ってのもええもんよな)<br />
キンキンに冷えたビールを飲みつつ、そんな風に考えているとパァン！と花火の打ち上がる音がする。<br />
神戸港に咲いた大きな花火の美しさとその花火への歓声の乗った夜風のぬるさが今日だけは心地よい。<br />
「&hellip;&hellip;でっかいお祝いの花束やなあ」<br />
俺がそう呟くと「来年もこの4人で見れたらええですね」とヴィッセルがつぶやく。<br />
いつものリーグワンのみんなで見るのとは違う、この大きな祝福の花束に今宵は酔いしれていたい。<br />
<br />
・12年に一度(ブラックラムズ+イーグルス)<br />
「今年の干支を覚えているか？」<br />
「突然なんですか？」<br />
ブラックラムズ先輩が突然そんなことを言い出した。<br />
「で、覚えてるか？干支」<br />
「あー&hellip;&hellip;丙午なんですっけ？今年」<br />
干支なんて年末年始しか出てこない話題なので、記憶を遡ってみるとそんな話を思い出す。<br />
「午年の次は？」「未&hellip;&hellip;あ！」<br />
未年、つまり羊である。<br />
この人のツノが羊のツノである事は見ればわかるし、言いたいこともだいたい察しがついた。<br />
「『来年は我の年ぞ！』ってことですか」<br />
「そう云う事だな、来年に向けて面白い企画を出したいのだが何か良案は無いか？」<br />
「僕に求められても&hellip;&hellip;。あ、でも来年正月明けの試合がレヴズくんなら一富士二鷹ってやれ、いや違う僕鷲だよ&hellip;&hellip;」<br />
「似たようなものではあるがな」<br />
<br />
]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-07-22T13:19:08+09:00</published> 
    <updated>2026-07-22T13:19:08+09:00</updated> 
    <category term="日常の話(えふいー)" label="日常の話(えふいー)" />
    <title>スイカの話</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「暑い！！！！！！」<br />
和歌山が叫びながら帰ってきたので「おかえり」と声をかけてやる。<br />
「ただいま、外めっちゃ暑い！」<br />
「さっき天気予報見たら35度って書いてあったもんな」<br />
「あと鹿島が『暑過ぎて頭おかしくなる！』って岸壁から海に飛び込んだって話も聞いた」<br />
「何やってんだよ&hellip;&hellip;あ、そういやスイカあるぞ」<br />
「やった、スイカ食べる！」<br />
荷物の片付けもそこそこに冷蔵庫を開けると、4分の1カットにされたスイカと塩の瓶を手に食卓に着く。<br />
「海南も食べる？」<br />
「俺はいいよ、さっき昼飯食ったばかりだし」<br />
和歌山がスイカに塩を一振り二振り、と思いきやまだ塩をかけてくる。<br />
「&hellip;&hellip;多くね？塩」<br />
「あー、コレね。昔小倉に『スイカの塩は多めに振ったほうが美味い！』って言われてから多めに振るようにしてるんだよね。塩分補給にもなるし」<br />
和歌山にとって小倉は高炉のいろはを教えてくれた師匠のようなもので、折に触れて小倉との思い出を話の中に出してくる。<br />
「高血圧んなるぞ」<br />
「俺ら人間じゃないし、高炉で仕事した後だからセーフ！」<br />
そんなこと言いつつスイカにかぶりつく和歌山を、やれやれという心地で見守る。<br />
「本当こんなに暑いと洒落にならないよね」<br />
「外出るだけでも命懸けだもんな」<br />
そんなくだらない話をしながら涼しい部屋で、今日も暮らしている。<br />
<br />
<br />
------<br />
海南と和歌山。暑いですね。]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-06-20T21:31:05+09:00</published> 
    <updated>2026-06-20T21:31:05+09:00</updated> 
    <category term="日常の話(えふいー)" label="日常の話(えふいー)" />
    <title>１年は走る如く</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「この一年でずいぶん良くなりましたね」<br />
モンバレーは「八幡さんや日本の皆さんのお陰ですよ」と朗らかに返す。<br />
ＵＳスチール合併から１年、状況は随分と良くなったように思う。<br />
「まあそもそも９０年前の設備を普通の顔して使ってたあなた方が異常だと思うんですけどね」<br />
「そこは色々あったんですよ&hellip;&hellip;」<br />
モンバレーが視線をそらし気味にしつつそんな事を言う。<br />
「まあ、やる事が多くて退屈しないとも言えますけどね」<br />
実際うちの社員たちが改善点を洗い出して、改善していくとそれだけで経営は改善し始めた。<br />
無論この状態が永続的に続くかは不明だがこの改善された数字への期待感はあった。<br />
「日本の人と同じこと言いますね」<br />
「事実ですよ。頼みますから投資した分はちゃんと出してくださいね？」<br />
「そりゃそうじゃないですか、行き止まりで死にかけてたのを救って貰った恩ぐらいはちゃんと理解してますから」<br />
モンバレーは年齢で言えば私より少し上くらいになるだけあり、現実が見えていると思う。<br />
自力で立て直せない状況にあった自分を拾った理由がこのアメリカ国内の内需であることをちゃんと知っている。<br />
「ならいいです。ぼちぼち日本帰りますかね」<br />
「空港まで送りましょうか？」<br />
「平気です、ちょっと散歩しながら帰りますよ」<br />
そんな話を終えて、モンバレーの街を歩く。<br />
２１世紀初頭から現在に至るまで鉄の都であり続けたこの街は、学術都市だけあって穏やかではある。<br />
しかしモンバレーに言わせればこれでも随分静かになったのだという。<br />
(まあそう言う意味では地元とそんなに相違ないんですよね)<br />
この街の景気も私の方に懸かってる、と言われるとそれはそれで重く感じてしまう。<br />
ポケットに入れてあったスマホがバイブを鳴らす。釜石からのＬＩＮＥだった。<br />
『いつ帰国する？』<br />
『明日の朝には東京に戻ります』<br />
『じゃあ明日の昼、本社に顔出せるか？一緒に飯食おう』<br />
そんな連絡に頬が緩む。<br />
日米を行き来する生活は厳しいけれど、帰りを待ってくれる人が居るというのは嬉しいものだ。<br />
ここからは１０時間以上の飛行機の旅。<br />
帰りの楽しみが一つ増えたことに穏やかな気持ちになりながら、空港行きの路面電車を探して歩くのだった。<br />
<br />
------<br />
八幡とモンバレー。もうあの合併から一年なんですねえ&hellip;&hellip;。]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-06-07T20:58:30+09:00</published> 
    <updated>2026-06-07T20:58:30+09:00</updated> 
    <category term="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" label="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" />
    <title>夢に僕ら帆を張って</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「今年も楽しかったなあ」<br />
人気の減った夕方の新国立競技場の看板にもたれ、スティーラーズさんが嬉しそうにそう笑う。<br />
梅雨入りが宣言された曇天の東京でこんなに愉快に笑えるのはこの人ぐらいだろう。<br />
「俺は悔しいですけどね」<br />
リーグワン決勝、国立の大舞台で優勝カップに手の届かなかった俺の気持ちもちょっとは考えて欲しいものだ。<br />
「勝負ってそういうもんやろ」<br />
「それはそうですけど&hellip;&hellip;」<br />
胸によぎるのは優勝を掴めず、悔し泣く選手たちだ。<br />
今シーズン限りで引退する選手たちにあのトロフィーを掲げて貰いたかったなあ、と思ってしまうのは俺のエゴだろうか。<br />
<br />
「一度覚えた優勝の味は忘れられへんよなあ」<br />
<br />
スティーラーズさんがぽつりと言葉を漏らす。<br />
「ホントですよ」<br />
「でも、だからこそ努力できる。優勝という最高の美酒をみんなで分かち合うためにな」<br />
「悪い、待たせたな」<br />
小走りで現れたのはシーウェイブスさんだ。<br />
「別にええわ。そっちも晴れ舞台お疲れさん」<br />
今日の試合前にシーウェイブスジュニアチームよる合唱が行われた。<br />
それが少年少女にとっては素晴らしい経験だったことは容易に想像がつく。<br />
「あれを晴れ舞台とは呼べんわ」<br />
「せやったな、ごめんな」<br />
シーウェイブスさんにとっての夢舞台はきっと国立のグラウンドで試合をすることだ。<br />
それがまた一歩遠ざかったことは、俺も知っている。<br />
(俺は絶対ああいう茶化し方出来ないなあ&hellip;&hellip;)<br />
目の前にいるシーウェイブスさんもまた優勝という美酒の味を知っている。<br />
それに手を伸ばしても遠ざかっていく悔しさはどれほどのものだろう？と不意に考える。<br />
だからと言って譲ってあげられるほど、善人にはなり切れない。<br />
「焼肉、スティーラーズが気前よく奢ってくれるとよ」<br />
「えっ嘘？！いいの？！」<br />
「ええでええで、姐さんが帰ったらボーナスくれる言うし」<br />
まだ俺たちの夢は続いていく、どこまでも遠くへ。<br />
<br />
<br />
------<br />
スピアーズとスティーラーズ、ちょこっとシーウェイブスも添えて。<br />
最近全然書けてなくてすいません、ちょっとシーウェイブス降格の精神的ダメージがですね&hellip;&hellip;。<br />
それはそれとして決勝戦面白かったですね。すんしんのキック成功率やべえよ。]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-05-10T22:30:07+09:00</published> 
    <updated>2026-05-10T22:30:07+09:00</updated> 
    <category term="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" label="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" />
    <title>美しき君たちの日々</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[*ラグビー関係の小ネタ集です<br />
<br />
・さよならの代わりに(サンゴリアス+ブレイブルーパス)<br />
「&hellip;&hellip;カッキーは面白プロップキャラを最後まで貫き通していったなぁ」<br />
「そりゃーカッキーはそうでしょ、むしろらしいと思ったけどね」<br />
突然の引退宣言、本人の歌うさよならの代わりに、そして歌い終えてからラグビーボールを置くパフォーマンス。<br />
あれほど面白い引退式典、きっとそうそうないだろう。<br />
「らしいと言えばらしいけどな、送り出す余裕も無くいなくなられるよりはずっといい」<br />
先輩の脳裏には多分、急逝した元選手の影があるのだろう。<br />
ああやって満足した顔でラグビーボールを置いて次に行けるのはきっと幸せなのだろう。<br />
そんな事を、ぼんやり考える。<br />
<br />
・残酷な僕のテーゼ(スピアーズ)<br />
誰が呼んだかえどりく神話、それを一番信じていたのは俺だったのだと今更思い知る。<br />
『試合終了ー！スティーラーズ、スピアーズのホーム連勝記録を止めたーァ！』<br />
ホームゲームでワイルドナイツにだって勝った。きっと外国の強豪でもホームなら勝てる、なんて思っていた。<br />
なのに今、俺のホーム連勝記録は終わってしまったのだ。<br />
ぶわっと涙がこぼれてくる。無性に悲してしょうがない。<br />
負け試合はいつだって悔しいけれど、こんなに泣くほど悔しいのは久しぶりだった。<br />
俺の大好きなこの場所、俺の名前を冠した特別なスタジアム。ここで負けることがこんなにも悔しいなんて、知りたくなかった。<br />
<br />
・ラストダンスは誰と(レッドハリケーンズ+グリーンロケッツ)<br />
「ようこそ、俺たちの街へ」<br />
新大阪駅の改札でそう声をかけた俺にグリーンロケッツが驚きに目を見開く。<br />
いつもは迎えを頼まれてもなんばや長居の駅なのに、こうして新大阪まで迎えに行くことはほぼない。<br />
「&hellip;&hellip;ここまで迎え来てくれるの、初めてじゃない？」<br />
「たまにはな。荷物持ったろか？」<br />
「今日は大丈夫」<br />
ゴロゴロと荷物を転がしながら街並みの一つ一つをぼんやり眺めるグリーンロケッツに、ある言葉が口をつく。<br />
「名前が変わったかて、見える世界は何も変わらんよ」<br />
ＮＥＣグリーンロケッツ東葛として見る最後の大阪の景色にセンチメンタルになる心情を俺はよく知っている。<br />
親会社の再編のあおりで自分が消えるかもと思った時の自分に似ているのだ。<br />
「Ｄロックスと同じこと言うんだねえ」<br />
「あいつの名前出さんといてくれる？お土産あげへんで」<br />
「お土産より勝ち点欲しいなあ」「あげませーん」<br />
そうやって笑い合えばグリーンロケッツは楽しそうに笑う。<br />
新しい自分になるその前に、最高の試合をすることが俺に出来る最高のお見送りなのだ。<br />
<br />
・美しきこの街の日々(ヒート)<br />
初夏の夜空に花火が打ちあがる。<br />
「今シーズンお疲れ様！」「次は宇都宮で逢いましょう」<br />
鈴鹿で行う最後のホームゲームを彩る花火に、ファンの人々が思い思いの言葉を口にする。<br />
そんな言葉の節々からこの街で過ごした６０年の思い出が走馬灯となって駆け抜ける。<br />
この街の事は好きだった、けれど俺が大きくなるためにはこの街を離れなくちゃいけないのだ。<br />
すうっ、と息を吸い込むと思い切り言葉を叫ぶ。<br />
<br />
「これからもホンダヒートを応援してね―！」<br />
<br />
俺という存在を愛してくれる人のために、三重でも栃木でも俺は戦うのだ。]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-04-16T22:59:58+09:00</published> 
    <updated>2026-04-16T22:59:58+09:00</updated> 
    <category term="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" label="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" />
    <title>さよならだけが人生だ</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[うちのGMが退任することになった。<br />
選手や監督の退任は嫌というほど経験してきたが、４０年来そばにいてくれた人が自分の手元を去るというのはいっそう寂しいものである。<br />
<br />
「この盃を受けてくれ<br />
どうぞなみなみ注がしておくれ<br />
花に嵐の例えもあるぞ<br />
さよならだけが人生だ」<br />
<br />
ぽつりと口をついたのは有名な詩だった。<br />
窓には散り始めた桜の花びらが張り付いており、北国の春も通り過ぎていこうとしている。<br />
「さよならだけが人生ならば人生なんか要りません、とも言うけどな」<br />
そう口にしたのは製鉄所さんだった。<br />
「なんでここに？」「ＧＭさんの手続き手伝いにな」<br />
ＧＭは書類上製鉄所の所属になるので、頼めない訳でもないがよくもまあ町の端っこのほうまで来てくれたものだ。<br />
「シーウェイブス、別れってのはいつも寂しいよなあ」<br />
「慣れたりしないんですか？」<br />
「わしは全然慣れんな」<br />
「&hellip;&hellip;１５０年生きててもそんなもんなんですねえ」<br />
「でも、挨拶も無しにいなくなる方がもっと寂しい」<br />
その言葉の意味を数秒かけて飲み込むと「ええ」と小さく返事をする。<br />
「まあまだシーズン終わるまでひと月ぐらいあるか」<br />
「ええ、せめてあの人にいいとこ見せてから見送りますよ」<br />
さよならという悲しみだけが人生だとしても、有無を言わさず人生は続いていく。<br />
そうして生きていくうちにまた桜のように美しい出会いは、またこの街にやってくる。<br />
<br />
<br />
<br />
-----<br />
シーウェイブスと釜石おじじ<br />
桜庭ＧＭ退任の一報を受けて思いついたネタでした。]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-03-11T20:00:27+09:00</published> 
    <updated>2026-03-11T20:00:27+09:00</updated> 
    <category term="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" label="ノーサイド・ボーイズ！(日常もの)" />
    <title>なんでもない話</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[ただ声が聞きたかったんです、と僕が言うとシーウェイブスさんが笑う。<br />
「お前さん、彼女みたいだな」<br />
「&hellip;&hellip;迷惑でしたか？」<br />
「いや、そろそろ夕飯食おうかなあってタイミングだったから別に」<br />
「今日の夕飯は何ですか？」<br />
「サクラマスの塩焼き、わかめの酢の物とヒョウの煮た奴、ノビルの味噌汁と白ご飯」<br />
「ヒョウ？」<br />
「スベリヒユって野草を乾かした奴だな、山形の方で食べるらしい」<br />
シーウェイブスさんの作る料理は時々不思議なものがある。<br />
山野草の料理などさっぱり分からないので、いつか食べさせて欲しいと思うばかりだ。<br />
「そっちの夕飯は？」<br />
「いま兄さんがカレー作ってくれてます」<br />
「カレーも良いな。さて、こっちも冷める前に食べたいんだが&hellip;&hellip;」<br />
「あ、電話繋ぎっぱなしでお願いします」<br />
「ならそうさせて貰うかな」<br />
電話越しに頂きますという声とともに、咀嚼音が聞こえてくる。<br />
モノを食う音は生きてる人の音だなあと妙な感傷を抱きながらしばらく黙って聞き入ってしまう。<br />
「レヴズ？」<br />
「あ、すいません。咀嚼音ＡＳＭＲ聞き入ってました」<br />
「なんかあるよなそう言うの。好きなのか？」<br />
シーウェイブスさんは時折咀嚼音をさせながら、ちょこちょこと話を振ってくる。<br />
僕は僕なりに思いつく話をしているとふいに沈黙がよぎる。<br />
電話の向こうで味噌汁をすする音がする。<br />
「&hellip;&hellip;僕、今こう言う関係になれてよかったなって急に思いました」<br />
「うん？」<br />
「震災の前までは全然接点なかったのに、今はこうして急に理由なく電話かけても許されるんだなあって」<br />
「そうだな。あの時に失ったもんは多いが、お前さんとの縁は手に入った訳か」<br />
シーウェイブスさんがかたん、と何かを置いてから口を開く。<br />
「でも、あの時に試合しようって言ってくれて本当に嬉しかったぞ」<br />
僕はしばらくその言葉を噛み締めてから「はい」と答えた。<br />
台所の方から兄さんの足音がする。<br />
「すいません、もうカレー出来たみたいです」<br />
「そうか、長々喋りすぎたな。じゃあ、また」<br />
「またそのうち」<br />
そう言って電話を切ると、兄さんが「ご飯だぞー」とドア越しに僕を呼ぶのだった。<br />
<br />
<br />
------<br />
レヴズとシーウェイブス]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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    <published>2026-03-11T19:14:28+09:00</published> 
    <updated>2026-03-11T19:14:28+09:00</updated> 
    <category term="日常の話(えふいー)" label="日常の話(えふいー)" />
    <title>どこまでも遠く青い</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[今日は午前中で仕事が終わったので、昼食後の腹ごなしも兼ねて海へ行こうと思った。<br />
いつもの海が見える岸壁は冬の終わりの青い空と海が果てしなく伸びている。<br />
「おう、シーウェイブスか」<br />
同じように岸壁にいたのはシーウェイブスだ。<br />
「ああ、こんにちわ」<br />
「お前さんも海を見に来たんか？」<br />
「&hellip;&hellip;3月11日ですからね」<br />
一瞬の逡巡ののちにそう口にしたシーウェイブスは、きっと同じ理由でここに来たのだろう。<br />
海は美しく、豊かで、そして何よりも恐ろしい。<br />
今日という日付はそれをこの街の人間に思い出させる日でもある。<br />
「良い物も悪いものも、美味しいものもきついもんも、全部この海が与えてくれてる」<br />
海の街で百何十年と生きてきたので、海にはいい思い出も悪い思い出も数えきれないほどある。<br />
けれど不思議と海を憎むことは出来なくて、やはりこうして見ると美しいと思うのだ。<br />
「海の向こうから来る客人もたくさんいますしね」<br />
高炉があった頃は海から船で運んできたことを、今でも船で製品を運び出す風景を、シーウェイブスはまだ覚えているのだろう。<br />
「だな」<br />
遠くから黙祷を促す声が響くと海に向かってそっと手を合わせる。<br />
この海のどこかにいるはずの自分やシーウェイブスを愛してくれたすべての人々の鎮魂を祈りながら。<br />
この海と共に生きる人々のこれからの幸福を祈りながら。<br />
<br />
<br />
<br />
------<br />
釜石さんとシーウェイブスさん。<br />
東日本大震災から１５年です<br />
<br />
]]> 
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            <name>水城かなは</name>
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