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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

年末なんだからクリスマスも忘年会も大体同じでしょう?

12月24日、大阪市内のとある宴会場。
「えー、という訳で忘年会兼クリスマス会はじめまーす!かんぱーい!」
此花の潔い挨拶と共に乾杯の音が鳴り響く。
今日は国内の全製鉄所が集まっての忘年会(いちおう表向きは鉄鋼業界の会合の打ち上げということになっている)も兼ねたクリスマス会であった。
「しかし、カニにローストチキンに回鍋肉ってずいぶんごちゃまぜで頼んだな……?」
「ねーちゃんが気合入れてきょうは……お願いしたみたいなんで」
釜石の隣に座った尼崎がけろりと恐ろしいことを言っているが腐っても住友御三家の一角、今でも住友一族内ではそこそこ顔が聞くという事だろう。これ以上は怖くて考えたくない。
「ところで釜石、あなた何飲んでるんですか?」
「ノンアルコールカクテルじゃな、シーウェイブス残留祈願で今アルコール断ちしとるから……」
「ノンアルコールカクテル……ウーロン茶とかじゃなくてノンアルカクテル……」
急に真顔でブツブツ喋りだした八幡はスルーするとして、その隣には珍しい人物も座っている。
「にしても、戸畑がこんなところにいるのは珍しいな」
戸畑の青っぽい瞳がこちらを向き、その手には真っ赤なビールが握られていた。
「こういう時ぐらいは表に出たいので。あと尼崎さんその蟹の腕一本下さい」
「はいはーい」
隣の席に目を向けよう。
「どうぞ」
「ありがとう」
加古川がせっせと解体したカニが神戸の前に差し出される。
「あ、千葉さんと京浜さんもどうぞ」
「どうも、というか加古川さんのぶんは?」
「追加で頼めばいいだけですから、その方がたくさん食べられますし」
「たくさん食べる前提なんだ……」
「加古川はカニが好きなのよ、瀬戸内はあまりカニが取れないものだからこういう時にたくさん食べさせてあげたいのよね」
「そう言う問題なのかなあ」
釈然としない顔をしつつもカニには罪が無いし、とカニを食べ始める辺りが千葉の性格とも言える。隣にいる京浜が先ほどからローストチキンを無言で解体していることには誰も突っ込んでいなかったが、それでいいのだろうか。
向かい側の席に視線を移そう。
「ん」
「ありがとねー」
解体したチキンをいちいち口に放り込む海南とでれっでれの和歌山に死んだ目をした呉と妙に楽しそうな周南。全員男であるというこれもツッコミはしてはいけない。あれはいつもあんな調子だ。というか誰だあのバカ夫婦二組を同じ机に並べたやつ。
その隣の席では鹿島が水島を相手にサッカー談議に花を咲かせ、福山の愚痴のような惚気のような話を君津が黙って聞いていた。
光・直江津・西宮は室蘭を相手にステンレスの魅力と将来性を語り、広畑も今日は名古屋を捕まえて知多を相手に社会人野球談議のようである。

(どっこも居場所無いわあ)

適当に盛り上げ役として道化に振舞うのは慣れてるが、そうした振る舞いをせずとも今年はずいぶんと大盛り上がりのようである。
「……大分、隣ええかな」
「どうぞ」
ステンレス組で固まってしまった妹分においていかれ、宴会場の隅っこの方でラムコークを啜る大分の横に腰を下ろす。
こう言うバカ騒ぎが嫌いだとは言わないけれどうまく入り込めないときが困る。
「光がおらん時は不便やね」
「……本当に」
フィンガーフードをつまみながら、ああだこうだと大盛り上がりの会場をぼうっと眺めて過ごす。
そう言えば年が明けたら俺の可愛いブレイザーズが広島で試合をするんだっけ。
「なあ、この辺りで必勝祈願の良い神社知らん?」
「いや」
そんな、狂乱とバカ騒ぎのクリスマスを冷めた目で眺めながら今年もビールを飲むばかり。






企業擬人化わんどろ用に。
クリスマスというより忘年会の話。

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ある冬の朝・昼・晩

・朝
もう寺を出て半世紀以上過ぎたというのに、どうしても体が6時には目を覚ましてしまう。
永平寺領として生まれた時から雲水や典座の仕事をこなしていたせいもあり、早起きが身体に染みついて剥がれなくなっている。
寝間着を作務衣と半纏に変え、顔や歯を磨いて身支度を整える。
昨夜上志比が置いていった大根と鶏手羽の煮物と冷凍した玄米粥をレンジで温め、あとは漬物が数切れあればいい。
これが夏ならばパンに野菜を挟んで終わらせてしまうのだが冬になるとどうも暖かいものを欲してしまう。こうした横着も寺暮らしを止めたが故の特権であろう。
(……それでも粗食気味なのが治らんのは、仕方ないか)
生来の城下町である福井やもてなしを生業とするあわらとは事情が違うのである。
ほかほかの大根と鶏手羽の煮物に玄米粥に漬物に手を合わせ、五観の偈をいつものように唱えて食事をする。
汁一滴も残さずに平らげた後は食器をすすぎ、家のなかを一通りの掃き掃除をする。
「……さて、行くか」
半纏を和装コートに変えて、スニーカーを履けば朝の務めは終わりだ。

・昼
いつも昼過ぎには役場での仕事は終わるようになっている。
俗世の書類仕事には慣れたつもりでいるが、次々に出てくる新しい機械の使い方にはいつも悪戦苦闘してしまう。
鯖江などは一番に道具の使い方を覚えてしまうのでそれがうらやましく思うが、かといって教えてもらっても半分ぐらいしか理解できないため覚えることもまた修業と言い聞かせてしまうことが多い。
ようやく今の機材に慣れてきたが、また今度機械を一新するという話もあるので出来るならばあまり操作方法の変わらないものであってほしいと願うばかりである。
役場を出ると連絡用の携帯が鳴り響いた。
「勝山か、どうした?」
『おじいちゃんさあ、日本酒要らない?』
「日本酒?」
『だいぶ前に貰って来た日本酒が一升出て来たんだよ、未開封だから飲めるとは思うんだけど一升も飲み切れないし、おのくんもそんなに飲めないからいいって言うんだよねえ』
「……うちに白菜と豚肉があるから常夜鍋にするか?」
『あー、じゃあ今からそっち行っていい?』
「じゃあ鍋の準備でもしておくか」
早くも雪の降り始めた街を抜け、自宅に戻ってさっそく包丁を握る。
白菜を刻み、豚肉も食べやすい大きさに切り、そう言えば長ネギが残っていたのでついでにそれも入れてしまおう。
「ごめんくーださい!」
「どうぞー」
「もう野菜の準備出来てるんだね、さっそく作っていい?」
「おう」
土鍋にたっぷりの日本酒と作り置きの出汁(昆布・干ししいたけ・野菜の切れ端を煮込んで瓶に入れてあるのだ)をを入れて火にかけ、白菜と長ネギをたっぷり入れておく。
「そう言えばおじいちゃんいちおうお坊さんなのに常夜鍋食べていいの?」
「決まり事ってもんは時と状況によって変わるからな、仏の教えは原則で時と場合に応じて変えていくってだけ」
「おじいちゃん意外に生臭坊主だね」
「生臭じゃないわい」
野菜に半分火が通ったら豚肉を入れてもう少し。
その頃には酒精も飛んでいるだろうからゆっくり食べさせてもらおう。

・夜
仕事という仕事をこなしていたらもう10時を過ぎていた。
近隣の住職のない寺を回って積雪への備えをしていたらもう疲れ切ってしまったのである。
(……今日は軽く食べて寝よう)
湯を浴びてさっぱりした身体で台所に立つ。
乾燥うどんを湯がき、作り置きの出汁にたっぷりの乾燥野菜ときのこを入れて煮込んで醤油をひと回ししてからお湯で片栗粉を溶いて出汁に混ぜて煮立たせる。
あとは湯きりしたうどんにかけるだけだ。
人ではないが腹は減るのは不便であるが仕方ない。
この身体で今日も生きていく。




永平寺おじじの日常。

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カメラ・オブスキュラの恋人

捏造しかない光学ダービーの話


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今話題のアレの話

鹿島「あ、ハガレンの単行本じゃん!うわ懐かしー!」
君津「それ借りた奴だから汚すなよ?」
鹿島「汚さないよ、でもなんでいきなり?」
君津「今度ハガレンとコラボするって聞いたらそういやあれってどういう結末だったか思い出せないことに気付いて全巻揃えてる職員に借りた」
鹿島「そういや俺も途中までしか読んでないかも。というか何で読んだんだっけ……」
君津「なんか千葉に読まされた気が……」
鹿島「俺もそんな気がする」
君津「というか気合入れ過ぎて本社がTwitterアカウント作って運用してるんだよな……」
鹿島「本社ノリ良すぎじゃない?……あ、」
君津「うん?」
鹿島「そもそも、今回のコラボって実写版のハガレンとのコラボ?」
君津「そうだけど?」
鹿島「……実写版ハガレンってこの間古河機械金属ともコラボしてなかった?!」
君津「そういやしてたな!」
鹿島「しかもあれ悪評しか聞かないんだけど!」
君津「漫画の実写版って何であんなに悪評しか聞かないんだろうな?!」
鹿島「ほんとにね!本社のセンスを疑うね!」
君津「俺のせいじゃないけどな!」

君津・鹿島「「あはははは!!」」


特にオチはない


君津と鹿島。
コラボ動画見てるんですけどもっと他にコラボできる作品あったのでは……?感がすごい。

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八幡さんちはあまりにもうるさい

新日鐵住金になってから三人で食卓を囲むことが増えた。
私こと八幡製鉄所戸畑地区と、八幡地区、小倉地区の三人である。
大抵は仕事の話し合いも兼ねたランチである。
「……という事なのでお願いします」
「おう、それは分かったが……飯食いながらやる必要性あるんか?」
「そう言う機会じゃないと顔合わせてくれないので」
この中では年少の部類になる私であっても、この二人の仲の悪さは分かっている。
仕事でも必要以上に顔を合わせたくないと思っている男二人を同じ机に並ばせるのは至難の業であり、めんどくさいのでご飯と仕事というクッションは必要なものなのである。それに戸畑ちゃんぽんは美味い。
「戸畑、あなた結構効率重視ですよね」
「そうしないと何も進まないので。あと八幡さん一昨日渡した資料持ってきてくれましたよね?あれ小倉さんにも一応目を通してもらいたいので食後にでも渡してもらっていいですか」
「……わかりましたよ。今は大半の仕事あなたに押し付けてる身としては逆らいようがないですからね」
「お褒めに預かり光栄です」
「それ褒めてるんか?」
「褒め言葉に決まってるでしょうが」
現在、八幡製鉄所の仕事の大半は戸畑が中心となっているため基本的に製鉄所内の仕事は私の裁量で自由にやらせてもらうことが多い。
明治の御代から続く八幡の名を背負うこと自体は決して不愉快な事じゃない、責任ある仕事だ。
「ま、戸畑が気にしてねえなら別にええがのぅ」
小倉さんがポツリと案ずるような声色で呟いた。
「ごちそうさまでした。戸畑、皿はこのままで?」
「大丈夫です」
「書類はここに置いときますね、これから少し出かけてきます」
「わかりました」
そう言って書類の束を置いて部屋を出て行った八幡さんを見送る。
空になったどんぶりはいったん脇へとずらす。
「またちゃんぽんの汁残しよるな、あいつ」
「それはあの人の自由やけ、気にする事じゃないやろっち思いますがね」
「……お前さん、気ぃ抜けると北九弁に戻るんか」
「ですかね」
ちゃんぽんを汁まで平らげてから、ついでに買っておいた安納芋のモンブランと缶コーヒーに手を出す。
「お前さんぎょうさん食うなあ」
「それはどうも」




戸畑と八幡と小倉。

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