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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

続:弐湖の国の窓口です

・割としょうもないネタです。

・あまりにしょうもないので折りたたみます。





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納豆食べようず!

東京・県のアンテナショップ
「ねぇみーくん」
「うん?」
「今日が納豆の日だからって言うのは分かるよ」
「だから手伝い頼んだんでしょ?」
「でもさ、ここまで納豆臭いアンテナショップってどうかと思うんだけど・・・・・・・」
「納豆の日だから良いんです」
今日は7月10日、納豆の日。
納豆の大試食会が行われていた。

***

お客さんが思い思いに納豆を試食する。
普通の納豆だけでなくおぼろ納豆、切り干し大根を混ぜた納豆、黒豆納豆…多種多様な納豆が試食として並べられた。
「去年はいろいろあったしさ、今年も楽しくやりたくない?」
「・・・・・そうね」
やけに楽しそうな表情をしてそういうので、まあ良いかなんて笑いながら手伝いに励むことにした。




おわり




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減っていく思い出

「筑西、何開いてるんだ?」
「・・・・・・桜川が病院はうちで作らないって」
よく見ると書類のマークは筑西ではなく桜川のもので、桜川から届いた書類であることは明確だった。
今でこそ地域史と言う表舞台から消えてはいるが、現在もまだ生きているのでまだ若い筑西の為に仕事の面倒ぐらいは見ている。
「ああ、中核病院の一件か」
話は平成の大合併の頃にさかのぼる。
旧下館市と旧岩瀬町には市営の病院があったが、平成の大合併で下館市は筑西となり岩瀬町は桜川市となったので隣同士となった。
そこで二つの病院を統合して県西地域の医療の中心となる中核病院を作ろうと言う話が持ち上がった。
俺も含めて筑西市は作るほうに完全に賛成し、候補地も用意した。
しかし桜川のほうでは「桜川だけでなく筑西に候補地があるのでお金を出す必要はないのではないか」と言う理由で議会が紛糾し、市は作ることを諦めた。
「その正式な通知か」
「はい、だからどうしようかと」
「・・・・・・県と国に金だして貰えないかこっそり聞いとけ」
軽く深呼吸をする。
筑西が頷いてからパタパタと走り出すのを見送りつつ、窓の外の晴天を見る。
(少しづつ減っていくなぁ・・・・)
下館市が存在した頃のものが減っていく。
それは時間の流れだとしても、ほんの少しさびしかった。





おわり





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なくした物の名前

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宿命と諦めた

*東上+筑波高速度です。


池袋
交通の要衝となりつつあった池袋駅は人で混雑していた。
「・・・・・・筑波?」
「ああ、東上鉄道さん」
「そんな風に呼ばれるのは久しぶりだわ」
東武鉄道東上線になって数年、かつての名前で呼ばれるのはどうもむずがゆい。
「ああ、私の中ではまだ『東上鉄道』のままなんですねぇ。外出なんて久しいですから」
「・・・・・あなたどんな生活してるの?ああ、良ければ近くでお茶飲みませんか?」
「ええ」

***

小さな甘味処は人もあまり多くは無く、まだこの頃は物資も足りていた。
入ってすぐに店員さんが注文を取りに来て抹茶とあんみつとぜんざいを注文する。
するとすぐ2人分の抹茶が届いた。
「京成とはどう?」
「普通ですよ」
私には出来ない優しい笑みからは幸せなのだなあと思う。
自路線を持たぬまま消失する運命にある彼女は、穏やかな表情をしていた。
ある意味で死を覚悟したものの強さ、と呼べばよいのだろうか。
「・・・・・・うちのは、たまに泣いてる」
伊勢崎は人前にはほとんど見せないが、時折一人で思い出し泣きする。
なぜそれを知っているのかと言えばその後は何もおきてないような下手な芝居を打って何か甘いものをくれとこちらに来るからだ。
饅頭をひとつでごまかせるものではないと分かっていても、私は饅頭を与えた。
「なんだか、申し訳ないです」
「伊勢崎はいつものことだから。うちの姉もそういうところあるから」
「・・・・・・武蔵野鉄道さんですか」
「今は西武だけどさ、あれでも昔は貧乏に貧乏重ねてひどかったんだよ。結局離れ離れだけどさ」
「聞いてます」
お互い昔の記憶ははいて捨てるほど残っている。
有り余った過去を吐き出しあいながら、馬鹿みたいに喋った。

―2時間後
「あー・・・・・喉痛い」
「こんなに喋ったの初めてですね」
「そういえばそうだわ」
筑波とは伊勢崎との交渉の関係で少し喋っただけのような気がする。
それ以外に話したことは無い。
「そうだ、」
「はい」
「あたしさ、伊勢崎が泣いてるの筑波絡みでしか見た事が無いんだよね。
日光の開業式典のときでもこらえてんの、それで『馬っ鹿じゃないの』って行ったら『人が死ぬときと自分の結婚式以外は極力泣きたくない』とか言うの」
「・・・・・伊勢崎さんらしいですよ」
「だからね、あたしはあいつを信頼してる。馬鹿なんだもんあいつ。」
それは本当だ。
伊勢崎が泣いた分笑っていな、と言うとええとうなずいた。





いずれ消え行く定めもまた、宿命と諦めた





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