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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

幸せになって欲しくて1

『常磐新線』
そう名づけられた子供は、私と一心同体だった。
長く人々の記憶から消えていた東京からつくばを繋ぐ高速鉄道だった私と同じ存在意義だった、ただあの子の場合は同時に常磐線の複線としての意味も存在していた。
だからこそ常磐という名前を与えられ、誕生した。

幸せになって欲しくて

1978年
当時輸送限界を迎えつつあった常磐線は茨城交通湊線(現ひたちなか海浜鉄道)からの直通を切ってまで人々の輸送に精を出した。
この状況から県から第二常磐線構想が発表され、検討された。
都心から北千住を通過してつくば市内へ至る茨城県案と、秋葉原や扇橋などから新小岩を経由して我孫子へ至る千葉県案が提案された。
京葉線との競合や金銭面の問題、そして学園都市が建設当初から学園都市と都心を繋ぐ鉄道が建設される前提で作られていたという点などから茨城県案が決定した。
『・・・・・・・・君が、私なのね』
『お姉さんは?』
『筑波高速軌道よ、常磐新線』
こどもは私のなるはずだった姿だった。
都心から筑波市内を結ぶ鉄道路線というその姿は、私のずっとなるべき姿だった。
その姿が幻と消えないよう、消えないように私は彼を見守り始めた。

*           *

1985年、8月
運輸政策審議に通されたことで、開通が現実的になった頃。
『筑波、国鉄さんが東京に来て欲しいんだって』
『・・・・・・それはきっと、国鉄さんが合せたい人がいるのよ』
『常磐線?』
『おそらくそうでしょうね』
彼に会うということは、やはりこの子は常磐線の複線でもあるのだ。
無論、それ以外の意味もあるのだろうけれど一番そういう点が強く浮かんだ。




つづく

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笑えるくらいいまさらの話【パラレル】

*鹿島参宮さんには兄弟がいるという別設定によるパラレルです。
実際はこのような設定ではないのでパラレル扱いとなります。

*腐向けではないよ。


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無意味な恋のはじめ方

*腐向け駅擬人化です。


*広い心でどうぞ。





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その目を恐れている

(何で水戸に行くことになったんだろう)
その原因は30分ほど前に遡る。
-30分前
その日は守谷で常総線との打ち合わせで、新ダイヤの影響を確認していた。
「常総、ちょっと宜しいですか」
ふいに現れたのは常総と接続している水戸線だった。
どこか体調の悪そうなその人を見て、嫌な予感がした。
「水戸さん、わざわざこんなとこまでどうしたんですか」
「いえ、大した用事でもないのですが下館駅であなたのを拾いましてね。
人に預けるのも心配ですし、直接渡そうと思って駅員に聞いたら守谷にいると」
小銭入れを常総に渡した瞬間、フラリと水戸が倒れた。
熱を出していた相手に下館に置いてある書類を常磐に渡して欲しいと頼まれた。
さすがに断りきれず、しぶしぶ渡しにいくことになった。

*             *

水戸で会うのはわざわざ会いに来たみたいで癪に障るので、一番良いのは他の誰かを経由させることだ。
北千住で伊勢崎線や千代田線に託すとか、南流山で武蔵野とか。
だけどついていないことと言うのはあるようで下館で遭遇したのだ。
「・・・・・・・・なんでここにいんの」
「それはお前も同じだろ、俺は水戸がいつまでたっても友部に来ないから試しで来たんだよ」
「こっちは水戸が守谷で倒れたから水戸に頼まれて書類を取りに来たんだよ」
「・・・・・・そうか」
その目だ。
いつも常磐の自分を見る目は哀れみがあって、その目が癪に障る。
筑波と過去の記憶を共有するようになってから理由を知った、それでも嫌なのだ。
『TX』
『筑波はでしゃばらなくて良いよ』
『誰も悪くはないのよ、彼もあなたも』
小さな子を諭すように筑波が言う。
『それでも嫌だ』
その目を認めてしまえば自分でなくなりそうなのだ。
輸送量ギリギリの常磐を支える複線、それが自分だった。
そんな事実を認めない所詮子供なのだけれど、認めてしまえば何かに負けてしまうような気がするのだ。
「書類見つけたから、帰るぞ」
「そう」
ああ、本当に自分はその哀れみの目を恐れているのだ。
しばらく茨城に戻りたくなくなって、千葉へ行くためもと来た道を走り抜けた。














という訳でTXと常磐でした。
・・・・・・本当にこの二人仲がいいのか悪いのか不明すぎるけど、常磐は決してTXを嫌っているわけではないってことを書きたかった。

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掴めない人たち

流山おおたかの森、なんて長い名前誰が考案したんだろう。
しかも日本最長の南阿蘇水の生まれる里白水親水公園駅と長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅にはひらがな表記で10文字差がつけられている。
後者の鹿島臨海には似たような境遇のせいかあんまり怒る気にはなれない、というかそれはただの逆恨みだ。
でも話題づくりで長い駅名をつけたならどうせならもっと長い名前にすればよかったのに。
「TX」
思考をさえぎるように声をかけてきたのは野田だった。
(そうだ、ここは乗換駅だった)
「・・・・・・野田、どうかした?」
「いやぁ、久しぶりに顔見たなぁって」
「まあここしばらくはつくばに篭りっきりだったしね」
「醤油プリン、食べる?」
「何でそうなるの?」
この駅を共有する野田はどうもおっとりしすぎていて、たまに話が突然奇妙な方向に吹っ飛んでいくのだ。
もう慣れてはいるけど。
「キッコーマンがくれた」
「ああ、あの尻尾の折れた」
古くから野田の面倒を見ている猫の名前を挙げて袋に入れられたプリンを受け取った。
「頑張り過ぎて倒れないようにね」
「・・・・・・当たり前でしょ」
野田は本当に掴めない。
どこまでも知っていそうな気がしてしまう。






おわり






うちのTXと野田さんのお話でした。
二次のTX野田見てたら書きたくなったんや・・・・・・。
うちの野田さんはおっとりしすぎてるというか宇宙人なので意外とTXの内心を読んでいるのかもしれません、偶然だと思うのですが。

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