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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

呆れても良いよ、それでも君が好きだから

ああ、めんどくさいことばかりだ。
インフルエンザで倒れたというのに千葉が『銚子のぶんのしょるいがあるの』だと言って呼び出すとは。
「ちょうし、お久しぶりなの」
「ああ、久しぶりだなぁぃ」
「お誕生日おめでとうなの!」
そう言って小ぶりのブーケを渡されて、そうかと思い出す。
今日は2月11日、俺の誕生日だった。

呆れても良いよ、それでも君が好きだから

貰ったブーケをグラスに入れてごろりと寝そべる。
なんで人間でないのに風邪を引くんだろうかと昔は疑問だったが、今はもうどうでもよくなっていた。成長なのか諦めなのかはわからないけれど。
「銚子」
「・・・・・神栖、珍しいなぁぃ」
「橋の整備関係の書類届けに来たらお前がインフルでぶっ倒れたと聞いてな、いいざまだと思ったついでに直接渡しに来た。
いちおうお前に目だけ通しとかないと後々めんどくさくなること確実だから」
「一部聞かなかったことにしてやるけど、俺に見舞いの品はねぇのか」
「これ飲んどけ」
渡されたのはひんやりとした青いペットボトルで、スポーツドリンクのようなものではない。
「これぁなんでぇい?」
「経口補水液だよ、熱とか下痢で脱水症状起こしてる時に飲む奴」
「ふうん」
ボトルの口を開いて、飲むために起き上がろうとするが起き上がる腕の力が出ない。
「・・・・飲ましてくれないかぃ?」
「断る、起こしてやるから自分で飲め」
背中に腕を滑り込ませて俺を起こすとボトルにストローを差して俺の口の前におく。
「・・・・・お前さんの優しさは変わってらぁ」
「普通だ」
平熱のはずの神栖の腕が冷たく感じられる。
「そういうとこは好きだねぇ」
「あほか」
いまなら俺はどうなってもいい。
こいつの腕の中ならたぶん。









タイトルお借りしました→「群青三メートル手前」さんhttp://uzu.egoism.jp/azurite/

たまには銚子にいい目にあってもらいました。そしていまさら過ぎる・・・・。

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あの日の記憶をカメラに刻む

小さく口ずさんだ歌は片思いの歌だった。
筑波鉄道があった頃の写真を鮮明化しながら、彼のいた時代の記憶に涙が零れそうだ。
―もう彼はいない
そのことを寂しくないというと嘘になる、だけれど僕は彼に恋をしていたとかそういう訳でもない。
きっと恋とか愛とかそんなおちゃらけたものでなく、僕は彼を体の一部のように思っていたんだろう。
彼が県内外から乗客を筑波山のふもとまで運び、バスでつつじヶ丘へ、頂上までは僕が連れて行く。
そんな分担が出来ないことがきっと何よりも悲しい。
だからせめて僕は彼の生きていた時代をカメラに刻み付ける。








恋とかそういう気持ち以上で筑波鉄道が好きだった筑波登山軌道のおはなし。
筑波鉄道は人に愛される天才だったと思っています。

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東武のひとたちと土浦

「土浦寒くねぇ?」
「普通ですよ、湖からの風でそう思うだけで」
「いやどう考えてもさみぃでしょこれは、やっぱり浅草に上着おいてくんじゃーなかったかいんさ」
土浦で雪が降りました日のこと。

東武の人たちと土浦

「日光さんは?」
「・・・・・ここにいるが文句あるか常総」
相変わらずのふてぶてしさと目つきの悪さ。
うん、俺の記憶にあるままの東武日光線さんだ。
「ああ、お久しぶりです」
「兄さんが寒いといってるんだからお前の上着を貸せばいいだろう」
「うちは貧乏なんで上着貸したら俺が風邪引くんですけど」
「常総が風邪引くほうが問題だからいーや、オレは日光に代わり頼めるけど常総はバスや龍ヶ崎に代わり頼めねぇし」
「兄さんは俺の上着使って、どうせ俺は寒さ慣れしてるし」
押し付けるように日光さんが伊勢崎さんに上着を押し付ける。
何年かぶりに会うが相変わらずこの人はブラコンである、もう慣れたけど。
「ありがとうな、お前のやつあったかいから助かる」
「兄さんは気にしなくていい」
突然携帯のベルが鳴った。
発信者は「東武東上」
・・・・・この名前を聞いただけで体温が5度ぐらい下がった気がするのは気のせいだと思いたい。
「もしもし」
『常総、そこに馬鹿本線殿はいるか』
「いますけど・・・・・」
『押上で事故起きたから戻って来いって、本線兄弟が電源切ってるからお前に電話したんだ』
「あ、はい」
電話を切って事情を説明したら「・・・・・兄さんの邪魔しやがって」とつぶやいて帰っていった。
そして俺はふと意識が飛んでいた。







「じょうそー、大丈夫?」
「あー・・・・いちおう大丈夫です」
俺の背中を支えるように京成さんが俺を支えてくれていた。
背中がしっとり濡れているから雪の上に倒れたらしい。
ここが車の通るような場所じゃなくて歩道でよかったけど、頭を打った形跡は無い。
「登山軌道からバスに渡してくれって言われた書類渡した帰りにここ通ったら倒れてるんだもん、びっくりしたにゃー。」
「すいません、ちょっと・・・・」
「おうちまで送ってく」
「へ?」
「どうせ今日は休みだし、雪なんて久しぶりだから」
「じゃあ、お願いします」
ぼんやりと俺はいろんな人に愛されているのだと、思う。





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ここは彼の夢の果て

ブレーキのついたピストでまっすぐな道を漕いでいく。
向かいからふきつける冷たい風が僕の古い記憶を目覚めさせていく。
まるで僕が彼のいる死に突き進むみたいだ。
突然携帯が大きな音を鳴らす。
『もしもし、高尾線だけど』
「・・・・・またうちに来たんですね」
『うん、よかったら一緒に食事しない?飲みでもいいけど』
「いいですけど、今ちょっと遠くに行ってるんで1時間ほど待ってもらええないと無理ですよ?」
『遠くって?』
「筑波りんりんロード・・・・って言っても分からないでしょうけど」
『具体的には?』
周囲を見渡すと二つ頭の筑波山、反対側には雨引山も見える。
雨引山の先には雨雲が見えるから引き返すのは得策だろう。
「筑波山の北のほうです」
そういえば彼は雨が嫌いだった。
雨で濡れた風情ある真壁の町は好きなくせに、雨が降ると山が見えなくなるから嫌いだといっていた。
そのたびに筑波駅で山のことを僕やバスから聞きたがった。
どれぐらい山に人が来てるのか、紅葉や桜が雨で散ってしまわないか、周辺の田畑の様子。
(彼の生きていた時間を覚えていることが僕にとっての供養なんだろうか)
『名に考え込んでるの』
「ああ、ちょっと昔のことを」
『じゃあ筑波の昔話あとで教えて、つつじヶ丘で待ってるから』
電話を切ると自転車で引き返す。
僕のいるべき場所はこの道の先や過去あるような死ではなく、筑波山や今という生だから。









実は最初に書いたやつをうっかり吹っ飛ばしたのは内緒です。
筑波鉄道と筑波登山軌道と高尾線。

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業平橋駅は3月から東京スカイツリー駅になります。

*各方面で話題のあのネタをやりたくて。


「スカイツリー開業に合わして押上駅を押上(スカイツリー前)駅にして、業平橋を東京スカイツリー駅にして、ついでにおれの東武動物公園から浅草までを東京スカイツリーラインにしちゃうよ!
あとスペーシアにカウントダウンヘッドマークも出しちゃうよ!」
「・・・・・・東武さんやりすぎじゃないんですか」
「ふふふ・・・・・ついでに駅ナンバリング導入してTS表記になるんだよ!どうせ今まで東上もTJだったぃし!」
「伊勢崎もアホの子だにゃー、どうせ俺やメトロも巻き込まれるのにねっ☆半蔵門に告げ口しちゃうぞ?」
「 だからさぁーそれはおれに死ねって言ってることじゃーねぇのか、都営の巻き添えで爆発しろ」
「しないにゃー?むしろスカイツリーと一緒に背骨が折れちゃえばいいにゃー」
「前から思ってたけどお前のその語尾すげー腹立つから直せよ」
「伊勢崎ちゃんよ、男の嫉妬は見苦しいぞっ☆」
「・・・・・・西武さん呼びましょうか」

「「ふざけんな」」


               おわれ






スカイツリーラインはあれですよね。なんともいえない気持ちにさせられますよね。お前の社運かかってるのかと。
ついでにうちの東武さんは伊勢崎線なんだよっていう設定もついでに出しておきました。

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