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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

君に届け!中篇

『あんこで何か食べたい』 「・・・・それはSieのわがままでしょう」 彼女の記憶が引き継がれて以降、こうやって彼女はひょっこりとやって来て話をした。 『でもそういう季節じゃない、暖かくなって野点も増えて』

「野点?」 『外でやるお茶会のことよ・・・・・せっかくだし、野点をしましょうか」

君に届け!

京成上野からさほど離れていない上野公園の桜はまだ咲き始めだった。 簡単に抹茶を立てて、桜を見る。 『春ねぇ』 「そうですね」 『あの人も菜の花だー桜だーって騒ぐ頃合ね』 「去年浅草で遭遇したときも言ってましたね」 ちょっとばかし大変だった思い出を思い出しながら、抹茶を飲む。 桜はもう何度も見ているというのに、浅草やつくばの桜と上野の桜は少し違う気がする。 『あの人らしいわね、伊勢崎君もなんだか言いそうよね』

「東武さんですか?」 『いまは押上の新しいタワーで手一杯かしら?』

「時期的にそうみたいですよ、桜より5月の開業準備みたいです」 和菓子屋さんの大福とぼたもちをつまみながら、抹茶をゆっくりと飲む。『あの頃はこんな時間なんて持てなかった』

「誰と?」 『伊勢崎君と。私、日光君に嫌われてたから。・・・・・どちらも嫌いでは無かったんだけどね』 今更伝わりはしないけれど、と呟きながら桜を見る。 彼女は誰も嫌っていなかったということを誰に伝えたいのかは分からない、けれども彼女がそのことを伝えたい人に伝わればいいのにと思う。 筑波高速度と京成と東武のお話。そういや3人の過去について一度も触れてなかったので、いずれ書きます。過去話で日光が兄以外を嫌う理由がはっきりするかなと。

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君に届け!前編

下妻の家
「つっくばー、下妻ーおまたー☆」
「ああ、わざわざすいませんね」
「下妻は気にしなくてもいいって、いつもうちの常総が世話になってるしさ!炊飯器の準備って出来てる?」
「出来てるよ?」
「でもなんでうちでぼたもちを?」
「うちにある一升炊きの炊飯器壊れちゃってさー、つくばが『下妻なら一升炊き炊飯器持ってるよ』っていうからねー。下妻もあっさりいいよって言うからご好意に甘えちゃおうかと思って」
数日前、不慮の事故であの世に召された我が家の巨大炊飯器はなんとも不都合なタイミングで一番必要とする時を迎えていた。

君に届け!



あずきは下妻の家にあった貰い物で、お米ときなこはこちらで用意した。
もち米うるち米を3:1の比率で混ぜて、ひたすら米を研ぐ。
「いや、そういう意味じゃなくて・・・・・」
「他にもいくつか理由はあるけどさ、そういう下妻は何で一升炊きなんて持ってるの?」
「昔から色んなイベントごとに巻き込まれるんですよ、それに料理が出来ない人に良くたかられるので・・・・・」
「つくばに?」
「それもあります」
水切りしたお米を炊飯器に入れて、水にさらす。あとはこれを炊飯器にいれて一時間待つ。
「手馴れてますね」
「うちで毎年作るからね」
「きなこと砂糖混ぜ終わったよ」
「おー、つくばお疲れさん」
「これから小豆炊くの?」
「そーそー、こしあんとつぶあんどっちが好き?」
「こしあん!下妻もこしあんでしょ?」
「羊羹はこしあんですけど大福やぼたもちに限って言えばつぶあんです」
こしあんつぶあん抗争が勃発しかけた二人を抑えた後、こしあんとつぶあんどちらを多めにするかを考えてみながら、鍋に小豆を入れて炊く。
「今年はおすそ分け多目だからこしあん7のつぶあん3にしようかな」
「そろそろ差し水したほうがいいですよ」
下妻の指摘で鍋に水を差して、煮詰まったところでこしあんにする分を別の鍋に移して砂糖を入れる。
「下妻、これこしあんにしといてくれる?」
「了解です」
茹で上がった小豆を身が全部取れるまで漉し機で漉していく。
そしてそれを小豆の水分と身が分離するまでさらす。
「・・・・・手際いいね」
「だって下妻だし」
こちらは全部冷ますだけだ。
お米のスイッチを入れて、一旦休憩をしよう。

あずきの身を鍋に入れて、砂糖と水で再び煮る。
「・・・・・こしあんってめんどくさいんだね」
「毎年めんどくさくてもやっちゃうんだよねぇ、この時期はさ」
こしあんが出来上がったところで、お米の炊き上がりの音がする。
炊けたご飯を豪快につぶし、ごはんを一つ一つ小さく丸める。
きなこ用のごはんの中にあんこをつめる。
「俺がごはん丸めてあんこつめるからつくばがきなこつけて、下妻がつぶあんとこしあんでご飯包んでね、俺あんこつつむのプロ並だからさ!」
そんな調子で3人まとめてぼたもち製造機と化す。
大量の牡丹餅が皿とラップを敷いたテーブルの上に載せられたところで、牡丹餅が完成した。
「・・・・・付き合ってもらってごめんにゃー?ちょっと行くとこあるから」「あ、なら付き合うよ」
いくつかの牡丹餅をラップにくるんでビニール袋に放り込んだ。

*          *

筑波山中腹。
「・・・・・やっぱりね」
「でしょー?」
ひっそりとした小さなお墓、俺が一番好きな人のお墓。
たった数年だったけれど誰よりも大切な人のお墓の前に牡丹餅を備えた。
「そういえばお彼岸だもんね」
「まあ筑波は和菓子だとあんこよりお餅の方が好きだったけどさ」
「なら大福供えれば良かったじゃない、市販の奴」
「・・・・・市販じゃ駄目なんだよ」
筑波がいなくなってもう何十年も経つ。
手作りと市販品に違いがあるように、経年数だけでは図れないものがある。







この手作りぼたもちに込めた想いが遠い遠い君に届きますように。



本当にうちの京成は筑波大好きですね・・・・・。
呆れる。いつもいつもいつも筑波に思いを馳せてる駄目夫です。どうにかしてやれよ天国の嫁。

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【パラレル】隅田川に桜が咲く日

*中の人のkstb萌えをこじらせた末のお話。

*このサイトではkstbはパラレル扱いとなります。
あくまでもこのサイトはks筑波高速度中心です。

*いーちゃん→tbissk線/成田→ks本線です。

*何故か本社移転話。





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あなたと世界を繋ぐもの(ブラウザ擬人化)

*突発的に書いてみました。


・インターネットエクスプローラー(IE)
たいていのPCで標準装備されてるブラウザ。
OS大手のウィンドウズ出身。イギリス系アメリカ人。
使ってるとたいてい重い。(個人的感想)
生真面目なお役人さん、あほ毛めがね、生真面目なので空気は読めない。

・グーグルクローム
検索大手のグーグル出身。いわゆるヒスパニック。
OSを選ぶところがあるっぽい(個人的感想)
自由人でファッショナブルで陽気、隠さないオタク。

・ファイヤーフォックス
非営利企業のモジラファウンデーション出身。東欧系アメリカ人。
オープンソースであるモジラのために生み出されたようなところがあるのでモジラ以外にはなつかない。
IEとはいろいろありました。
表面上は人懐っこくてにこやか、ただし本当は人嫌いな毒舌。(腹黒ではない)

・オペラ
ノルウェーのオペラソフトウェア出身。
ゲーム機やテレビに使われるブラウザ。
IEの旧友。喋るのが苦手で感情を表に出さないがオタク。



・サファリ
アップル出身。アジア系アメリカ人。
主にアップル製品に標準搭載されているが、OSをあまり選ばない。
オープンゲイ。(アップル社の社風がゲイフレンドリーなので)さらっと下ネタを発する。

*ウィンドウズ
IEと同じウィンドウズ出身。
やっぱり生真面目役人。顔が広い。
*アンドロイド
グーグルの関係団体のオープン・ハンドセット・アライアンス出身。
神出鬼没な不思議ちゃん。男の娘。イタリア系アメリカ人。
*モジラ
ファイヤーフォックスと同じモジラファウンデーション出身。
いつも眠そう、というか常に眠そう。


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鉄道唱歌のお話

「結城です」
作者です、お話のほうの登場は久しぶりですね。
「基本的にあなたサボり魔ですからね」今回は作者の暇つぶし的な感じで『鉄道唱歌』の話でもしようかと思いまして。
「・・・・・暇つぶしって」
鉄道唱歌というのはたぶん世界でも3本の指に入るレベルで長い歌曲でして、7曲と399番まで存在します。ギリシャ国歌の「自由への賛歌」が158番までですから3倍ぐらいです。
「まあ番外編みたいな曲も山ほどありますけどね」
今回はその中から茨城県内とその周辺を軸にご紹介してみようと思います。

六  末は銚子の海に入る 板東太郎の名も高し
   みよや白帆の絶間なく のぼればくだる賑(にぎわい)を
まず一番県内が最初に出てくるのはこの部分ですね。
「利根川を前の部分で渡ってましたよね」
だから利根川辺りだと思うんですけど自分としては銚子の海の下りがちょっと解せない感じです。上野から現在の宇都宮線で北上してるので海なんて無いのにな・・・・という感じです。情報希望。

七  次に来るは古河間々田 両手ひろげて我汽車を
   万歳と呼ぶ子供あり おもへば今日は日曜か
これは分かりやすく古河ですね。
「おもへば今日は~の下りですが、土曜日が休日に認定されたのは平成に入ってからですから妥当なところでしょうか」万歳というのは天皇陛下万歳、でいいんですかね。明治期の曲ですし。

八  小山をおりて右にゆく 水戸と友部の線路には
   紬(つむぎ)産地の結城あり 桜名所の岩瀬あり
「水戸線のくだりですかね」
小山駅の乗り入れのことですかね、9番で両毛線について触れられているので群馬の地名が出てるので乗り換え案内的な意味合いもあるんでしょう。
「でもなんで水戸と友部なんですかね、水戸線は小山水戸部間ですし」
確かに・・・音数の問題かなと思いますけど、この歌はぜんぶ75調で統一されてるし歌曲ですからね。
ここから栃木を抜けて仙台、そして青森まで到達してから常磐線沿線に参ります。

四四 道は磐城をつらぬきて 常陸にかかる磐城線(いわきせん)
   ながめはてなき海原は 亜米利加までやつづくらん>磐城線、いまの常磐線ですね。もともと常磐線は複数の路線を統合しているのでこの時代の表記に合わせて「磐城線」という表現なんでしょう。

五三 あひて別れて別れては またあふ海と磯の松
   磯原すぎて高萩に 仮(か)るや旅寝の高枕
これは分かりやすく北茨城と高萩です。
「磯原は北茨城の中心駅ですしね」

五四 助川さして潮あびに ゆけや下孫孫も子も
   駅夫の声におどろけば いつしか水戸は来りたり
助川というのは今の日立市内ですね、当時は日立鉱山がメインでした。
「しかし随分と省略されてますねぇ」
一駅一番だと間にあわないんでしょう、東海道線は2つに分けてあるほどですし。

五五 三家の中の勤王の その名知られし水戸の藩
   わするな義公が撰(えら)びたる 大日本史のその功(いさお)
五六 文武の道を弘(ひろ)めたる 弘道館の跡とへば
   のこる千本(ちもと)の梅が香は 雪の下よりにほふなり
水戸に到着して水戸の歴史に対する部分ですね。
「大日本史編纂と弘道館ですか」
これも時代背景的なものかなと思いますよ、明治に入って大日本史の編纂が終わり、黄門様の諸国漫遊が庶民に広く知られるようになった頃ですし。

五七 つれだつ旅の友部より わかるる道は小山線
   石岡よりは歌によむ 志筑(しづく)の田井も程ちかし


これは・・・・水戸線と常磐線の境目でいいんですかね。
「おそらくは」

五八 間もなく来る土浦の 岸を浸せる水海(みずうみ)は
   霞ヶ浦の名も広く 汽船の笛の音たえず
これも分かりやすく土浦ですね。
「戦争中の話になりますが、土浦事故というのがありましたね」
・・・・・それはいったんやめにしよう。重すぎる。
土浦事故についてはおいおい書く機会もあるかと思いますのでその時に。

五九 雲井の空に耳二つ 立てたる駒の如くにて
   みゆる高嶺は男体と 女体そびゆる筑波山

六〇 峰にのぼれば地図一つ ひろげし如く見えわたる
   常陸の国のここかしこ 利根のながれの末までも


これでやっと茨城県内を出て千葉を通り抜けて上野に戻ります。
「長い歌ですよねえ・・・・・」
私も痛感しました、正直鉄道唱歌なめてた。               





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