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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

140文字SS画像まとめ2

ちょっと溜まってきたので新しくページ作りました。
自分用にお遊びで作ってみたものまとめ。
たぶんそのうち増える。下に行くほど新しくなります。
お借りしました

*過去ログ
2017年秋から18年夏ごろのログ



ジュビロとスティーラーズ


八幡と釜石


結城小山


八幡釜石+光


SSと言うかネタでやったやつ(個人的に気に入ってるので貼った)




#擬人化の要素を紹介するタグでやった奴



京浜ちゃんのお話(そのうち長編として書くかもしれない)

あかべこさんちの結城小山さんはよく晴れた日の夕方、野ばらの低い生垣の続く道で遠くから聞こえてきたピアノの曲についての話をしてください。
#さみしいなにかをかく
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二人で行った喫茶店の帰り道、彼に会いに来て車を止めた時、無理やり押し込んだデートの予定の終わりに小山駅前で別れる時、些細な時に流れて来る妙に物悲しいピアノ曲。私はいつもあれが苦手だった。けれど、明日からはもう聞こえなくなってしまう。結城市という自治体は明日静かに此の世を去る。

黒石弘前さんは月下美人の花が咲く頃、古城跡地でやっと許すことができたという話をしてください。
#さみしいなにかをかく
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沢山の死に行く人間の顔を思い出させるから、種里城へ行くのは苦手だとあの人は言う。ならば何故いま行くのかと問えば「月下美人が咲いたからですよ」とあの人は言う。もう、私達は嫌でも南部を許さねばならないのだという諦めのようにもそれが響いた。
津軽が地図から消える前日の夜のことである。

宍粟姫路さんは地球の自転が止まった日、駐車場になった昔銭湯だったところでした、子供のころ宇宙にいってみたかったという話をしてください。
#さみしいなにかをかく
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俺はもう人間ではないのではないか?と姫路が聞いてきたけれど、質問がよく分からなくて俺は首を傾げた。地球の自転が止まって永遠の夏を迎えたこの国では毎日のように熱中症や何かで人が死んでいく。だけれど土地神憑きはまだ誰も死んでないと聞いた。
駐車場に汗が落ちる。この50度近い猛暑の中でなんの対策もしてない俺たちが死なないということは確かに人間からはかけ離れているように見える。
けれど俺たちはただ神様から勝手に色んなものを預けられた人間、ただそれだけのはずである。駐車場に落ちた姫路の汗が池になったのに倒れそうもなくて、ああ確かに人間から遠ざかってるなと感じる。
「本当に俺死ぬ気配ないな、この身体なら無防備に宇宙行っても死ななそうだ」
姫路が呟く。俺はそれを見て別に死ななくても良いでしょ、と返すだけにした。


トップチャレンジリーグ開幕前の釜石シーウェイブス


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着物のはなし

・此花と振袖
「その歳で振袖には無理がない?」
淡い黄色に紅葉柄の振袖と同系色の羽織ものを着た私に神戸が心配そうに私に問うがそんなことを言われても困る。
パーティードレスなどという品のいいものを持ち合わせていない以上、こういう場に着ていくものが振袖ぐらいしかないのは面倒だと思うが買うのも面倒でそのままになっている。
「未婚女性の礼装だから別に良いだろ」
「でもいい年した女性が振袖なのはどう見ても行き遅れにしか見えないわね」
「それを言ったらそっちも同じだろ」
「ドレス買いなさいよ、私が見立ててあげましょうか?」
「神戸の趣味だと華やか過ぎることになりそうだから遠慮しとくよ」

・釜石と単衣
「もうぼちぼち単衣も終わりだなあ」
肌寒い季節になり、秋から夏の間に愛用していた着物を無地のたとう紙にくるんで収納する季節になった。
夏に着る青みの強い着物から、秋冬用の紺に近い色の着物へと模様替えするのもまた一つの季節の変わりを象徴する出来事になる。
もう少ししたら冬の盛りに着る長羽織やコートも出すことになるだろう。雪の季節も近い。

・東京と浴衣
江戸小紋の白い浴衣に博多帯をキュッと締めて脱衣所を出ると、君津が珍しそうにこっちを見た。
「東京が浴衣着てるの初めて見た」
「うちで寝るときは浴衣なんだよ、君津の家には浴衣置いてないからそっち泊まる時はジャージなだけ」
「俺が着付けそんな得意じゃないから置いてないだけで、東京の分の着替えとして持ち込むなら別に置いとくぞ?」
「仮にも神様の身分で着付けが苦手ってのはどうかと思うけどね」
前に買ってやった着物もたまにしか着ていないようだし、今どきの若い奴はという気持ちもなくはない。
しかし君津は兄弟分というひいき目を抜きにしてもいい男なのだ、いつも隣に飛びぬけて顔のいい鹿島がいるから目立たないだけで。
「それに、お前カッコいいんだから着物着れば若い子にキャーキャー言われんじゃない?」
「別にキャーキャー言われたくて着る訳じゃないんだけどな。まあいいや、風呂入って来る」
「お前今晩浴衣な」
ちょうど箪笥に君津に似合いそうだと思って仕立てておいた浴衣が一枚あることを思い出して腰を上げれば、えーという風に顔をしかめるのだった。

・西宮の着物
私が今よりも少し幼い時分はまだ庶民の服と言えば着物が主流で、私も葺合も仕事でないときは着物で過ごしていた。
葺合は女の着物の事なんてさっぱり分からないので、此花や神戸に頼んでいつも私に似合う着物を選んでは着せてくれたことを思い出す。
「それがこの古い着物たちなんだけど、捨てるにも惜しいしもう私の体に合わないからどうしようかと思って」
水島と福山にそう愚痴を漏らすと、福山が「私が作り変えましょうか?」と声をあげる。
「作り変える?」
「鞄とか巾着とかにしたらこれ、すっごく可愛いですよ」
「そうかしら」
「ええ。水島の洋服に作り変えてもいいし西宮さんの小銭入れとか、きっと可愛いですよ」
福山がそんな風に語るので、それも悪くないかしらと思って着物を二人に預けることにした。
数か月後、私の幼い頃の着物は水島の和柄シャツや私の巾着袋になった。

・鹿島くんは和装をしない
海南から貰ったまま、まだ一度も封を開けていないものがある。
「この着物ほんとどうしようかなあ」
衣替えとなるといつも目につくたとう紙にはあと小さなため息が漏れる。
俺ぐらいの年代だともう着物なんてほとんど着ないから貰った着物を持て余し、どうしようかと悩んでしまう。
かといってそのまま捨てるわけにもいかず、虫よけの樟脳の匂いが濃くなるばかりだ。
「………いつか、着る機会あると良いんだけど」
そう呟きながら今日も俺は着物をしまい込むのだった。




製鉄所組と着物のお話

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それでも酒は止めがたい

時事ネタなので折りたたみます


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ロシアンティーのある午後

「しんどい」
ぽつりと此花がため息を漏らす。
台風21号からの復旧がようやくひと段落して通常営業した矢先、再びの台風接近の一報だ。そうなる気持ちも分かる。
「気持はわかるわよ、でもあんまり愚痴を漏らしてもしょうがないんじゃない?」
「だとしてもおかしいだろ今年!大雪豪雨地震台風地震台風って何のミルフィーユだよ!要らねえよこんな災害のミルフィーユ!」
「ほんとよねえ」
ミルクティを優雅にすする神戸さんに対し、此花は相も変わらず疲れの隠せない悲鳴を上げる。
「西宮さんお茶のお替りいりますか?」
「ありがとう、ミルクと砂糖はなしでお願いできますか」
「はい」
加古川さんから二杯目のストレートティーを受け取ると、此花が「あたしにもお代わりちょうだい」とティーカップを差し出した。
「ミルクティーで良いですか?」
「苺のジャムを入れたロシアンティーが良い」
「此花、ロシアンティーは紅茶にジャムを入れない「良いんだよそういう事は」
加古川さんは二人のやり取りに苦笑いをこぼしつつ早速いちごジャムの入った紅茶を入れてくれる。
「どうぞ、夏に採れるなつおとめのジャム入りロシアンティーです」
「なつおとめ?」
「栃木の方には夏にしか採れない苺があるので、真岡が大量に買ってジャムにしてくれるんです」
「へえ、」
真岡さんと言うのは神戸さんのところのひと(製造所)だっけ、と思い出す。
此花がロシアンティーを一口飲むと「美味しいね」とほほ笑んだ。
「美味しいもの食べて英気を養ったら、次に向けて頑張りましょう?」
「ま、それしかないよねえ」
此花が苦笑いをしつつロシアンティーを飲むので、私も飲みたくなって加古川さんを呼ぶのだった。



西宮と神戸と此花と加古川。
下半期も大変そうで溜息しか出ない関西女子の話。

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しなだれかかって月見酒

仕事で九州に行ったついでに小倉の元へ足を延ばすと、月見酒がしたいという小倉の一言で旦過市場で揃えた肴とつまみが縁側を彩った。
「にしてもよく覚えてたよねえ、今日が十五夜だなんて」
「思い出しただけっちゃ」
「そうかい」
湯呑に注いだ酒に秋の満月がちゃぷちゃぷと揺れる。
秋の夜風がふわふわとほろ酔いの身体に心地よく、遠くから聞こえる街の音も愛おしい。
「小倉、」
「なんじゃ」
「お前が住友に来てずいぶん経ったけどお前とサシで飲んだことってあんまり無いよな」
小倉はどちらかと言えば気難しい部類の性格をしているから、人当たりの厳しいところがあって八幡なんかは顔合わせただけで口喧嘩が勃発する。まあ気難しいのは直江津も同じなんだが。
「そうっちゃな」
「もう数十年ぶりとかじゃないか?」
少し考えるように宙を向くと「20年ぶりとかじゃろ」とこぼした。
「もうそんな前か」
「おう」
小倉も随分と長い付き合いになったと思う。
顔だけなら浅野の高炉だった頃から知っているのだから、余計に長い付き合いのように思えた。

「楽しかったか、住友に来てから」

小倉が住友に来てから本当に色々あったものだ、と思う。
和歌山に高炉を建造し、高炉の操業技術が上がってが西側諸国最長の操業年数と呼ばれたり、鹿島が生まれてうちも賑やかになり、その住友金属も10年前になくなってしまい、もうすぐその名残も消えてしまう。
「……仕事の付き合いに楽しいもくそもあるか」
「それもそうだな、」
「でも和歌山と一緒に暮らして、お前と一緒に仕事したんは、ええ経験じゃった」
湯呑に映る月がざわりと揺らいだ。
(ああくそ、ほんと)


「お前いい男だな」

もっと素直に褒めて来られたら、惚れるとこだった。


小倉と此花。この二人は戦友だと思ってます。

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