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コーギーとお昼寝

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【パラレル】今まで通りでいられない

小倉と和歌山が師弟の一線を超えそうで超えない感じのお話。
いちおうパラレルです。



ただの師弟でいられたならどれほど良かった事だろう、と酷く悔やむことがある。
自分が教え育てた子どものままで見ていられたのならばきっとこんなにも苦しまずに済んだはずのだ。
「和歌山、せめて毛布ぐらい被れ」
「んにゃ……」
寝ぼけて言葉にもなっていない返事を返すばかりの青年は、きっと家で留守番させている愛する男の夢を見ているのだろうと思う。
仕方がないと毛布をかぶせてやれば、つくづくきれいな子供だと思い知らされる。
『和歌山を育ててくれないか』
そう言って此花に預けられたあの日から面倒ながらも美しく大きく育てたつもりでいる。
パイプの住金と呼ばれるほどの柱となったこの子どもへの愛情が、ただの愛情であり続けたのならば良かったのにとつくづく思い知らされる。
その薄い瞼に口づけを落とせばきっと今まで通りの師弟じゃ居られなくなってしまう。
「おやすみ、和歌山」
だから、ただ挨拶を一つ告げて彼を眠りの国へと送り出すのだ。

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