釜石は泊まりに来た客人に服を貸すとき、だいたいシーウェイブスのユニを貸してくる。
隙間なくびっちりと広告で埋められたそれは釜石にとって特別な意味を持つものでもあった。
「……過去のユニフォームよくこれだけ残してますよね」
「捨てられる訳が無かろう?」
最愛のシーウェイブス、彼の夢であり誇りである青年の足跡を釜石は一つとして手放そうとしない。それが釜石の愛情であるからだ。
「もう一度あいつを応援しに日本選手権を見にいくのが夢だからな」
釜石の愛情は、愚直でどこまでも真っすぐだ。
八幡から見た釜石おじじの愛情の話