*今年の春先ぐらいのお話だと思って読んでください
周南からアフタヌーンティに誘われたので一緒に行くことになった。
元は他社ではあるもののの今は同じ会社でしかも近所という事で、たまーにお茶に行くことがあった。
何よりこうしてお茶に誘われるようになってから、意外に趣味も近いことが分かってきたから一緒にお茶しに行くのも苦じゃない。
「でもよくこんなとこ見つけて来たわね」
「こういうとこ好きだからねえ」
今回は瀬戸内海の見えるホテルのレストランが期間限定で行っているイチゴのアフタヌーンティー。
値段は張るけどたまにの贅沢だからいいのだ。
「でも前から思ってたんだけど、呉さんとはこういうところ来ないの?」
「呉は同じ価格帯ならちょっといいご飯食べたいってタイプだから、嫌いではないんだけど値段とか場所で敷居を高く感じちゃうみたいで。
桜島は大阪近辺なら一緒に行ってくれるよ大阪まで行くのがね~」
「あー」
広畑辺りも同じこと言いそうだなあと思いながら最初の一杯を注いでもらう。
話をしていると春摘みのダージリンの香りがふわりと香ってくるのがたまらない。
「かといってこういうところって一人で行くのも味気ないでしょ」
「それは確かに」
「だから最初光が興味あるって聞かなかったらずっと行けずにいたかも」
(コロナが流行る少し前、全社会議中の暇つぶしで紅茶の話になってその流れでアフタヌーンティーの話が出たんだっけ)
記憶を掘り返しながらまずは紅茶でのどを潤す。うん、美味しい。
ついでスコーンにも手を伸ばすと「ジャムとクロテッドクリーム、どっち下にする?」と聞いてきた。
「私はクリームが下かなあ」
「一緒だ。桜島は逆だったんだけど美味しいのって聞いたら『クリームが濃くておいしいって』いうから試したんだけど、クリーム上の方が濃くなるんだよね」
「でもクロテッドクリームって結構こってりしてるから私は下でいいかなあ」
そう言いながらスコーンにクリームとジャムを乗せると「好みだねえ」とつぶやく。
「まあ特にオチはないんだけど」
「こういう話って八幡や広畑は聞いてくれないのよねえ」
「八幡さんとかただダラダラ話を聞かされるの苦手そうだもんね」
「昔から八幡ってそういうとこあるのよね。なんというか、とりとめのない雑談したくても『で?』って聞いて全部終わりにさせちゃう感じ」
「わかる~!呉や次屋は割と辛抱強く聞いてくれるんだけどね」
「2人の事よく知らないけどいい人なのは伝わるわね」
「うん、すっごくいい人だよ」
お茶で喉を湿らせながらふいに思う。
こんなとりとめのない雑談をただただ延々とできるって、きっと幸せなことだ。
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光と周南。この2人が仲いい話を書きたくなったので。