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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

明日晴れたら

「釜石おじいちゃんなにしてるの?」
片方の耳にイヤホンを挿したままパソコンを弄っていたおじいちゃん、もとい釜石さんに聞いてみると「ラグビーの結果を見てた」とかえって来る。
「へー」
「シーウェイブスの試合結果の確認と日本選手権決勝の実況をな。今はネットで実況が聞けるからテレビが見れなくても確認できて便利だよなあ」
画面は入れ替え戦の結果が表示されていたけれど、切り替えてみればネット中継の操作画面も出てきて器用なものだと感心してしまう。
「あー、確かに」
「聞くか?」
「俺ラグビーは専門外だからいいや」
「明日神戸とラグビー見にいく予定でなあ、お前さんが興味があるなら連れて行こうかと思ったんだがなあ」
「じゃあ俺と一緒にアントラーズ戦見にいってくれる?場所は東京じゃ遠いだろうから仙台で良いよ」
「サッカーはルールがさっぱりでなあ」
「まあそうだよねえ」
予想通りの回答に軽い溜息なんか漏らしつつ、暇つぶしがてら中継映像を一緒に眺めたりなんかする。
和装に大人の落ち着いた雰囲気を醸し出すこの人のことは大して詳しい訳じゃない。
君津に言わせてみれば『うち(新日鉄)のなかでもあの人は特別』なんだそうだけど、なんとなくわかる気がする。
最年長の風格って奴なんだろうなあ、これ。
此花の厳しくも面倒見のいい感じとか、八幡さんのあの怖そうな雰囲気とか、そう言うのとは全然違う一人だけ超然としてるような空気はこの人特有のものだと思った。
「おっ、」
画面の中で一人の選手がボールを掴んで独走していく。
そして彼はゴールラインを割り、高らかなトライコールと笛が響いた。
「これでいよいよ分からんくなって来たなあ」
嬉しそうに笑う釜石おじいちゃんに「そうだねえ」と俺はかえすばかりであった。





おじいちゃんのいない鹿島は釜石をおじいちゃんに見立ててたら面白いなあというアレ。

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日曜日の彼らの断片

今回はSS名刺メーカーを使用して作成しております。












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ある大阪の夜

『試合中のことは恨みっこなしで試合以外の局面では仲間として付き合う』というのは全員の中の暗黙の了解のようなもので、こうして試合後に一緒に食事をすることもよくあった、
今日は大阪ということでライナーズさんお勧めのお好み焼き屋に足を延ばしての飲み会である。
「はー……あともう少しだったな……」
「1トライ1ゴールしか取れなかったよりはマシですよ……」
憂鬱さを隠さないヴェルブリッツさんとジュビロに対し、ワイルドナイツの方はお好み焼きを黙々と焼いていた。というかもう鉄板全部埋まってるんだけど全部食うつもりなんだろうか。
「そんな憂鬱な顔してないでお好み焼き食おう?な?」
「それもそうか!サンゴリアス、その豚玉取って!」
「おー、ソース辛口と特製ってあるけどどっちがいい?」
「辛口で!あとマヨネーズも多めに」
若干やけくそ気味に思えたがとりあえずお好み焼きは出してやった。
ついでにヴェルブリッツさんにも海鮮豚玉を出しておくと、もそもそと豚玉に箸を伸ばし始めたので俺の方もネギ焼きに箸を伸ばす。
ちらりとワイルドナイツの方を見ると、黙々とお好み焼き三枚目に箸を伸ばしていた。
「食いすぎると動けなくなるぞ?」
「燃費あんまり良くないから食べたほうが良いんだよ、それにお前の二連覇を阻止しなくちゃいけないしね」
「……するよ、絶対に」





日本選手権出場組のはなし。
13日の決勝はテレビで見る予定、楽しみです。

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それでも君は、

何となく折りたたむ


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冬の花火

遠くから冬の花火の音がする。
今日が最後の日となるスペースワールドの方角からだ、と気づいたとき私は呑んでいた日本酒のグラスを机において上着を羽織って外に出た。
大晦日の夜空に鮮やかな花が色鮮やかに咲き乱れ、最後の夜を彩っている。
「……さん、八幡さん」
ふとどこからか耳慣れない声がした。
顔は良く見えないが、声とぼんやり見える輪郭から幼い少年であることは分かった。
私と同じ英国風のスリーピーススーツの胸元には宇宙を模したピンバッジ。
「スペースワールド、」
彼と会うのは閉園が決まった時以来だろうか。
文字通り私の一部から生まれた少年の声には暗さが無く、フラットなように思えた。
「……この1年、ご無沙汰を致しましてすいません」
「あなたは仕事をしていたのですから気にする事ではありません」
「僕は今日でこの身体を喪いますが、どうか、僕のことがあなたと僕に関わって全てのひとの記憶の片隅に永遠に残りますように」
その言葉は数年前にもかけられた記憶のある言葉だった。
『俺を忘れんでください』
何かを失う事は仕方のない事で、それに抗う力はない。
しかし忘れないようにいることだけは出来る。
「……ええ」
失われるということには抗えないけれど、忘れずにいるぐらいならいくらでもできる。
花火の光の下から417光年という遠き旅に出る子どもを私は静かに見送った。





八幡とスぺワの話。

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