忍者ブログ

コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

おやすみなさい、大分さん

「大分さんはまだ寝たい」の直接的な続きです


拍手

PR

夏の空に花が咲く

真っ白の麻の着物に雪駄と信玄袋をぶら下げて人の波を眺める。
待ち合わせは福井駅前の改札口。
隣でぼんやりと掲示物を眺める勝山が人ごみに流されないように手首を掴み、福井の姿を目で探す。
「福井、」
ひらひらっと手を振れば福井がこちらに寄ってくる。
福井は淡い青に花びらの浴衣と桐下駄に身を包んでおり、トンボ玉のかんざしで留めた髪型も含めていかにも夏祭りの風情だ。
「今日は勝山も浴衣なのね、珍しい」
「お祭りなら浴衣かなって」
勝山は灰色の無地の浴衣に和柄のスニーカーというなんだか不思議な組み合わせだ。
こういう変な組み合わせを平気で着てくるあたりに勝山の気質が出ている気がする。
「じゃ、行きましょうか」
福井の後を追いかけるように歩き始める。
駅前はもう夏まつりの空気と匂いに包まれており、太鼓の音に屋台の匂いが香ってくる。
今日は夏祭り、土地も住人も心躍る夢の一夜だ。





今日は福井フェニックス花火なので福井鯖江勝山トリオのお話。

拍手

夏休み、一人旅。

夏の山道は気温が低い。
自転車を漕ぐ足も今日は滑らかに動いてくれる。
大子から敦賀まで、水戸天狗党の痕跡をなぞる一人旅も終盤戦が近い。
この峠を超えると、福井県に入る。

夏休み、一人旅。

3か月前、水戸市内某所。
「という訳で、この夏は一人旅に出ます!」
そう告げると日立が飲んでいた茶を吹いた。
ひたちなかや笠間まで驚いたような顔をしてくるし、随分な反応である。
「……どういう風の吹きまわしだよ」
「いや、せっかく新しい自転車買ったしこの夏は新しいことにチャレンジしようと思って!」
「水戸くん無理しなくていいんだよ……?」
「してないしてない、まだ時間はたっぷりあるし水戸から内原のイオンまで自転車で往復できるぐらいの体力つければ大丈夫かなって。帰りはさすがに電車とバスで帰るけどさ」
みんなリアクションは微妙だ。
全員の心が懐疑と心配に満ちているのが分かる。
「2019年のいばらき国体に向けて体を鍛えるべきだと思って!」
「それ2007年のねんりんピックの時にも同じこと言ってたけどそんなに体型変わってないよな?」
「あの時はこれをやる!って決めずにただ漫然と目標だけ掲げたのが失敗の要因、今回は自転車乗りとして鍛え直して御三家として称えられていたあの頃のようにしなやかな筋肉をつけるんだよ!」
「……自転車にモーターつけるなら俺がやるから」
「日立、別にそう言うのいいから」
……とまあ、散々なことを言われたものの今回は意外に上手く行った。
週末に内原のイオンや大洗の海まで自転車を漕いでみたり、県内視察と銘打って近隣のサイクリングロードを走破してみたりして体力も結構ついたと思うのだ。
で、こうしてお盆の前後に休みを取って自転車を漕いでみたわけである。
元治元年(1864年)11月1日、武田耕雲斎を筆頭とした水戸天狗党は京を目指して散逸していた仲間たちが集合していた大子から出発していく。
下野・上野を抜けて中山道を通って京都を目指す旅だ。
途中の下仁田や和田峠で交戦したり、伊那谷と木曽谷を超えをし、彼らは琵琶湖畔を通らず越前経由の上洛を決定する。
今回は本巣市の中心部から国道157号線をなぞるような形で北上することにしたけれど、実際は峠越えの山道を抜けるルートだ。
ずっと自転車を漕いできたおかげで足もだいぶ疲れてきたけれど、まだもう少し走れる。
福井県大野市の看板を横目に通り過ぎていく。
(ああ、なんだか遠くまで来たんだなあ)
目的地までは、もう少しだ。






大野で水戸天狗党の足跡をなぞるイベントが行われたと聞いて思い付いた話。

拍手

おっぱいのはなし

Twitterで呟いていたやつのまとめ

拍手

網走の夜と海

長い間そこに在り続ければ変わる事や消えていくこともあるという事実を、誰が否定できよう。
「こんな海辺で晩酌かいな、サントリーサンゴリアス」
「……ええ」
神戸の名を背負うその人からは珍しく煙草の匂いがした。
煙草が健康に良いという常識はいつの間にか消えさり、今やスポーツマンは喫煙をしなくなった。
しかし戦前生まれの彼だけは時折こうして煙草を嗜んでいるようであった。
「響か、俺にも少し分けてくれひんか?」
「どうぞ」
自社の誇るジャパニーズウィスキーの最高峰とも称されるそれを小さなグラスにストレートで出してやれば、彼は一口それを口に含む。
「美味い」
「そりゃあ、ジャパニーズウィスキーの最高峰ですから」
自らの親と呼ぶべき存在の生み出した至高の酒だ、不味いはずがない。
「で、ご用件は?」
「ただの夕涼み、どっかの赤い鷲みたいに極端に嫌う奴もおるからいまや気軽に煙草も呑めんしなあ」
呑気にそう呟きながらふうっと煙を吐きだした。
「ああ……でもあいつは悪い奴じゃないんですよ?先輩のことをよく敬うし頭も悪くない」
「でも隙あらば胸筋や腹筋揉みたがるのはアカンやろ」
同じ府中の後輩へのフォローが台無しである。
あの後輩の悪癖だけは同じ府中の青い狼と共通の悩みであった。
「……今シーズン、誰に昇格してきて欲しい?」
「下なんか見てるとそのうち自分が落ちますよ」
こんな脈絡のない会話も、たぶん8月が来るまでのことなのだろう。




サンゴリさんとスティーラーズさん。特に内容はない。

拍手

バーコード

カウンター

忍者アナライズ