千葉君から『京浜さん今日暇なら渋谷行ってみませんか』というメールが来た。
『どうして?』
『ハロウィンで盛り上がる町を見てみたいなって』
『そうね、行ってみましょうか。ハチ公像で待ち合わせで良い?』
『了解です』
携帯をポケットに戻してゆっくりと身体をあげ、外出用のコートを引っぱり出した。
ハロウィンを遊ぶ
小雨の渋谷に集う仮装した人々の群れの中で、いつもと変わらない私服で立っている千葉君は少し目立っていた。
ひらひらっと手を振ると「こんばんわ、」と声がかかる。
今夜だけはワインレッドの瞳が血糊のようにも見えてくる。
「こういうバカ騒ぎ嫌いじゃなくて良かった」
気にしないでという風に顔を振る。
幸い池上や渡田の方もこういうバカ騒ぎは嫌いじゃない方なのだ。もちろん私も。
そういった旨をぽちぽちと携帯に打ち込んで見せると千葉君が「ならよかった」と呟いた。
お祭り騒ぎに紛れて歩いていれば、小さな子供がひらっと手を振るので私も振り返す。
≪7つまでは神のうち≫というけれど今の子も見えてたのかしら、なんて考えてしまう。
「子どものときなら、鹿島や君津呼んでたんだろうけどなあ」
『遠慮なんて要らないんじゃない?』
「そうかもしんないんですけどねえ」
他社である二人の事はあまり知らないけれど、私よりも2人の方がよっぽど年が近いのだし気にしなくてもいい気がするけれど千葉君なりに思うことがあるのかも知れなかった。
『次会った時にトリックオアトリートすればいいんじゃない?』
私がそう告げれみれば「じゃあ京浜さん、
trickOrtreat?
(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ?)
東日本製鉄所コンビがハロウィンの渋谷を歩くだけ