時事ネタです
ここ数日、焼き付くような痛みで目が覚める。
のろのろと台所に向かえば光が目玉焼きトーストを焼いていて、「おはよう」と声がかかる。
時計を見ればまだ5時前だ。いつもならまだゆっくり寝られる。
「まだ腕痛い?」
「痛くなかったらまだ寝てる」
「だよね。何か食べる?」
「目玉焼きトーストとミルクティー」
「了解」
そう言って隣で俺の分のお茶を入れ始め、俺は水で痛む腕を冷やしている。
正月明け、大分製鉄所内の厚板工場で火事が起きた。
幸い死傷者は出なかったが大規模な火災のせいで生産が遅れが出るのではないかという話になり、君津や名古屋はここ1週間はほとんど眠れずにいるという。
パジャマの下の腕は大きな火傷の跡となっていて、恐らく工場の復活までこの状態なのだろう。
腕にこもった熱を水で冷やしていけば痛みもだんだん引いていく。
(この身体は、不便だなあ)
製鉄所内で起きる出来事全てがこの身体に反映されていく。
「ああそうだ、私今日の午後自分のところに戻らないとならないんだけど大丈夫?」
「佐賀関に頼むからへーき」
光の不安げな眼差しをかき消そうと、少しだけ無理をして笑った。
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大分製鉄所の一日も早い復旧をお祈り申し上げます