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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

贈り物の話

釜石はけっこう地味好みである。
きょうの着物は青灰の着物に黒の角帯に雪駄で、俺からするといささか落ち着きすぎているぐらいの組み合わせだ。
「……前から思ってたんだけどさぁ、」
「うん?」
「もう少し華やかなの着てもいいんじゃない?」
ジンギスカンを食いながら釜石に尋ねると、年相応のもん着てるだけだと返される。
八幡なんかは同じ気持ちらしくちょくちょく着物や反物をプレゼントしては好みじゃないのを貰ってもなあと釜石を困らせている。
まあ八幡は釜石に似合う自分好みの着物を選んでるようなのだが、それが釜石からすると好みじゃない・若作りと言う風に映るらしく結局人に譲ったりしているようだった。
「ちったぁあいつもわしの好みを考慮してくれればなあ……これを贈ってくれた時は良かったんじゃが」
「今着てる奴?」
「おう、うちが津波でダメんなったときに夏物を贈ってくれてな。光が一緒に選んだとかでわしの好みも考慮されてた」
「あー……光はセンスいいよね。大分は無頓着なのに」
大分の妹分である光はセンスが良くていつもプレゼントやお中元にびっくりするほど好みに合った素敵なグラスやお酒なんか贈ってくれる。
よく見ると釜石の着物は無地だと思ったら白く細い線が入っていることに気付き、なるほどこれが好みなのかと納得する。粋というかなんというか。
「自分の趣味にさえ走らなきゃセンスがいいんじゃがな」
釜石のぼやきに軽い苦笑いが漏れた。





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あわらさんと下妻さん

遅めのお中元として届いたのは走りの梨が段ボール1つ分届いてきた。
「あらあら……」
下妻さんとこうして仲良くし始めたのはちょうど去年の春のことで、まだこうして交流を持ち始めて1年ほどしか経っていない。
同封された手紙には仕事でバタバタしていてお中元が遅くなってしまった事を詫びる旨と、ちょうど下妻の名産である梨が走りなので少し早いけれど食べて欲しいという旨が記されている。
「美味そうな梨だな」
「あなた、来てたんですか」
ひょいと顔を覗きこませてきたのはいつもならここにいないはずの三国だ。
「ずっと坂井のところにいると息が詰まるからな、ちょいと抜け出してきた」
「あの人も大概欲の深いお人ですからね……せっかくですし、一つ剥きましょうか?」
「その前に昼飯が食いたい、その間に梨を冷やしておけば美味かろう?」
「分かりました、お雑炊でも拵えますね」
冷蔵庫に梨を二つ入れて、冷ごはんと野菜と卵を取り出してからふと思い出して三国の方を向く。
「あなた、後で一緒に下妻さんへのお礼状考えてくださいね?」
「それくらい俺もやるさ」
「あと机の片付けお願いします」





下妻とあわらが姉妹都市(しかも下妻にとっては唯一の姉妹都市)だという事実を知った記念。
三国あわらはひと昔前の亭主関白とその妻(ただし精神的には意外に対等)なのでその辺のイメージぶち込みつつ。
あわらの坂井評についてはおいおい。

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高校野球と梨のサングリア

イチマルさん(@10_plus10 )宅の茨木市さんをお借りしています。
茨木市さんと茨城町ちゃんが付き合ってる話。



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夏のデートは

ぷらいべったー再録。
うちよそカプ詰め合わせ、カプと一緒にお借りしたキャラの親御さんの名前も明記してあります。



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太陽が昇る海1

あの頃の俺にとって、八幡は太陽だった。
東京湾の片隅に一人だった俺を慈しみ育ててくれた八幡と、兄妹のように育った東京、そして従業員。
それがあの頃の俺の世界の全てだった。

太陽が昇る海

1965年(昭和40年)4月の君津は話題性に満ちた春だった。
長く続いた漁協との交渉や米軍の飛行ルートに端を発した騒動が収束し、八幡製鉄君津製鉄所が稼働したのだ。
目が覚めてすぐに俺が初めて見たのは、目の前に広がる春の東京湾とその光だった。
「いた、」
ぽつりと呟いたのは俺よりも少し大きな姿をした礼服に身を包んだ少女だった。
適当に伸ばした髪をざっくりとゴムで止めた彼女はじっと俺を見た。
「八幡ぁー、君津いたよー」
「ああ……ここにいたんですね、君津」
仕立てのいいスーツを着た彼に名前らしきものを呼ばれた時、唐突に全てを理解した。
自分の名前が君津であること、そして自分がこの製鉄所の付喪神であること、彼らは自分の兄弟分のようなものであることを、ここで自分は生きて死んでいくことを。
そして俺はじっと二人を見た。
「君津。あたしは八幡鋼管東京工場、あんたとは兄弟分になる。呼びにくかったら戸田でいいから。」
「戸田はもう少し愛想よくしたらどうです?」
「兄弟分なんだし別にいいでしょ」
「ああ、話がずれましたね。私が八幡製鉄八幡製鉄所です、どうぞよろしく」
八幡からそばされた手を受け入れて握手をし、そのまま事務所へと連れていかれた。
そうして俺は人々からこの製鉄所を守る付喪神として歓迎され、ここで暮らすことになったのだ。





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幼少期の君津のお話です。たぶん7話くらいで終わるはず。
16.11.29東京の名前について修正。

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