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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

Spring has come

ここ最近、水戸線沿線が妙ににぎやかだ。
いつもよりも人が多い気がして首をかしげていたら、水戸線が「廃止前ってのはどうしてこんなに人が多いのか……」とぼやいた。
「あなた廃止にならないでしょう?」
「私じゃなくて車両です、415系……私が長いこと使ってた白い顔にステンレスの奴が引退するんですよ」
その言葉になるほどと思わず納得する。
「終わりと始まりは誰にとっても特別なんですよ」
「それなら乗ってくれればいいものを……」
ぼやく水戸線の気持ちは分からないでもなかった。
それでも彼が愛されているということは沿線自治体である自分にとってはとても喜ばしいものだ。
「お茶でも淹れましょうか」
窓から差し込む日差しは春の陽気だ。
春の足音が新しい電車とともにやってくる。





水戸線415系引退、地元民からすると寂しいものですね。

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こんなにも震える喉で

ニューデイズに貼られた「さよならカシオペア」の文字にふいに足が止まる。
「北斗星さん?」
「ああ、ごめんね」
可愛らしい後輩の心配げな声に申し訳ない気分になる。
ふいにカシオペアの視線が先ほど見ていたポスターに向けられる。
「これ見てたんですか」
「うん、」
自らが廃止された時にも同じように張られたポスターだ。
この会社のために生み出された存在である自らの最後の会社への貢献が、この廃止記念のグッツなのだ。分かっていてはいても、墓標のようだと思う。




「……きみが、いきのびてくれればよかったのに」
あり得ない願いを口走る一言がまるで呪いのようだと思った。


久しぶりにカシオペアさんと北斗星さんの話。
カシオペア廃止記念グッズのポスターを眺めつつ。せめて北海道新幹線にカシオペアか北斗星が愛称として残ればなあ……

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喫煙室での対談

「銘柄変えたんやな」
人から煙草と火を貰っておきながら随分な言い草だ、と思いながらブルーベリーとメンソールの味わいを呑みこんだ。
「別にいいだろ」
「まあな、煙草なんて好きなもん買えばええんやけど」
「口に合わないか」
「そんな事言うてないわ、ただえらい個性的な味の選んだなって」
堺の言い分はまあ分からないでもなかった。
たぶん八幡や釜石は嫌いなタイプの味だろうと思うし、堺は元から煙草呑みな訳じゃないからこうして時折俺からもらって呑む程度だ。
「そんなに嫌なら俺じゃなくて別の奴から貰えよ、いっつも俺から強奪しやがって」
「強奪は言い過ぎやない?」
「いっつも人から貰っておきながら毎回味の批評してくるのほんと意味分かんねーんだよ」
「……こっちから声かけんと話してくれへん君が悪い」
「そんなに話したいのか?」
「おん」
煙草を灰皿に押し付けてもみ消す。
「どうせ、お前が話したいのは俺じゃなくて四日市なんだろ」
そう吐き捨てて喫煙室を出て行った。
うっすら漂うブルーベリーの匂いを落としたい、と思いながら。



製鉄所組はみんな程度の差はあれど煙草を嗜むよ、という設定をぶち込んだ話。
恋愛要素なしなので日常ものです。
今回の話で君津と堺が吸ってるのはメビウスオプションっていう銘柄です。(どうでもいい補足)

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盛岡支社歓談

*ぷらいべった再録

「相変わらずこっちは賑やかだな」
ぽつりと大船渡線が独り言を漏らした。
いつもの田舎のヤンキー然とした服装から明らかに着慣れないJRの制服に着替えたおかげでビビる人は少ない。
「当たり前でしょ、県庁所在地なんだから」
「まあな、兄弟は嫌じゃないのか?」
「仙台に比べたら盛岡はそこまでじゃないよ、まあそんなこと言ったら怒られるだろうけどさ」
エリート然とした顔立ちを崩して苦笑いをこぼした気仙沼線の足取りの速さに、大船渡線は何故そんな早歩きなのだろうと考える。
「随分と早歩きだが会いたい奴でもいるのか?」
「あ、歩くの速かった?」
「兄弟の足取りが随分と軽い気がしてな」
大船渡線の言葉に対して正直なことを言うのはやめておいた。
着慣れない制服を着た大船渡線にドキドキしてるなどと誰が言えようか?

****

「「いつになったらやまだはおよめにくるの?」」
双子の言葉に山田線はグッと言葉が詰まる。
西洋人形のような整った顔立ちの双子の少年は本来の自分のエリアである三陸沿岸から盛岡くんだりまで来ていたのは、恐らくそれを上司に聞くためなのだろう。
「やまだはやくおよめにきてよー」
「そうだよ、ねえ?」
「うん!ぼくたちやまだのことたいせつにするよ?」
「ちょくつううんてんだってするよ?」
双子の子犬のような目に思わずのけぞる。
飴でも渡して切り抜けるか?と思ったが飴はない。どうする、俺。どうするよ。
「はいはいそこまでー」
割り込んできたのは見慣れたJRではなく東日本交通の制服を着た男の姿。
来客者の名札を首から下げているのがその証拠だ。
「岩泉線!」
後ろから山田線を抱きかかえるように腕を絡めれば「わしの唯一の友人とらないでくれんか?」と笑う。
「「えー」」
「いわいずみせんはたぎょーしゅでしょー?」
「ぼくと南リアスはせいしきによばれたのになんでいるのー?」
「特別参加!というか勝手に来た!」
「それいいの?」
「いいの!元JRだからいいの!」
中々しょうもない口喧嘩に挟まれながら、心の底から思う。


(誰か助けて!)

****

「ぶえっくし!」
「釜石線、汚いぞ」
「あー悪い悪い」
不機嫌そうに会議室の机を磨く田沢湖線と違い、ひたすらお茶を準備する釜石線は何故か妙に楽しげだ。
「しっかし、田沢湖線も背ぇ伸びたよなー。すごい腰きつそう」
「きつそうだと思うならお前がやれ!なんで天下の秋田新幹線が会議の準備を……」
ぶつくさ言いつつもまじめに仕事をこなす田沢湖線はいいやつであることを釜石線はよく知っている。
「お茶全部淹れおわったし、俺山田線呼んでくるから待ってて」
「おう」
早速椅子に押しかけて自分の席のお茶を取る。
「……あ、茶柱」



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岩手近辺鉄道擬人化「盛岡支社歓談」

*ぷらいべったから再録

*考えてた設定
制服は各社現行制服をベースにラインカラーが襟ぐりや袖やネクタイ等にあしらわれている、どこにラインカラーをいれるかは個人の裁量に任されている。
人名は無く路線名+さんで呼ばれる。
怪我は災害による休止などの象徴、完全復旧で消えるがまれに痣のように残ることもある。
いつも書いてる擬人化(土地擬人化・青春鉄道)とは別の世界線


・大船渡線
地元政治家の無茶ぶりによって作られた線形のせいで「ドラゴンレール」とかいう最高に中二病な名称を与えられたローカル線。
左目は瞳の色がわずかに濁っておりちょっと見えづらい、震災~BRT開通前は眼帯だった(開通後視力が復活)
ジャージ+タバコ+サンダルという服装のせいでいかにも田舎のヤンキーっぽいが本人は単に楽な服装をしてるだけ。髪はいちいち染め直すのめんどくさいので黒髪。
気仙沼線のいなかった頃は自分の頑張りが大きかったのでもっとかっちりした服装してた(本人談)今でも会議などで必要な時は制服を着る。
好きなものは煙草とピカ○ュウ。
気仙沼線のことはかわいい弟分だと思っている。「兄弟」呼び。
南リアスとは盛線時代から同じ駅を使っている顔見知りだが、やっぱり北リアスとの見分けがつかない。

・気仙沼線
微妙についてない感じの大船渡線の弟分。
JR移管後は大船渡線の仕事だった仙台から三陸地方南部の都市輸送の仕事を引き受けており、その記念にと大船渡からもらったネクタイをつけている。
わりとブラコン(自覚アリ)だがいろいろ思うところがあって基本的に隠してる。
走っているのは宮城県内だが、支社境界の関係で盛岡支社と仙台支社両方に顔を出しているので何気に顔が広い。
左目が濁っており少々見えづらい、震災~BRT開通前は左目に眼帯していた(開通後視力が復活)
基本スーツ+革靴で見た目も爽やかお兄さんなので不審者に思われることは少ない。
大船渡線の事は兄貴分だと思っているけどBL的な何かがあるかもしれない。
石巻線とは友人。

・釜石線
ガテン系だけどエスペラント語と文学を愛する明るいお兄ちゃん。
「銀河ドリームライン」というロマンチックな名称とエスペラント語駅名を与えられているが、もともとは釜石の製鉄所への連絡手段として開業した割とガチ目のガテン系。
昔は国鉄唯一のロープウェイを運航していたこともある。
山田線はいい友人。
さんてつは見分けがつかないけど良いやつ。

・山田線
悩み多きJRの器用貧乏。
盛岡から山を抜けて宮古を通り過ぎて海を走り釜石へ走るため海も山も走れる万能男子。
海側の路線を三陸鉄道に挟まれ割と本気でさんてつに嫁入りしそうなのが目下の悩み……だったが、2019年に宮古~釜石がほんとにさんてつに移管された。
特に特徴のない面立ちをした普通の青年だが、何かと怪我が多いためスーツの隙間から包帯がたまにちらっと見える。
釜石線はいい友人だが色々複雑な気持ちもある。
さんてつ双子は可愛い弟分だけどたまに怖い。
岩泉線の事はマブダチ。

・岩泉線
生死の境を彷徨いながらも今日もどっこい生きてる元鉄道路線。
一度瀕死の重傷を負い植物状態になって目覚めたらバス路線になっていた。現在は東日本交通にいるが機会があるとJRの面々に絡みに行く。
山田線が唯一のマブダチだが、さんてつにとられそうでちょっと不安。

・田沢湖線(秋田新幹線)
俺が!秋田新幹線だ!
新幹線とほぼ同一化していることに定評のあるにーちゃん。新幹線を通すため改軌工事をしたら背が伸びた。

・三陸鉄道北リアス線/南リアス線
山田線以外はまともに見分けがつかない西洋人形のような面立ちをした双子の美少年。
いつか山田線(特に宮古~釜石間)をお嫁さんにする野望を持ち、山田線に対しては大変愛が深くマブダチを取られたくない岩泉線とよくやりあっている。
南リアス線は元国鉄盛線、北リアス線は元国鉄宮古線だった過去を持つ。
2019年に山田線の一部が移管されてリアス線になってからも宮古を境に2人で仕事してる様子。

・東北本線
泣く子も黙る北の幹線様。
第3セクターにいろいろ持ってかれたけど今日も元気です。
ちなみに宇都宮線は別人。

・IGRいわて銀河鉄道
目時駅に住む双子の妖精の兄の方
仕事が大好きで器用貧乏。特技はごはんを作ること。
青い森とは双子の兄弟だが見た目はそんなに似ていない。
なにかと苦労は絶えないけど兄弟仲は良好。

・青い森鉄道
目時駅に住む双子の妖精の弟の方
可愛いもの(というかモーリー)と食べる事が好き。
食欲旺盛で良く色んな人にご飯をたかっている、主な被害者は兄。時々八戸線や大湊線辺りも被害を受ける。
外見はわりと幼い。兄の事を「にーちゃ」と呼ぶ。マジ天使。

・奥羽本線
日本海北部を取り仕切る生真面目本線。
ミニとはいえ新幹線意識が強く暴走しがちな田沢湖線を諫められるほぼ唯一の存在。
ただし本線のため山形や秋田にいることも多い。

・津軽線
北海道と青森の間を揺らぐ何か。
本数が少なすぎて一日の大半を青森市街地で過ごしている。
北海道新幹線になった津軽海峡線という親友がいる。

・八戸線(仮)
ウミネコと料理が好きな綺麗なお兄さん。

・石巻線(仮)
気仙沼線の親友な男の子。
小柄であることやラインカラーのピンクのを身に着けているせいでフェミニンな印象が強いが、石ノ森章太郎作品が好きでいつも首に黄色いマフラーを巻いている。
仙石線とブロマンス中(?)

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