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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

常北がいたあの日

*日立鉄道が廃線になる前のお話。



2000年のゴールデンウィークの朝のことだった。
「・・・・・・あれ?」
目覚めると日立鉄道が常北に戻っていた。

常北がいたあの日

日本語としておかしいと思う人も多いので言っておくと、常北(正式には常北電気鉄道)は日立鉄道の前身だった。
「おめざだねー、ひたち」
「・・・・・ねぇ日製はどこ?」
「主は上で寝てるよ」
さすがにこればかりは一人しか知らないだろう。
日立鉄道の親分、日立製作所。
「ねぇ、日製起きてる?」
「・・・・・・日立か」
「あのさ、なんで常北がいんの?・・・・・行方不明とかそう言うことだと思ってたんだけど?」
常北電気鉄道は1944年の名称変更以来、ずっと会っていない。
「我輩たちは企業だ、市町村である日立と違って当然だ」
「そう言う意味じゃなくて」

「常北は元々鹿島の兄弟や水戸線たちと同じ見た目だったろう?それが我輩の元に来てから影響されたらしくてな。だんだん猫に見た目が近づいてきた。
名称が変わってからはほぼ猫だったがごくまれに戻るらしくて、ああやってでてくる」

「じゃあ、何で鹿島は人間の見た目な訳?」
「あいつは第3セクターで水戸たちの影響を受けるからだろう、我輩は企業であるから国の影響を受けにくい。たぶんそう言うことだろう」
・・・・・・ありえない。
思わずため息をついた。

*            *

来客のないおかげで無事に一日が終わった。
GWだから今日はひたちなかは海浜公園の手伝いに借り出されいたし、そう問題は起きずにすんだ。
「主、ひたち。我輩はどちらも大好きです。神の気まぐれでまた会いましょう」
「・・・・・ん」

あの日は特別な日だということを思い出したのは、カレンダーを見たとき。
「・・・・・憲法記念日」
「ああ、国の記念日のときにあいつは戻ってくる。」
「そうなんだ」







ついったでつぶやいたある鉄道雑誌に「日立鉄道」が乗っていた興奮で常北さんを作ってみました。
日立鉄道とキャラ変わりすぎなのは日製の影響がんがん受けたせいwww

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けっこんしようよ

*真壁と岩瀬と笠間のおはなし。

*昨日(6月第一日曜日)はプロポーズの日なんだよ。



二人で生きて行くのだ、という言葉を聞いた時に思ったのは消失の2文字だった。
「だから、子供はよろしく」
「・・・・・ああ」
合併し、名前を失うと消えてゆく。
それは俺たち―市町村という概念及びそれらに類似する存在―の宿命だった。

けっこんしようよ

笠間・真壁・岩瀬という組み合わせがごく当たり前のようになったのはいつの頃だったかは忘れてしまった。
気がつけば3人だったし、それに抵抗感はなかった。
友人と呼ぶべきか幼馴染と呼ぶべきかは俺には分からないが、ずっと一緒だった。
微妙な関係性の中で、俺は真壁に惹かれ真壁は岩瀬に惹かれ岩瀬は真壁に惹かれた。
どこか無意識の中で岩瀬に叶わないのだと認識した時、俺は結ばれてもない赤い糸を離した。
そして、かの『平成の大合併』の流れは岩瀬にも一つの結論を与えた。

『俺、真壁と一緒になるわ』

*            *

「かさまにぃ?」
「・・・・・桜川か」
太陽が地面を照らし、人々のざわめきが辺りを包む。
(陶炎祭で寝てどうするんだよ・・・・・)
辺りを見回して、思わずため息をつくと結城が口を挟む。
「やっと起きたんですね」
「悪ぃ、気づいたら寝てた」
「まあ今回は延期するかしないかの瀬戸際だったんでしょう?」
仕方ないでしょう、と結城がため息をつくと震災の影響を感じさせない活気が酷く心地よい。
「桜川」
「はい?」
「お前の両親の夢を見た」
桜川は両方の血を平等に受け継いでいた。
そう思うと何故か愛おしく思えて、少しだけ頭を撫でた。










全然明るくねぇ・・・・・。唖然としてます、私が。
笠間の恋はバッドエンドですけど、その続きである下笠がフラグクラッシャーなので私が泣いてます。

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優しいキスが目に痛い

*キスの日なのにシリアス話

*古→宮だけど大宮が喋らない

*短い




久しぶりに大宮の家に泊まりに来た。
最近の地震のごたごたで息抜きを忘れていたせいだ。
(こどもみたい)
安らかに眠るその顔にそっとキスをした。
頬と唇の触れ合うささやかな物だというのに、目が痛む。
(・・・・・痛い)
目だけじゃない、心も体も酷く痛む。
「そっか、」
Яはちゃんと君とキスがしたいのか、と気づいたのは月夜の事。








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人を好きになる話

*関宿初登場なのに不憫とはこれいかに




100年越しの片思いの末に待っていたのは失恋だった。
「好きな人が出来たんだ」
「・・・・・・そう」

人を好きになる話

永い永い初恋だった。
好きだともそんなそぶりも見せずに秘匿してきた恋だった。
別に後悔なんかしていない。
最高の旧友、忘れがたき白い友。
「良かったな」
「うん」
風が心地よく肌をさする。
これが幻想ならよかったのにな。











(好きだから、不安定に心は揺れる。)

「古河藩」読破以来書きたかった関古です。
ちなみにここで言う「古河のすきなひと」は大宮、これだから世紀の鈍感男は・・・・・・。

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在りし日の初恋

*下妻の初恋話、史実要素あり






「下妻の初恋ってどんな人?」
ふいにそんな言葉がつくばの口から出た。
「何でそんな事聞くんですか」
「だって、自分の知らない下妻があの時代に吐いたはずだもの」
好奇心に満ちた目に逆らえないのは僕の悪い点だ。
「もう遠い思い出ですけどね・・・・・。」
あの人もそんな目をしている人だった。

在りし日の初恋

万治元年・下妻。
「利重さまが古河に帰るのは手痛いなぁ・・・・・」
あの日、僕は非常に良くため息が漏れた。
徳川の血筋の名門土井家の支配下にある僕はそれなりにこの一族を信頼していた。
本家である古河が一番大切とはいえ、次に跡を継ぐのは8歳の幼君。
頭の痛みが当然のようにあった。
「お主が下妻だな」
後ろからふいに声をかけられた。
向きなおせば頭痛の種だった幼君・土井利益がいた。
「・・・・・・はい」
「私が土井利益だ」
これが一つの始まり。

*           *

10年ほど経って、その幼君も若君になったころ。
「・・・・・・・・利益さま、また遊ばれたのですね?」
「少し位いいだろう?」
「よくありません!」
あの幼子の面影はどこへやら、見事な歌舞伎者になってしまった。
(歌舞伎者=今で言うヤンキー)
「それだから兄君である利重さまから良い扱いをされないのですよ!」
「・・・・・・・下妻はいつもいつもそればかりなのだな」
ぐいっと袂を掴まれて、唇が唇と触れた。
「なっ・・・」
「いつもいつも私の好意を横流ししおって、腹立つ」
「だからって何時までも遊び呆けているのは許しません!」
数分の思考の後に、こんな言葉が飛び出て来た。
「じゃあ土井本家を継いだら私の好意を横流しにしないのだな?」
「・・・・・・考えておきます」

*             *

横にいる相手に敢えて続きは語るまい、と思って向くと予想通りふくれていた。
「結局下妻はどうしたの?」
「気持ちだけ貰って後は横流しです」
「約束どおり土井本家を継いだのに?」
「仮に本気で僕が好きだったとしても、向こうは人間ですからね。」
人間に好かれてこちらが本気になっても、傷付くだけならば受け流してしまった方がその方がはるかに幸せだ。
「何そのマイナス思考」
「それに今はあなただけで手一杯なもので」
「・・・・・・・・しもつまぁぁぁっ!」
強く抱きしめられた。



(昔から強引な人ばかり好きになるのは何故だろう)

脳裏によぎったのはそんな疑問だった。







下妻の昔の上司さんのお話。
昨日のうちに早川和見の「シリーズ藩物語・古河藩」を読破したのですが土井家の人たちが素敵過ぎますね・・・・。
自分が一番気に入ったのは今回の利益公ですが、利与公やと利里も人間臭くてお気に入りですw
あと私の脳内で関宿→古河腐ラグが確立されてしまったので、そのうち書くかも。

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