水戸が号泣している。
自分が無力だとボロボロ泣いていた。
「励ましに来たよ」
「帰れ」
この強がりだっていつもの事。
「いっつも笑わしに来てるのに」
「うるせーな、あんたは」
水戸はいつも励ましに来てる存在に気づいてる。
正体が僕だって事も。
だけど、この戯言に加わってくれる。
「強行突破でもしようか」
「しなくて良い」
こんな戯言のうちにだんだん水戸の悲しみが薄れていく事を知っている。
「水戸が出来る事なんてごく僅かなのに。」
「あんただって飽きずに励ましに来るじゃねーか」
「日立に頼まれてるんだ、それに」
これはある意味本当である意味嘘。
「それに?」
「水戸が好きだから」
ちょっと嘘に混ぜて本音が言える。
水戸は結城が好きだから、叶わなくても好きって言いたい時があるんだよ?
「そうかよ」
「うん」
「でも好きな人別でいるから」
「知ってる」
こういうと水戸は自尊心が戻ってくるらしくて、泣くのをやめる。
プライド高くてわがままだけど、世界一水戸っぽな水戸が大好きなのが自分な訳で。
「ドアがあかねぇ」
「じゃあ日立にこじ開けてもらうよう頼むよ」
「いや、お前が良い。」
「なんで」
「嘘昔から下手だからお前が日立なことぐらい既に分かってるよ」
「・・・・・・しょうがない」
ひたちなかが空気を読んでバールを持ってきてくれた。
ドアは後で修理で良いか。
「兄上、私も手伝います」
「うん」
二人でドアにバールを押し込んでこじ開けた。
「「せーの」」
男二人分の手ではあっさりとドアが開いた。
「おかえり、水戸」
「ただいま」
(俺に笑顔を持って来てくれんのはお前だけだよ、日立)
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「友情だけど一番身近に自分を支えてくれるのが日立で、何だかんだ言いつつ支える日立兄弟」そんな水日が理想です。
題名はバンプから。