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コーギーとお昼寝

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しもつまものがたり?その3






「暑い・・・・・・いくら地球の中心軸が傾いたゆえの現象といっても暑い!」
それはとあるじめじめと暑い夏のこと。
「まあ、もうすぐ夏ですからねぇ」
「冷房・・・・・・は壊れてるんだっけ」
冷房を壊した原因はつくばさん自身であることを何も言わないことにした。
「そうですね、水風呂でも入ります?」
「まだ洗ってないし、ぬるっとしてるし、いろいろな意味でやだ。」
多分ぼくが洗うと言っても拒否するに違いない。
そしてぼくは直感的につくばさんが求めているであろう答えを答えてあげた。
「じゃあ・・・・・ぼくと一緒にプールに行きます?」

しもつまものがたり?その3

ぼくにとってプールとはある巨大プールとなっている。
まだ小さいころに下館と行くことの多かった(まだあの頃は遊/湯館なんて施設は無かった)砂沼サンビーチ。
「ほえー・・・・・」
青いトランクス風の水着に同系色のビーチサンダルのぼくとズボンのような形の水着(これ何て言うんだろうか)のに素足スニーカーと言うある意味微妙ないでたちのつくばさん。
そんなぼくらが久しぶりに遊びにいくとちょうどお昼前と言うことで人が多い。
「今日もなんか人が多いですねぇ」
「こんなに大きいとこ来たの東京サ/マーラ/ンド連れて行ってもらって以来かも」
「そう言えばつくばさんちのほうに大きいプールの存在あんまり無いですもんね。」
「そうだね、そういえばさぁ砂沼って沼の名前なの?」
「あー、一応ため池です。」
「一応?」
「砂沼湖とも言うんで厳密にはよく分からないんですよね・・・・・・・・・。」
「なるほど。」

*                  *

「ふい~」
ぼくらが波のプールに入ると何故かカップルらしき姿が多い。
そのなかで出てきたこの謎の声。
(奇妙な取り合わせだ・・・・・・)
キャーキャーはしゃぐ人も多いし、ぼくらのようにただぼんやりしてるのも多い。
「いいねぇ、こういう時間も」
「そうですね。ってウボァァァァっ!?」
波が顔に直撃した。



そして浮き輪から落ちた。



そんなに深い所ではないのが幸いして底意地で浮き輪を引っつかむ。
「さっきの面白かったよー」
「・・・・・・・えっと、まず面白い面白くない以前の問題だと思うんですけど。」
「だってさー、面白くって、ねえ?」
あれですか、『好きな人ほどいじめたい』って奴ですか。
と言うか意味が分かりませんその理屈。
そもそもどこが面白かったんですかあああああああああああ!

*                   *

スライダーに流れるプール、水上リフト(こんなの昔あったっけ?)25mプール。
「はー、散々遊んでたねー」
「もう・・・・・・帰りたいです。」
「何でもう疲れてるの?25m勝負くらいで」
「25m10本を本気でクロールして疲れない人がいたら紹介しろ!」
思わず心からの本音が思いっきり漏れた
「あ。」
「はい?」
「ですます調、とれたじゃん。下妻もさー。」
そして赤くなるぼく。
「じゃあ、記念にお赤飯炊こうよ」
「炊きません!」
そしてプールに夕暮れが沈んでいった。





                    おわり

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でもそれって僕への愛なの?

「さくらが綺麗だからしーくんは桜川なんだよ!」
そんなひょんな一言が、変なことを引き起こすことなるのです。

でもそれって僕への愛なの?

「かさまにぃ、そうでしょ?」
「あ、ああ・・・・・・」
桜川の保護者的生き物である笠間は少々言いにくいように言った事が拍車をかけてしまったのです。
そう、ひょんな一言が相手の逆鱗に触れるように・・・・・・。
「いや桜川、俺の家の方が綺麗だと思うぞ?」
「えー、しもだてにぃの家って何も無いじゃんよー」
「桜川。」
「なあに、ゆうきにぃ?」
「下館をなじるのは元主として許可しますが、桜は断然大綸寺か小山の家の桜です。」
「そこかよ!ほれ、ナレーターも突っ込みいれろよ!
え、そこでふりますか・・・・・・。
まあ主ですし、結城は下館大嫌いですもんね・・・・・・(棒読み)
「・・・・・・ナレーター、それカバーになってねーぞ。」
気にしないでくださいよ。というか良心という名の下妻さんとつくばさんはいずこですか。
「яはしらないよ。」
あなたいつの間にいたんですか、という突っ込みは皆さんに任せます。
「桜川、確かにあなたの桜は綺麗ですよ。」
お、結城が良心を発揮した。
「下館の家は何も無いので別に良いとして、私や笠間を下に見るとどうなるか分かっていますね?」
「それでも俺は別かい!」

「はあい・・・・・・」

それで良いのか、桜川。

*                         *

「そういえば桜川の家族はよほど桜がお好きだったんですねぇ・・・・・・」
「下妻ぁ~!」
速攻で甘えに言ったのは無論下館、ちょっとつくばが怖い気がしますがスルーしておきましょう。
「さっき下妻と自分で他の桜見に行ったんだけどね、色々植えてあってよかったよーちょっと植生に興味沸くかも。」
「まあ、こいつの両親が残したまま消えた思い出のものみたいなものだしなあ・・・・・・」
「岩瀬と真壁、どうしてるんでしょうねぇ・・・・・・今頃暢気に写真撮りですかね」
ああ、桜川の両親は失踪中なんでしたっけ。
「そうだよ、特に真壁はなんとも綺麗でねぇ。яも絵に残せばよかったって後悔してる。」
「だよなあ・・・・・・」
「でもしーくんにとってはここがパパとママの代わりです!にぃたちがパパとママの代わりですよ!」
いいこと言ったねえ、よし飴を上げよう。イチゴ味。
「飴はイチゴよりメロンの方が良いです」
「そうだよな、ここにおいて置いたのが真壁なりのやり方だったんだろうな。」

桜が咲いて散ってを繰り返す。
この桜川の両親が消えて何度目の春だろう。

「まあ、良いのではありませんか。桜川が良いと言うのですから。」

皆その言葉に頷いたのでした。









                        おわり

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さくら、さくら。






さくらの美しい季節になり始めました。
「なあおっさんよ、花見にはちと早くねえか?」
おやおや、このさくらはまだ5分咲き。ですが向こうの木は早咲きなのでしょう、もう花を咲かせています。
「おっさん言うな、下館。あとさくらは満開よりつぼみをめでるのが風流ってもんだろ。」
「ただのせっかちのような気がしますけど?」

さくら、さくら

辛辣なコメントは結城、鍋の準備のようです。
「ゆうきにぃ、しーくんお鍋早く食べたいのー」
「桜川、もう少し待ってください。もう少しの辛抱でおいしいお鍋が出来ますから。」
笠間のひざの上でお鍋をせがむのは・・・・・・小さな桜川。
「それにしたって下妻おっそいよなー」
「遅れましたああああああ!」
走ってやってきたのは下妻、その後ろにいるのはたぶん筑波でしょう。(もう既に息切れして、体力無いようですし)
「お、噂をすれば影。遅かったな、下妻ー」
「笠間さん・・・・・筑波さんが朝急にサンドウィッチつくってくれって!何度も念押しで聞いたのに朝になって急に言い出したんですよ!」
手荷物のお花見弁当、4段重ねとサンドウィッチを並べてそう愚痴をこぼす。
「し・も・つ・まー!」
「だあああ、重いっ!飛びつくのをやめろって何度言えばいいんですか!」
このずいぶんと小柄(17なのに150センチちょい)なのが筑波。
そんなに嫌なら縁を切ればいいのに。
「隣だから縁切れないんですよ。」
見事なまでに殺気のこもった呟き、ありがとうございます。
「下妻、鍋はほぼ完成してるので花見を始めましょうか。」
「あ、はい。」

*                             *

「つくば兄ちゃん、全部貴重なさくらなのー」
「へえ・・・綺麗だね」
「特にこの匂いのするのは『とくべつてんねんきねんぶつ』って言うんだよー」
ついでに言いますと、この花見会場にはほかに10の特別天然記念物の桜が植えられていてかなり貴重なんだとか。
「やっぱり、桜は良いねえ・・・・・・」
「下妻、おっさんくさい」
「しもだて、おっさん臭くても別に良いだろ?」
「おっさん臭くても自分は好きだよ?」
ほわほわ、と謎のオーラをまといつつそう言うつくば。
何でこんなのになったんでしょうね、東京さんよ。
「つくばー、こんなところで告白まがいなことをしない」
「ちょいとおっさん、告白って?自分はそう言う意識が無いでありますが?」
(・・・・・・下妻、俺はこいつを止められません。後つくばよ、おっさん言うな。)
「みんな元気ですねぇ」
「あのさ、結城よ。元気の域超えてる気がするぞ」
「別にどっちでも良かろう。桜は美しいし、みな今年も幸せだろうしな。」
「・・・・・・お前さ、ちょっと下妻がうらやましいと思ったろ」
「イイエゼンゼンオモッテナイヨー」
(おい、ばればれだぞ。)
さて、今年もみな元気です。





                    おわり

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ひたちなか、不思議な子。

「・・・・・・なんで俺が押し付けられるの?」
水戸、押し付けられそうなのがお前しかいなかったんだ。
と言うわけで頼む。
「日立におしつけろよ」
お前に頼まれた結城専用ハードディスクの復元が難航してて出られないんだと。
「お久しぶりであります、水戸殿。」
「あ、ああ・・・・・・久しぶりだな。ひたちなか。」
「兄様はここにいませんよ?」
「あ、いやさ・・・・・・今日はお前に用事があってな。書類とお前の自己紹介。」
「了解いたしました。」
そういってひたちなかが方向を向きなおし、敬礼をして言い出したのはこれ。
「我輩はひたちなか、水戸藩随一の商港であります。」
・・・・・・って、それだけかい!
「それ以上に必要なものはないと思われるゆえ、職務に戻ろうと思います。」
「あー、まあそれぐらいでいいよ。あ、書類ここにおいて置くな」
「ご足労ありがとうございます、水戸殿。」
「・・・・・・水戸、何でここに?」
「なんだ、日立か。とりあえず泥とほこりのままで入ったら玄関カオスになるから外で落としてこい。」
「別に、ほこりくらい・・・・・・後でごまかせる。」
「いやごまかせねーよ!」
「兄様、掃除機です。」
「・・・・・・ありがとう。」
「つまりお前らは掃除機で服を掃除すると。」
「まあ、そういうこと・・・・・・だね。」
掃除機のフィルター駄目になるぞ、とオカンのごとく突っ込んで服用ブラシでほこり取りをする姿はどう見ても夫婦です、本当にありがとうございます。私はもうおなか一杯で

「どこがだよ!」



                   おわり

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はじめまして、日立です。






「ひーたーちー!」
街の郊外にあるおんぼろ家屋。
雨漏りしないこと以外よいと思えることがない家屋の中に、いた。
「・・・・・・水戸。めし、たのむ」
泥まみれの地面につっぷすちょっとおっさん化してきた奴。
それが日立である。

はじめまして、日立です。

「や、ちょっと何でそんな急に!」
「冷蔵庫修理・・・・・・熱中、してた。」
「つまり飯を食い損ねたんですね分かります。」
基本的に水戸は日立とつくばに頭が上がらない。(皆の収入的な意味で)
なのでたびたびこういう無茶に応じざる得ないのが現状なのである。
ほれ、水戸飯買いに行ってきな。
「うぇーい・・・・・」
「・・・・・・水戸、頼んだ。」
起き上がる気力もないのか床に突っ伏したままの日立。
とりあえずそれは人として駄目だと思うので座りなおそうか。
そして返ってきた一言は

「むり」

*                             *

「日立ー、飯買って来たぞー」
「・・・・・・さんきゅ」
「とりあえずシャケおにぎりと牛乳と弁当買ってきたんだが」
「あ・・・・・・」
よろりよろりとミイラのごとく立ち上がる日立。
そして舞い上がる砂と泥。
これも予想してか濡れタオルを日立に放り投げる。(良い子は真似してはいけません)
ぐじぐじと顔を拭き、飯を恐ろしい勢いで食べていくと水戸から質問が飛んでくるのです。
「なあ、冷蔵庫修理ってあれだよな。俺がこの間二日で直しとけって言ったおんぼろ。」
「・・・・・・そう。」
「さすが日立だな、そこはほめて使わそう。」
「佐竹様に、褒められる方が・・・・・・いい。」
「わっちは褒められるうちに褒めてもらった方が良いと思うんだがねぇ」
ひょっこりとやってきたのは一匹のペルシャ猫、伊勢甚ジャ/スコ・今のイ/オンです。
「伊勢甚、ひっさしぶりー!」
「久しいねぇ、水戸。日立。」
「・・・・・・久しぶり、家出した?」
普段は下妻の家で暮らしていて、そんな頻繁には来ませんが暇を良くもてあます猫ゆえに来ることもあるのです。
「違うさ、水戸の阿呆ガラスからの伝言だよ。」
「・・・・・・阿呆ガラス呼び、だめ。」
「わっちからすれば阿呆ガラスは阿呆ガラスにありんす。後伝言『さっさと帰って仕事しろ』だとさ。」
「あ・・・・・・ごめん、日立俺帰るわ。」
そう言うと走って帰っていく水戸。
ため息をつきながら先に言葉を発したのは伊勢甚だった。
「肝心なところで役に立たんね、それならよっぽどお前の方が有用にありんす。」
「・・・・・・伊勢甚、水戸の仕事は水戸がやるもの。僕は・・・・・・無用。」
「日立、お前水戸に惚れてるでありんしょ?三叉にはお見通しさ。」
「なんで、そう思うの?」
「その顔さ。」
僅かにほてった顔。
「お前は水戸の時だけ異様に仕事が速いじゃないか。・・・・・・じゃ、わっちは帰るさ。」
そういって消えていった伊勢甚はやけに楽しげに見え、ほてったままの日立は2度目のため息をついた。





                 おわり

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