*常磐線の昔のお話。
*廃止路線もちらほら。
(この子が)
小さな童を見たとき、自分に弟分が出来たとやっと実感した。
この水戸鉄道の血を引き継ぐ子供。
「土浦」
「ついに私の役目も終わりのようだな」
後は全部お前に任せる、と言ってふらりと出て行く存在を止める事は無い。
廃止路線の宿命、とでも呼ぼうか。
死に行く存在を呼び止めるすべを自分は持ち合わせていない、
「水戸」
私を呼んだのは私を統べる存在。
「なんでしょうか」
「こいつに名をつけてやった、常磐線とな」
「左様ですか」
「お前が面倒を見てやれ、この子に一部を渡したのも何かの宿命だ」「・・・・・・はい」時代が先へ先へと歩く中で、どこかスピードに追いつけない自分がいた。