『決勝進出おめでとう』
ワイルドナイツからの第一声はそれだった。
試合後の浮かれ騒ぎのなかでかかってきた電話の声はどこか熱があった。
「ありがと、また今年もこの組み合わせだな」
『順当でしょ』
「そうだけどさー、試合前にLINE送ってきたろ?決勝で待ってるって。ちょっとは負ける可能性考えてたろ?」
『ちょっとだよ、8割がたお前が勝つかなって思ってた』
「残り2割は負けかよ」
『勝負は時の運だしね』
それを言われると言い返せなくてちょっとムッと来た。
「俺は100パーお前が勝つと思ってたんだけどなー」
『そうなんだ?』
「おう、お前のラグビーをよく知ってるのは俺だしな!」
しばらく妙な間が空いて『……一瞬求婚しそうになった』と呟いた。
「お前と一緒になったら試合できないじゃん」
『そうだけどさ……俺の純情もてあそんでない?』
「純情もてあそんでないって、一番のライバルとしてパナソニックワイルドナイツをよく知って居るって自負があるだけだよ」
俺の言葉にワイルドナイツは深い深い溜息を吐いた。
果たして俺は呆れられるようなことを言ったか?と疑問が沸く。
『……まあいいや、23日楽しみにしてる』
「俺も!」
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サンゴリアスとワイルドナイツ。