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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

8ミリフィルム

*少しだけ震災にまつわる描写があります

―2011年6月
楽しかったという気持ちと昔抱いた憧れとほんのわずかな失望が入り混じった顔でその人を見たのを覚えている。
「遠路はるばるありがとうな、ジュビロ。久しぶりにちゃんと試合が出来て嬉しかった」
「どうってことないですよ」
僕がそう呟くと小柄な先輩である彼はふいに足を止めた。
目の前に広がるのは茫洋とした更地。かつて街であっただろう痕跡が僅かばかり残るだけであった。
海にすべてをさらわれた街でラグビーをしたいと先に言ったのはこっちの方で、応えてくれなければきっと今日の試合は無かった。
「正直に言っていいんだぞ?お前さんぐらいの年代だと、うちの黄金期を知ってるからな」
その言葉は全部分かっているような響きだった。
「言いませんよ、強くても弱くても先輩は先輩です」
「……そか」
確かに僕はあの走って繋ぐ釜石のラグビーに憧れていたし、きっと僕以外のものもそうだろう。
その時の偉功をこの街と共に彼は背負って生きていくのだ。







ジュビロとシーウェイブス

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サマードレス

「さく姉本当にこれくれるの?!」
「……周南が好きそうだと思って買ったものだから」
桜島―僕の一番上の姉に当たる人―が、大阪で買って来たというパステルブルーのサマードレスに歓声を上げるとほんのわずかに口角を下げて満足だとほほ笑んだ。
久し振りにこちらまで遊びに来てくれただけで十分なのに、その上お土産まで持ってきてくれるなんて本当にありがたい限りだ。
「今度デートするときに着よ「でも買ってあげた私へのお礼にはならない」
間髪を入れずに告げられた言葉の意図は、今ここで着て見せろということ。
このドレスを今ここ出来ることがお土産を買って来たお礼になるということだ。
「……着替えてくるね」
「ん」
洗面所に移って先ほどまで着ていたロングTシャツとジーンズを脱いで、サマードレスに着替える。
そろそろムダ毛も全部剃らなきゃなあなんて考えるけど今日はめんどくさいからいいや。
薄化粧を落として同系色の青を基調にしたメイクに変えれば準備完了だ。
(ついでに写真も呉に送っておこう)
自撮りを加工無しで送れば後で返事が来るはずだ。
「出来たよー」
リビングの戸を開けて見れば、姉の表情の満足度がさらに上がる。
「今日も可愛く出来たでしょ」
「120点満点」




桜島と周南習作。

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お引越しの話

「おっ、精が出とるなあ」
「……レッドハリケーンズ」
俺の顔を見た瞬間にあからさまに表情が悪いものに変化する。
新たな拠点への引っ越しのために積み上げられた段ボール箱の山の中で、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスはあからさまに不機嫌であった。
「うちの親父(NTTドコモ)から引っ越しうどんと、東のじーさま(NTT東日本)からの引っ越し蕎麦と西のじー様(NTT西日本)からのタオル持ってきた。他にも色々あるけど量多いからお前んとこのスタッフさんに預けたわ」
「どうも、というか降格したんだから再昇格のための練習してろよ」
「親父の付き添いで東京来たついでに新しいグラウンド見てやろうかと思ってな、そしたらまーみんなついでに渡しといてくれっていろいろ押し付けてきてなあ。可哀想やから一緒に持ってくわーってコムさん(NTTコミュニケーション)が一緒に来てくれたわ」
「……うちの父さんやおじいさまに迷惑かけてないよな?」
ジトっとした目でこちらを睨みつけてくるがもうそれも慣れた。
まあ好きだの嫌いだのどうでもいいのだ。本来の目的はほとんど果たした。
「ないない、じー様怒らせるほど俺アホやないもん」
「ならいい」
「グラウンドも少し見たら帰るわ、俺もグラウンドもう一面欲しいわあ」
「欲しけりゃ実績上げて引っ越し費用作って貰え」
「はいはい」
段ボールだらけの部屋を出て真新しいクラブハウスの中をふらりと歩く。
うちのクラブハウスは綺麗だと自負しているが、さすが完成してひと月も経ってない新居と比べられると負けてしまう。
あー、俺も総天然芝グラウンドもう一面欲しいなー!




特にオチはないNTTダービー

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牛牧衣織さんからのいただきもの

牛牧衣織さん(@okina_sosaku)からイラスト頂きました!


圧倒的官営様オーラが最高すぎました。これは勝てる気がしない。


ちょっと大人な雰囲気の室蘭!愛嬌のある感じがまた可愛いですね!

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全てが夢であったならば

60年代ごろのライナーズとブラックラムズと新日/鉄住金八/幡の話。
作中の列車時刻は雰囲気でどうぞ。

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