ニューデイズに貼られた「さよならカシオペア」の文字にふいに足が止まる。
「北斗星さん?」
「ああ、ごめんね」
可愛らしい後輩の心配げな声に申し訳ない気分になる。
ふいにカシオペアの視線が先ほど見ていたポスターに向けられる。
「これ見てたんですか」
「うん、」
自らが廃止された時にも同じように張られたポスターだ。
この会社のために生み出された存在である自らの最後の会社への貢献が、この廃止記念のグッツなのだ。分かっていてはいても、墓標のようだと思う。
「……きみが、いきのびてくれればよかったのに」
あり得ない願いを口走る一言がまるで呪いのようだと思った。
久しぶりにカシオペアさんと北斗星さんの話。
カシオペア廃止記念グッズのポスターを眺めつつ。せめて北海道新幹線にカシオペアか北斗星が愛称として残ればなあ……