*盛大に遅刻した京成押上線100周年おめでとう記念。
*押上さんと本線
「……思い出のヘッドマーク電車、ねぇ」
「記念日だしさ、盛大に祝わなくちゃって」
11月3日、今日は押上線100周年の記念日である。
双子の
1909年、11月。
まだあたしは子供だった。
4年後の開業に向け、すべての期待に答えられるように必死に研鑽を積み重ねていた。
それに比べて弟はのんきに開業日を指折り数えて待っていた。
「・・・・・んの、ばかぁ!なんでそんなにのんきにやれるの?!」
「だって・・・・・」
それで家を飛び出して、家を飛び出した。
気づけば柴又の帝釈天にいた。
その時はまだ一人で言った事のある範囲はとても狭く、柴又は来たことすらなかった。
半泣きになりながら家に戻ろうとうろうろしていたときだった。
「どうかした?」
そうやって声をかけてくれたのが帝釈人車鉄道、今の金町だった。
第1期工事開始後、金町を迎えたのはこんな縁があったからかもしれない。
***
第一期工事が始まり、線路を始めて走ったのは100年前の今日だ。
「誕生日ではないけど大切な記念日ね」
「うん。だからさ、おめでとう」
「はいはい、あんたもね」
開業100周年おめでとう!