・水戸線駅擬人化です。
・駅の歴史とかそこらへんはまるっとさくっとスルー。
隣駅だが、あいつと俺の立場はだいぶ違う。
俺は小さなローカル線の無人駅。
あいつは長距離路線に所属する有人駅で、特急だって止まる。
「友部」
「あれ宍戸、どうかした?」
「水戸に書類届けるついでに寄っただけ」
いつもここに来ると立場の違いを感じる。
綺麗で、ホームがいくつもある。
そんなのは俺の所属する路線には数えるほどしかいない。
「そう」
友部は誰にだって平等で、俺にもごく普通に接してくれる。
大和から言わせて見ればそこが嫌いらしいんだけど・・・・・・俺にはよく分からない。
「宍戸といると、昔のこと思い出すなぁ」
「え?」
「まだ君が『太田町』だった頃のこと」
「そうか」
日本鉄道という揺りかごの中で幼馴染も同然に育ってきて、たった4分の距離で離された。
その距離がお互いの運命を変えて、こんなにも立場が変わってしまった。
(俺は友部が思ってるほど綺麗じゃない)
ここに来たのだって、本当は違うんだ。
きっといったらひかれてしまうからいわない。