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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

きみと話がしたいのさ

1、初めて出逢ったその瞬間(土浦)
つくば道の先にある、広大な大豆畑。
そこが出会いの場所だった。
「きみが筑波?」
「んだ」
その時から僕らの永い友情は始まった。

2、好きな子教えて(土浦)
夕闇の中に筑波山が浮かぶ。
「おー・・・・涼し」
「今晩はよぉ晴れてんべ、だから星が綺麗だぁ」
「うん」
草っぱらの中心でしゃがみ込んだ僕の手を見て「白い手だなぁ」と筑波が言った。
「外に出ないからね」
「女っこみてぇだ」
僕の好きだった人も白い手をしていた。
「・・・・・筑波はいい人いないの?」
「いねぇなぁ」

3、二人だけの秘密(土浦)
筑波山のすぐそばにある小高い山・富士山(「ふじさん」ではなく「ふじやま」だ)に二人だけの場所を作った。
空と筑波山が綺麗に見えるこの場所は、永遠に秘密の場所だ。
誰にも渡さない秘密で特別な場所。

4、友達以上、恋愛以上、家族未満(土浦)
この関係をなんと呼ぼうか、と筑波に聞くと「・・・・・・親友、だなぁ」と言った。
友達では足りないけれど恋人ではない。
僕らの関係は友達がちょうどいい。

5、ほら、半分こ(筑波)
「ほら割れた」
土浦がうまく開けなかった栗のイガを取ると、感嘆の声を上げた。
「・・・・・これぐらい簡単に時代が分かればなぁ」
「野田の醤油が人気だもんなぁ」
鉄道が日本中に敷かれ、千葉で作られた醤油が東京に出回り始めて土浦の醤油の売れ行きが落ちた。
「栗、4つあんべ。二つづつにしようやぁ」
「うん」
時代がどう変わろうと、なにも変わるはずが無い。

6、泣いて、笑って、変わって(土浦)
僕らの出会いから長い年月が過ぎていった。
筑波は今、瀬戸際にいる。
新しい次代を担う研究のまちへと変貌するか、今までのままの自然豊かな町のままか。
僕はまだ賑わいのさなかにおぼれている。

7、あいつをよろしくお願いします(筑波)
「・・・・・・東京さん」
「はい」
「土浦はどうなっぺか」
「それは分かりませんが、あなたと同じように何かしらの変化は起きるでしょうね」
「んだらば、あいつも賑わったままでいられるようお願いできっぺか」

8、好きだよ、だから幸せに(土浦)
筑波は死んだ。
新しいつくばを引き換えに、古い筑波は死んでいった。
「・・・・・・ひらがな市名なんていけ好かない」
「土浦が不機嫌になるのも分かりますが、これも宿命です」
「取手は冷静だね」
「どうなろうと運命のままに生きていくしかないですからね」
レンコンチップスをさし出して、パリッとかじる。
僕の運命は不安定だけれど筑波の幸せを願っている。









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