「という訳でワインとケーキ持って来たんで一緒に食べましょうか」
それはそれは実にいい笑顔で結城さんがやってきたのは、クリスマスイブの夕方の事であった。
「……この年末の忙しい時期によく来れますね」
「時間は捻出するものですよ」
大きな風呂敷包みが実に重そうだし、何よりこの人の手料理が美味しいことは長い付き合いで十二分に知っているからそれを捨てるのはもったいないという精神で結局家にあげてしまう。
重箱に詰め込んだクリスマスのオードブルに、ブッシュドノエル、足利の某有名ワイナリーのハーフボトルワインが2本。
「二人分にしちゃ多い気がするんですけど」
「残ったら冷凍して食べれば年明けまで持ちますから」
実に楽しそうにワインをグラスに注ぎいれるので、なんかもうすべてがどうでも良くなってワイングラスを受け取った。
「メリークリスマス、私の最愛の人」
「……こちらこそメリークリスマス」
最近ずっと製鉄とラグビーで忙しくて久しぶりの結城小山です。