友部駅
「……30分遅れですね」
「しかたねーだろ」
「営団のほうは?」
「地下鉄は直通切ってる」
「向こうに迷惑かけないうちにさっさと戻りなさい、水戸支社管轄内ぐらい私が面倒見ますから」
「了解」
「それともうひとつ、」
「うん?」
「携帯は切りっ放しにしない」
「つけとくと日暮里から大量に電話くんの」
「水郡が連絡取れないと慌ててましたよ、せっかくのSL運航日だというのに」
「あー……悪かった」
「なら反省の態度を見せるべきしょう」
「へーへー」
「変な拗ね方してますよ」
「なにが」
「まだ国鉄の鬼門と呼ばれてることに捻くれてるんですか?」
「………………ひねてない」
「嘘おっしゃい、まあ早く行きなさい」
「へーへー」
弟のひねくれを一番最初に見透かす兄でした。