神栖は大いに落ち込んでいた。
「佐原・潮来・鹿島か……」
「なに凹んでるんですか」
「まあまあ、そのうち取り上げてもらえるって」
「東国三社についてちょっとぐらい取り上げてくれるかなって期待した俺がバカだった……」
そう。くもじぃが香取・鹿島と行くので東国三社が来るとほんの少し期待していたのである。
それが完璧スルーとはどういうことなのだろう。いやまあ知名度的に仕方ないのかも知れないが。
「マッシュルームより東国三社来て欲しかった……潮来は許すけど」
「私は許容範囲内なんですね」
「だって潮来はこれから稼ぎ時だし、しかし小見川は絶対許せない」
神栖から湧き上がるのは純粋な邪念であった。
いっそ潔いまでの邪念である。まあ完全スルーだったしね。ついでに言えば鹿島の工場地帯の半分以上は神栖なのだが。
「……神栖、」
「臨海線」
「りんてつ応援団の某氏が『一瞬6000系出たぞ!』ってツイートしてて、確認のために録画みた時の俺と弟よりかははるかにましだ」
臨海線の一言で空気が凍ったのは言うまでもない。
おまけ:その頃の大洗鹿島線と鹿島線
「生きてて良かった……テレビで全面的に取り上げられる日が来てよかった……」
「鹿島泣かないで?!」
鹿島線が泣いてた。