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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

海辺の季節

昼下がりのマンションの一室にぴんぽん、とチャイムが鳴る。
「おう、ひたちなか。どうしたんだぜ?」
「そちらの町役場に少し用事があったんで、そのついでに顔見ようと思ったら今日は休みだと」
「ああ……」
まあ入ってくれとひたちなかを部屋に入れる。
クーラーの効いた部屋に、窓の向こう側には大洗の海。
「いつも思うんですけど、イメージと違いますよね」
「よく言われるからもう慣れたぜ?」
ガラスポットの麦茶とグラスを渡すと、さっそく麦茶を飲み始める。
ついでに自分の分も飲み始める。
「もう7月かあ」
「1年って早いですよねえ」
「艦艇見学会にひぬまマラソン、八朔祭りに花火にって追われてるうちに夏なんてすぐに終わっちまうんだぜ……」
思わずこの先の予定にため息が漏れる。
夏の大洗は1年で一番の稼ぎ時だからあまり遊ぶ余裕もない。嬉しい悲鳴という奴だ。
「寂しいとでも?」
「いや、稼ぎ時ってのは大変だなってだけなんだぜ」
「……那珂湊も、そうでしたか」
「実の親に他人行儀な呼び方だぜ」
「顔も知りませんからね」
「伝統とはいえ淋しいもんだぜ」
「で、質問の答えは?」
「そっちか。那珂湊の夏も忙しかったと思うんだぜ。東京から俺や那珂湊行きの特急も昔はあったからこの辺りに不慣れな客の対応があったりしてな」
遠くに去った記憶は不思議と色あせることなく鮮やかに残っているもので、思い出話がつらつらと口をついた。
ひたちなかは麦茶を片手にその思い出話を黙って聞いていた。








ひたちなかと大洗。

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飲料メーカー擬人化

いつか書くかもしれないし書かないかもしれない飲料(というかお酒)メーカーの擬人化メモ


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鹿嶋君の妹ちゃん

ただ鹿嶋と奈良の疑似兄妹が欲しくなっただけ。

奈良市
神様に仕える巫女さん幼女。
愛くるしい見た目に反してかつての首都だけあってかしっかり者。
鹿嶋を「兄さん」と呼び鹿を愛でる(がよく攻撃もされる)


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半夏生の客人

「とりあえず頼まれたのはこれだけだな」
「助かります、」
小浜さんに手渡されたスチロール箱の中身を確認して、ありがたく受け取る。
わざわざ木の芽峠を越えてここまで来てもらっているのは結構助かっているのだ。
「あと、これお礼のヤマメとオイカワです」
「今年は川魚か、ありがとうな」
「いつも届けてもらって助かってますから」
小浜さんは元来京都への出入りが多く、わざわざここへ来るという事はあまりない。
ただ、この夏の時期になるとどうしてもお願いしまう。
「でも、なんで半夏生なのにタコじゃなくて鯖なんだ?」
スチロール箱には今朝小浜の港で水揚げされたばかりの鯖がぎっしり詰まっている。
コンロに魚の焼き網を置いて、塩を軽く振った鯖を焼いていく。
「うちの方は江戸の頃からこの時期になると鯖を食べるんですよ」
「ところ変われば品変わるってことかなあ」
小浜が興味深げにそう呟く。
「そういう事です」
「ま、ヤマメありがたく頂いてくわ。鯖が欲しくなったらいつでも言ってくれていいからなー」
ヤマメの入った袋を握り締めて小浜さんがまたフラリと出ていく。


(……勝山ももうすぐ来るかなあ)

半夏水が降らないことを願いつつ、もう一人の客人を待っている。


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(無題)

『星に届かないことは恥ずかしいことではないが、手を伸ばす星を持たないことは恥ずかしいことだ。』という言葉を教えてくれたのは確か彼女であった。
明治以来の港町の名を掲げ誰よりも気高く凛とした女性が好む言葉としてはこれ以上に最適な物はないだろう、というのは俺と彼女の妹の共通判断であった。
「釜石シーウェイブス、」
「彼はここに居ませんよ」
「ああ、加古川さん」
彼女の妹が困ったように笑いながら紅茶を注いだ。
いい紅茶をティーカップでちまちま飲むよりも安い茶葉でマグカップいっぱいに注いでもらう方が嬉しい俺のため、マグカップになみなみと冷たいミルクティーが注がれている。
「彼の事でも?」
「まあ、そんなとこです」
「新シーズンはいつからでしたっけ」
「トップリーグは8月18日、トップチャレンジが9月だったか……」
「ちょうど一か月遅れになるんですねえ」
「……あいつ(シーウェイブス)は、俺のことを届かない星みたいに言うようになったのはいつだったか」
リーグ開幕までの一か月の差は大して大きなものではない。
しかし、いつの間にか遠ざかったあの男との距離がほんのわずかに寂しい。




加古川ちゃんとスティーラーズ。

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