書店から戻って来た水戸は様子がおかしかった。
恋歌を読みながらもくしゃみが止まらないのである。
「ぶえっくし!……さっきからくしゃみがぶぁっくしょん!」
「水戸、風邪ひいた?」
「でも熱っぽいとかはないし」
ぺたりと日立が水戸の頬に触れる。
確かに熱はない、しかし目が真っ赤だ。
「……もしかして」
「なに?」
「水戸、病院行ったほうが良い」
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「……って訳なんだけど」
日立の目の前には愉快な県央と県北が勢ぞろいしていた。
茨城町、ひたちなか、笠間、城里、常陸大宮と常陸太田である。……北茨城と高萩は所用(と言う名のいわきウォッチとそのストッパー)で欠席、大子は数日前から風邪を拗らせて休養中、大洗は多忙のため休みである。
「クッソどうでもいいな」
「笠間さんおにぎりあります?お腹空きました」
「城里はこれ食べてて」つモーター最中
「いただきます!」
「……城里を3秒で飼いならしたな、つかよだきぃ」
「大宮殿そう言う事を言わないでください」
日立が城里を三秒で飼いならしたところで、本題に入る。
「で、ここからが本題なんだけど。
水戸が宇都宮を殴りに行くかも」
「「「は?」」」
「花粉症の原因を宇都宮にして殴りに行く可能性がある、ってこと」
「つまりそれを止めるために人手がいると。」
「分かりました兄上、いざと言う時は止めますので!」
「県西組にも一応言っとくか?」
「だね」
数日後。
笠「そういやあの花粉症騒動結局起きなかったよな」
ひ「花粉症の診断が下りて荒れ狂う水戸殿を兄上があんこう鍋と大甕饅頭で宥めたそうです」
笠「食い物で吊ったのな」
ひ「そうとも言いますね」