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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

東京は初夏の陽

カレンダーを見て、ああそういえば今日だったと思いだす。
年度初めの忙しさにかまけて大事なこどもの二度目の誕生日を忘れるとはなあ、と思う。
「八幡はいつも覚えててすごいよなあ」
「手帳に書いてあるので」
久し振りに東京の本社でふたり、机を並べてそんな話をしている。
「今日何かありましたっけ」
「シーウェイブスの2度目の誕生日が今日でな」
去年はどうしただろうかと記憶を掘り返すと、ラーメンを奢ったなと思い出す。
「よく覚えてますね」
「お前さんはいっぱいいるからなあ」
八幡のところには部活が結構あるのでいちいち覚えてられないのだろう。
ただうち、というか釜石という土地にとってシーウェイブスは特別な存在だった。
一万人以上の署名活動によって生き延びた愛し子にとって今日は新しく生まれなおした日なのだ。
「ただいまー、とりあえず適当に買ってきたよー」
室蘭が弁当の入った袋を下げて戻ってきた。
「おかえり、遅かったな」
「大丸行ったからねー。あ、叙〇苑弁当俺のだからね」
「別にコンビニでも良かったんだけどな」
専門店のおにぎりとお茶を受け取ってパクリとかじる。
そうか、帰りに東京駅の中でシーウェイブスにプリンを買って行こう。
あいつの好物であるちょっといいプリンを誕生日お祝いに持って行けば喜んでくれるだろう。
ひと仕事落ち着いたら調べてみようと思いながらおにぎりをもうひとくちかじると、中からから揚げが出てきて思わずほくそ笑んだ。


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釜石と八幡と室蘭。

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愛する人に薔薇と本を

「遊びに来ましたよ」
マスクを一瞬外して笑顔を見せると「直接会うのは久し振りだな」とつぶやいた。
世田谷の自分の部屋で冷やし中華を啜っていた手を止めて部屋に自分を招き入れる。
あいかわらずモノトーンに揃えられた部屋はモダンだがもう少し差し色があってもいいだろうに、なんて思う。
「今日はこれを渡しに来たんです」
選んだのは一本の赤い薔薇と一冊の本。
本は最近読んで面白かったカメラの漫画なのだけれど、リボンをモチーフにしたブックカバーをネットで見つけて印刷して自分で巻いてきた。
それを受け取って嬉しそうに笑いながら「一輪挿しが無いのが申し訳無いな」とつぶやく。
「男一人で生活してると使う機会無いですもんねえ、花瓶ならまだ事務所のほうにあったりしますけどね」
そう言いながら洗面台へ行き、手持ちの酒瓶で薔薇をリビングに飾ってくれる。
モノクロームの部屋に赤い花が咲くだけでちょっと彩が出るし、何より赤は僕の色だ。
この人の生活に僕がちょっと混ざるようで少し気分がいい。
「にしても薔薇と本か、変わった組み合わせだな」
「明日のサン・ジョルディの日に乗っかってみました」
「……知らない行事だ」
ブラックラムズ先輩が申し訳なさそうにそう告げる。
「スペインのカタルーニャ地方のイベントですからね。聖ゲオルギウスの日が明日なんですけど、その日に好きな人に赤い薔薇や本を渡す日らしいです」
「それに乗っかってみた訳か」
面白そうに眼を細くして僕に笑いかけてくるのが嬉しくて、今回は正解だったなあなんて思う。
「明日の試合で薔薇を配る予定だったので自分の分も注文しておいたんです」
「世界には未知の行事が在るものだな。代わりと言っては何だが時間があるならアイス珈琲を淹れよう、今朝がた水出ししたものが丁度頃合いのはずだ」
「じゃあ一杯だけ頂いていきますね」




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イーグルスとブラックラムズ。
サン・ジョルディの日にちなんで薔薇を配るイーグルスさんにちなみました(ちなみすぎである)

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えきびとさんといっしょ

エリコさん宅のちちぶららいふコラボ小説。
長瀞→熊谷(野武士は2人が付き合っていると思っている)&野武士→サンゴリを含みます。

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エリコさんからのいただきもの

Twitterでよく絡んでいただいているエリコさん@dont_likekinokoから自創作野武士のイラストを頂きました。
お互いに勘違いしている野武士と長瀞さん、めちゃくちゃ良いですよね……。
永遠に勘違いしててほしいよな、そのままでいて欲しいような。微妙なところですね。

ついでにサンゴリちゃんのイメージイラストまで頂いております。
すごい、ドノンケ受けの顔してる……(ひでえコメントだ)

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君に希望を、僕らに絆を

4月1日、金曜日の朝はずいぶんと肌寒かった。
暖かかったり寒かったりを繰り返す天気が嫌になりつつ、今日は練習着ではなくスーツでうちを出ないとならない。
「ワイルドナイツじゃん、スーツなんて珍しい」
ジャージをまとったアルカスがスポーツドリンク片手に向こうから歩いてきていて、走ってきたんだろうと察する。
「新会社の関係で呼び出されてるんだよ」
「独立したんだっけ?」
「パナソニック系のスポーツチームを全部まとめて一つの会社にしたんだよ、これからその顔合わせ」
「あ、そっか今日から新年度……」
「そういう事。昨日の非公式決勝戦の件も言われそうでめんどくさい」
「非公式決勝戦ってあれでしょ?あんたが庭先を貸してコロナで中止になった決勝戦と同じ組み合わせで試合した奴」
コロナで決勝戦が中止になった高校生たちのために同じ組み合わせで試合を行い、中継もしたあの件はいまだ賛否両論が分かれている。
一般メディアにもいくらか取り上げられているようでうちへの非難の声もある。
「正しいと思ってやったんなら否定も肯定も受け入れるしかないじゃん」
「まあね」
少なくとも俺は安全措置を行ったうえで正しいと思った事をした、そう思っている。
協会の判断を無視したという考えもあるしそれも受け入れなくちゃいけない事だろう。
「アルカスに肯定されると少しは気が楽になるな」
「そりゃーどうも。ほら、仕事行ってきなよ」
ぽんとアルカスに背中を押される。
その触れた手から肌寒い朝を超える元気をほんの少しだけもらうと「いってきます」と応えた。



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ワイルドナイツとアルカス。

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