忍者ブログ

コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

アンソロ参加のお知らせ

こんにちわ、もしくはこんばんわ。管理人です。
茨城県アンソロ「死ぬまでに行きたい茨城」に参加しました。ほぼほぼ結城さんの話です。
最近は製鉄とラグビーしか書いてないので久しぶりに結城さんを読むことができる貴重な機会となっております。いやここでも書けという話なんですが。

詳細はアンソロ公式サイトか、主催さんによるサンプルをご覧ください。

拍手

PR

夜明けまで語れたら

外出自粛のこの頃、とにかく人との雑談が恋しくなりがちで気づくと誰かに連絡してしまう。
特に酒が入るといやに寂しくなっててきとうに連絡をつなげてみる。
今日は西宮と神戸のほうと連絡がつながって「ひさしぶり」と声をかける。
『久しぶりって程じゃないわよ、3日ぶり』
「そんな頻繁に連絡してたっけ」
西宮が何かを確認すると『今月半ばからほぼ3~4日おきに連絡もらってますね……』と言う。
人恋しくなってる自覚はあるがそこまでやってたのかと思うと「なんかごめん」としか言いようがない。
『そういえばお気に入りの飲み屋が閉まってるとか言ってたわね』
「緊急事態宣言出てすぐに閉まっちゃって、いちおう配達はしてくれるんだけど人と話さないと飲んだ気しなくて」
『今いろんなもので前で頼めますもんね』
「ほんとになー、西宮いまなに食ってるの?」
『お取り寄せした北海道のカチョカバロと山梨の無添加ワインです、これがすっごい美味しくて……』
液晶画面に映されたワインの瓶と焼いたチーズの画像はいかにも美味しそうだ。
『ホットプレートでお野菜も一緒に焼いてるんですけどこのお野菜もおいしいんですよ』
『完全に酒飲みねえ』
「神戸は?」
『木曜は休肝日にしてるのよ。代わりにチャイを淹れてもらってるとこ』
そう言ってると神戸の横から小さめのマグを持った手が伸びてきた。
『スティーラーズ、挨拶』
『ああ、いつもお世話んなってますー』
いつもの赤毛をナイトキャップにしまい込みゆったりしたパジャマのスティーラーズがへらりと笑って手を振った。
「スティーラーズか、こっちは本格的に久しぶりだな」
『そうですねえ、姐さんがここでお茶する時しかお会いしませんもんねえ』
「ラグビーも休みだし暇してるだろ」
『そりゃーそうですよぉ』
「サッカーも中止だしなあ、千葉とかも泣いてるだろ」
『うん、本当はこの連休に遠征がてら顔見に来てくれる約束だったんだけど試合が中止になっちゃったからやっぱりさみしいわね』
『ラグビーも中盤のいいとこでリーグ戦終わっちゃったからほんと嫌よね』
『こればっかりはどうにもなりませんって。お二人もお体気を付けて、俺はここで退散さしてもらいますねー』
そう言ってスティーラーズが画面から消えていくのを手を振って見送れば『ま、あの子がすねてこないぶんましなのかしらね』と神戸が言う。
「拗ねてるのは神戸のほうだろ」
『べつにすねてないわよ』
『そういう人のほうがすねてるように見えたりしますよね』
「西宮もこう言ってるぞ」
『すねてないわよ』
不機嫌そうに神戸がチャイを飲むと、西宮がそういえばと話を切り出す。
『私チャイって飲んだことないんですけどスパイス入ってるんですよね?』
『そうよ、生姜とシナモンとカルダモンを紅茶と煮だして牛乳と砂糖を入れてね。生姜入ってるから指先の冷えに効くし、寝る前に飲むとよく寝られる気がするのよね』
『へえ、私も試してみようかな』
『茶葉はニルギリで作ると美味しくできるわよ、水も硬めのミネラルウォーターを沸かしてね。
スパイスは粉末のを使うんだけど私は粉を買っても使いきれないから普通のひね生姜を薄切りにして使っちゃうのよね。あ、シナモンとかカルダモンも買ったやつ余ってるから今度あげるわ。
あとはー……「長いな!」
思わず私が渾身の突っ込みを淹いれると『いいじゃない別に』と不満を漏らす。
「ほんとに紅茶好きだよな」
『そうね、此花はあんまり飲まないわよね』
「出されれば飲むけど高い紅茶を少量より安い麦茶がぶ飲みしたいだけ」
『あなたそういうタイプよね、量より質というか』
『それはちょっとわかりますね』
「西宮ー……もどっちかと言えば神戸タイプか」
『そうですね。私たくさん食べるタイプじゃないですし多少高くてもおいしいもの食べたいじゃないですか』
『一人だからこその自由ね』
「味方がいない……」
『まあそういう日もあるわよ』
終わりのない雑談をグダグダと続ければちょっとは寂しさも消えていく。
新しい酒に口をつけてると神戸がおすすめの茶葉の話をしだすので、それをぬるく眺めながら終わらない夜を過ごしている。


拍手

納豆のある生活(納豆メーカー擬人化)

*ネタ程度に書きました




・タカノフーズ
おかめ納豆でその名を知られた小美玉の覇者。
自らのイメージであるおかめのお面をいつも持ち歩いており、柔和な笑顔を絶やすことのないほわほわした美女。
見た目の穏やかな雰囲気に反して情熱的な一面があり、郷土愛と大豆愛は強い。
おかめのお面は複数枚持ってるが理由は本人以外誰も知らない。

・金砂郷食品
瀕死から立ち直り、いまもくめ納豆のブランドを守る小さなプリンス。
くめ・クオリティ・プロダクツとしては一度死んだがミツカンによって蘇ることになり、業務委託でくめ納豆を作りつつ独自の商品にチャレンジしている。
「どうせ一度死んでるから(=死ぬより怖いことは無いし何やっても許される)」が口癖。
一度納豆をワッフルに突っ込んで周囲をドン引きさせたことがある(味は普通のワッフルです)
自分を蘇らせてくれたミツカンさんには頭が上がらない。
・ミツカン
金砂郷の後ろ盾として暗躍する日本最大のお酢メーカー。
金のつぶやにおわなっとうなどの独自ブランドも販売していたが、ある時くめ納豆ブランドを蘇らせるために死んだのを叩き起こし以降自社ブランドとして販売している。
金砂郷のことは適度に面倒見てるけど変な方向に吹っ切れてるなと思ってる。

・丸真食品株式会社
茨城が誇る最高級納豆ブランド・舟納豆の製造元。
味と品質へのこだわりが強く職人気質だが、適応力が高く人付き合いも上手で喋りも上手い。
ただ舟納豆と言うブランドに愛着が強すぎてたまに自分の本名を忘れてる。
なお周囲も認知していないので、もっぱら舟納豆と呼ばれてる。

・笹沼五郎商店
・天狗納豆株式会社
水戸天狗納豆のブランドを分け合う兄弟。
わら納豆や天狗モチーフへのこだわりなど、類似点が多くよそ者にはほぼ見分けがつかない。
本人たちも元ヤン&天狗のお面という共通点のせいで見た目にはあまり見分けがつけられないが、まあそう言うものだし……と納得してる。

拍手

たいていのことは不要不急

やる事がない。本当に驚くほどやる事が無いので、このところ土日は自分のグラウンド整備とクラブハウスの掃除に勤しんでいる。
「もう洗うもんがない」
ボールと言うボールを全部磨いてアルコール消毒したり、潮風をずっと浴びてるゴールポストや車のさび止めを塗り直したり、芝生を整備したりと施設内のありとあらゆるものを洗浄漂白しているがいかんせん誰も使ってないので汚れようが無い。
玄関わきに物干し台を作って色んなものを干してるが、もうこれが乾いたら洗うものが無くなってしまう。
「おひさしぶりデスヨー」
「ああついに暇すぎて幻聴まで聞こえて来よる……」
「幻聴じゃないですヨー」
声のする方を見ると何故かマスクもしてないレッドスパークスと目が合った。
ようやく気付いて貰えたのが嬉しいというように思い切り抱きつこうしてくるので、

「ソーシャルディスタンス!!!!!」

反射的にアルコール消毒液を吹き付けると「ぁ゛ーっ!」と悲鳴が上がる。
「目がー!目に入ったデスー!!!!!!!」
「と言うかお前このご時世によく家まで遊びに来よるな」
「宗像の道の駅まで新鮮なお魚の買い出し来たから寄り道しただけデスヨ……」
「道の駅はあの川の先やけん間違えとるぞ」
「う゛~゛……みんなこれですヨ……」
「このご時世やけん仕方ないっちゃ、あと目ぇ擦り過ぎると腫れるぞ」
「顔にアルコール吹き付けたのそっちでショ?!」
「それはすまん」
不要不急の外出じゃないのかこれ、と思ってしまったがもうめんどくさくなってきた。
「マスクあるか?」
「ありますケド……」
「ならつけろ。そしたら買い物付き合っちゃる、ついでにコーヒーでも奢るけんそれで許せ」
そう言うと実に嬉しそうにこっちを見るので、抱きつかれないよう適度に距離を取りつつマスクと消毒液を取りに行くのであった。
「あと選手スタッフ社員に感染させんように帰ったら全身洗え!」
「そこまでのことデス?!」






―その頃のキューデンヴォルテクス氏「自粛で家庭用電気の需要が上がってる……きつい……」


ブルースとレッドスパークス。
タイトルはツイッタで見た曲から。

拍手

ただただ料理を作る話

自粛自粛で何もできない週末は料理を作り置きしておくことにした。
まずは手洗いうがいをして余計な菌を落とす(このご時世なので衛生面は大事だ)
今月の頭にぬか床から作り始めたぬか漬けをかき混ぜ、捨て漬けのニンジンの切れ端を齧ってみる。
「……うん、もう本漬けにいけるかな」
残りの捨て漬けは外の植木の肥やしにでもしておけばいいか。指先についたぬか床も風味が出始めてる気がする。
野菜室にぎゅうぎゅうに詰めた新鮮野菜から、まずは大根と人参、キュウリを引っぱり出す。
にんじんは縦半分に、大根も大きいから四分の一に割ろう。キュウリはそのままでいいか。
昨今は野菜や肉が随分と値下がりしてるのでいつもなら手に入れられそうもない飲食店向けのいい野菜が一般向けに流通してるからありがたい。
軽く塩を振って塩もみすればあとは大きなタッパーのぬか床に漬けておくだけだ。
「……大きめのたるでもあれば自家製のたくあんとか漬けられるのになあ」
残った大根は薄切りにしてと一緒に塩・昆布・唐辛子で浅漬けにする。浅漬け器は元から持ってたし、すぐに漬かるだろう。
次は春キャベツでザワークラウトを作ることにしよう。
大鍋で保存ビンを煮沸消毒し、その間に春キャベツを太めの千切りにしておく。
春キャベツは柔らかいし葉の量が少ないからひと瓶で二玉ぐらい入るだろうし、煮沸してるビンは2つ。なら4玉はイケるだろうか。
キャベツを千切りにしてると充電器に挿しっぱなしだったスマホがけたたましく鳴り響いた。
とりあえずハンズフリー通話にすると、聞きなれた同郷の先輩が『もしもし?』と問いかけてきた。
「工場休みのブレイブルーパス先輩どうかしましたー?」
キャベツを刻みながらそう問いかければ『しょっぱなからそういうのやめて』という厳しいコメントが飛ぶ。
『あと先週貰った浅漬けといちごのジャムすごい旨かった、ありがとう』
「どういたしまして、いまザワークラウト作ってるんで完成したらひと瓶持って来ましょうか?」
『ザワークラウトってあれでしょ、酸っぱいキャベツの漬物。あれ家で作ってんの?』
「だって暇だし」
『暇を持て余し過ぎじゃない?というかそんな漬物ばっかり作って……』
「生野菜は日持ちする奴でも限度ありますしね、漬物か冷凍惣菜にして今のうちに今年一年分ぐらい作っとこうかと」
『いや多い多い、そんな作る必要ある?』
「飲食業なんで農家は大切にする主義なんです」
『あー……どうせなら他の奴にも持ってきなよ。イーグルスとか、ダイナボアーズとか』
「イーグルスはともかくダイナボアーズさんはちょっと……雰囲気怖いし……」
『あいつが怖いのは顔だけだよ、まあ俺が持ってってもいいけど』
「じゃあそうします」
そうこうしてるうちにキャベツは全部刻み終わったので、瓶を煮沸してたお湯を大きめのカップに汲んでボウルに回しかけて消毒する。
ボウルにキャベツをぶち込んで、しんなりするまで塩もみ作業だ。
『あとまだ作ったりすんの?』
「しますよ。きょうは良い卵と牛乳あったからこの後タルタルソースの作り置きと牛乳寒天にして、グリーンピースは豆ごはんにして、今あく抜きしてるたけのこは大根と蕗で煮物にして、あと昨日甘夏箱で注文したから届いたらマーマレードにして……『多い多い多い!』
『もう作り置きのレベル超えてるでしょ、それ全部一日で作るの?』
「作れますよ?日持ちするようにしとけば食べるのはいつでもいいし」
『まあそうだけどさ……太るよ?』
「それなんですよね!」
塩もみが終わったキャベツを煮沸した瓶にひたすらぎゅうぎゅうに詰める。
『……太るのわかってて作るの?』
「だってやる事ないんですもん。仕事そんなにないしトレーニング機材も勝手に使えないんで」
瓶にキャベツをめいいっぱい詰めたら、上に重しをしてしばらく置いておく。
『それで延々と作り置きに行く?』
「先輩もご飯作る手間省けるでしょ」
『トレーニングしなよ……』
「平日はしてますよ、ただトレーニングし過ぎも体に良くないんで土日は休みです」
たけのこのあく抜きもいい頃だ、たけのこと蕗の煮物に移ろう。
あく抜きに使った鍋はかるく水洗いして蕗の下茹でに、瓶の煮沸に使った鍋はタルタルソースの卵を茹でるのに使うことにした。
蕗の板ずりの間にお湯を沸かし、卵は水から茹でてエッグタイマーも入れておく。
『うん……確かにお前の公式であげてる一般向けトレーニング動画明らかにプロ仕様だもんな』
「あれぐらいの強度なくちゃ俺の身体が鈍るんですよ」
『ファンは一般人ってこと忘れてるだろあれ、アークスみたいにラジオ体操ぐらいにしとけよ』
「ラジオ体操もしますよ、トレーニングの前に」
『oh……お前そう言う奴だったな』
なんか呆れられてる気がするが気にするまい。
蕗の下茹でとゆで卵づくりの間に、たけのことわかめを食べやすく切っておこう。。わかめは後で入れるので別の容器に入れておく。
「先輩の方は派手になんかやったりしてませんよね」
『お前やレッドスパークスみたいにトレーニング動画作ったりはしてないな。というか朝晩のあいさつ動画とか塗り絵作ってるスピアーズは準備良すぎだと思うんだけど』
「野生児っぽいから勘で準備してたとか?」
『田んぼ駆けずり回ってるもんな』
「あー……千葉の三人って何だかんだじっとしてなさそう」
『アークスもあれで走り回ってるもんな、半分ぐらいは周りのせいだけど』
「ほかの皆もどうしてるんですかねー」
『元気にはしてるだろうけどねー』
下ゆでの終わった蕗を取り上げて、軽く水で冷やしてから筋取りをして食べやすいサイズにざく切りにする。
あとはたけのこと一緒に煮込んで、最後にわかめを合わせるだけでいい。
その隙に卵と酢と油をハンドミキサーで混ぜてマヨネーズを作り、新玉ねぎと先週作ったピクルスをみじん切り器で粗みじんにしておく。
「あー……」
『なに?』
「いや、タルタルソースに色味足りないから人参足そうかなって」
『お前は一体何を追及してるの?』
わりと真剣にそう問われれば「何なんでしょうね」としか答えられないのであった。





暇を持て余した府中ダービーのくだらない話。

拍手

バーコード

カウンター

忍者アナライズ