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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

あれは確かに愛だった

人間だけが他者を愛をするとだれが決めたと言うのだろう。
月明かりだけが差し込む暗い部屋の天井が目に入り、久しぶりに親父の夢を見たなと小さくため息を漏らした。
「ふきあい?」
「起こしたか、寝てていいぞ」
西宮はうんと小さく返事をして再びその目を閉じたので、ポンポンと軽く撫でながら寝付かせればすうすうと寝息を立てだしたので西宮を起こさないように布団を抜け出した。
なんとなく二度寝する気にもなれず、冷蔵庫に入れてあった作り置きのお茶を飲んでいた。

(……そう言えば、西山の親父と一緒に酒を飲んだこともあったっけ)

小さな西宮を寝付かせた後で、灯りを絞った薄暗い部屋で安酒を飲みながら己の夢だという製鉄コンツェルンの夢を夜更けまで熱く聞かされたものだった。
その夢も結構いいところまで肉薄したんじゃないだろうかと思っている。
「親父、」
あんた追っかけた夢は俺が全部覚えてる。そして、その夢も結構いいとこまで行ってるだろう。
もしそっちへ行った時は、俺と俺の大切な仲間の話を聞いてくれやしないか。




葺合と西山の親父。

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宴の後に

「やっぱり東北は良いですね」
ぽつりとシャイニングアークスはそんな言葉を呟いた。
試合終わりの夕暮れの仙台、冷たいスポーツドリンクが心地よく喉を通っている。
「……そういや、お前さんにとっちゃ仙台はもうひとつの故郷みたいなもんだったか」
かつての電電東北の記憶と歴史を引き継いだシャイニングアークスは仙台の空を愛おしげに眺めてほほ笑んだ。その脳裏にはきっとそいつの記憶が眠っているのだろう。
「ええ、シーウェイブスさんとの対決楽しかったですよ」
「ぼろ負けだったがな」
「そんな自虐を仰らないでください、シーウェイブスさんは地域に愛されるチームのトップランナーなんですから」
「……そりゃどうも」
元公務員らしい堅苦しい口ぶりではあるがそれは本心からのように思えた。
「あんな風に、強く愛されるのはきっと大変なんでしょうね」
ぽつりと漏れたいたわりめいた言葉に、小さく頷きを返す。
「だからこそ降り注ぐ愛を勝利で返してやりたい、きっとみんなそう思っとるさ」




シーウェイブスとアークス。
仙台のラグビーフェス行きたかったです

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メロン食べつつ無駄話

*会話メインのぐだぐだ小ネタ


神栖「ただいまー……」
鹿島「お帰りー(メロンむしゃむしゃ)」
神栖「なんでいるんですか?!」
鹿島「鉾田からメロン貰ったからお裾分けしに、鍵は神通力で開けた」
神栖「神通力ってそんな大層なもんなんで持ってるんですか」
鹿島「そりゃあ俺は生まれた時から神様に仕えてるもの、多少はね」
神栖「……神通力ってかピッキングでも覚えたんじゃ」
鹿島「まさかあ」
神栖「この間飲酒運転摘発数ワースト1位って報道されてましたね」
鹿島「神栖も四位じゃん……うちは修羅の国じゃないもん……というか茨城県内で修羅の国と言えば神栖じゃない?!」
神栖「これでも神栖警察署で来てからは多少マシになったんですけどね、治安が良くなけりゃ人口強盗なんて出来ませんよ。あとメロンは?」
鹿島「人口強盗とか言っちゃったよこの子……あ、メロンは冷蔵庫冷やしてあるよ」
神栖「……バニラアイスありますけどメロンと一緒に食べます?」
鹿島「食べる!(ガタッ)」
この後めちゃくちゃメロンとアイス食った。

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煙草の煙と消えていく

急に書きたくなって日石×出光習作


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碧き海の旅の終わり

ガシャンと物の落ちる音で仕事中なのにうとうとしていた自分に気付いた。
「……すいません、呉さん」
職員の一人が申し訳なさそうにそう言いながら荷物を拾うので、一緒に拾ってやると携帯には新日鉄住金の社名変更が取りざたされていた。
「少し触っても?」
「あ、はい」
職員の携帯を触ってざっとニュース記事を確認すると、最後の方に『なお日新製鋼の完全子会社化とステンレス鋼板事業の統合も同時に発表された』という記述を見つける。
携帯を返してからふらりと席を立って自販機でアイスコーヒーの缶を一つ買う。
ふいにまだ南陽と呼ばれていた頃の可愛らしい姿の周南が言っていたことを思い出す。
『ステンレスは真っ青なブルーオーシャンなんだよ、とく姉が開拓して僕が突き進む海なんだ』
その碧い海を一緒に渡って行こうと決めていたが、その翼の羽根を他人に譲らざる得なくなってしまったのはほんの少し寂しい思いがした。
ブブブ、と携帯がバイブを鳴らす。相手は周南だった。
「……もしもし」
『あ、もしもしー?僕だよー』
「どうかしました?」
『呉と一緒に居られてよかったと思ってるから、気にしちゃダメだよ』
周南は最初から全部分かってるのだ。
最高のお嫁さんという言葉が頭の中に浮かんでくる。
「こちらこそ、楽しい60年間でしたよ」




呉と周南

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