時事ネタなので折りたたみます
この頃夜はずいぶんと肌寒くなり、鍋が恋しいと顔馴染みのところへ足を延ばす。
「ダイナボアーズ、急で悪いね」
「いえ」
市販の鍋つゆを沸かし、地元の直売所で買い集めた野菜とお肉をザクザク切って放り込み、蓋をして煮込む。ただそれだけなのになんで鍋って美味しいのだろう。
ワンカップ酒のふたを開けると、ダイナボアーズはわずかに眉をしかめた。
「禁酒したほうが良いんじゃないんですか」
「え」
「この間選手が車に轢かれて大騒ぎになったばかりででしょう？」
確かにその通りだ。
つい数日前、うちの選手の一人が酔って道路に寝てしまって車に轢かれて大騒ぎになったばかりなのだ。
「いちおう禁酒しようとは思ったんだよ……」
「ならそのお酒は俺が頂きます」
すっとワンカップを奪うと流れるようにその酒を飲んだ。
「ダイナボアーズの鬼ー！アクマー！」
「これもブレイブルーパスさんのためですから」
「飲みたいだけじゃないの？！」
「いえ、禁酒のためです」
酒の取り合いの間、鍋は静かに煮えていく。
そんな初秋の夜のお話。
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オチは特にない
