その日、首都高速は死んでいた。
「もう嫌だおばちゃん働きたくない」
「じゃあいつ働くの?」
「今でしょ!……じゃねーわ。うっかりノッちゃったじゃねーか」
「首都高のそう言うノリのいいとこ好きですよ」
「東名に褒められてもうれしくない」
首都高の目は死んでいた。
何せ東京オリンピックから49年、出来てから半世紀は過ぎている。
そろそろ休みが欲しい、打音検査じゃ追いつかないような場所も隅々まで修理してほしい。
「働け、としか」
「お前もな」
そして首都高はつぶやく。
「これが社畜の運命なんだな……」
そう呟く首都高と東名の目は死んでいた。