「ほれ」
「また随分と良い早生栗ですねぇ」
笠間から預かった大量の栗を受け取る。
ビニール袋いっぱいに詰め込まれたそれは秋の気配を感じさせる。
「栗ご飯に甘露煮、栗かのこもいいですし羊羹に入れて栗羊羹・・・・やはり栗は良いですよねぇ」
「ちょっとはおすそ分け寄越せよ」
「いい加減下館は自分で作ることを覚えたらいいでしょう?」
「めんどくさい」
本当に自分はどこで教育を間違えたんだろう、つくづくそう思う。
ふいに電話が自己主張をはじめて、栗を床に置いて電話へと向かう。
発信者の名前は『野田』となっている。
「はいもしもし」
『もしもし』
「野田が私に電話なんてどういう風の吹き回しですか?五霞や古河にかけるのなら分かりますが」
『古河と五霞には話したんだけど、10月の連休に下総国で飲み会しないかって』
「下総で集まるとなると相当大きな会場内と厳しいと思いますけど・・・・・」
『清水公園丸ごと借りた』
「・・・・・・・キッコーマンが泣きますよ」
そんなわけで飲み会です。
つづかないよ。