ツイッターで日頃仲良くして頂いているしきみんとさんちのジュビロ磐田さんをお借りしてのお話。
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「という訳で姉さんへの秋田土産です」
紙袋一杯に詰められた荷物に愛の重さを感じて正直少し引いた。
確か弟は秋田へ試合しに行ったはずなのになんでこんなに大量の秋田土産を買い込んでるのだろう?
「……中身確認していい?」
「姉さんのお気の済むまで」
曲げわっぱの弁当箱と箸、比内地鶏の炊き込みご飯セット、なまはげせんべい、小さなてまり(たぶんこれも地元のものだろう)、稲庭うどんセット、しょっつる、地酒、蒔絵の施された塗り盃。
どう考えても一人の人に渡す分としては買いすぎではないだろうか。
「今回は快勝で気分も良かったので姉さんについて考えてお土産探ししたらこの量になってたんですよねえ、まあ一緒にいたグリロケも手土産買い込んでましたけど」
「これ食べ切れると思う?」
「あ、一応それ用にお土産袋貰ったんで配ってくれていいですよ」
「そう言う問題じゃないの」
私よりも20センチは大きいだろう弟の眼を見据える。
「いい?私へのお土産は今度から2つまでにして」
「……はい」
「他に言いたいことは?」
「俺の姉さんが世界一カッコいい」
そう言いながら耳まで真っ赤にして顔を覆ってくる。
恥じらう乙女のごときリアクションであるが相手は180センチオーバーの大男である。そんな女子高生みたいなリアクションをされても困る。
(……反省してるんだろうか、これ)
今度清水に会ったらお土産の一部をお裾分けしてやろう、と心に決めて「今夜は稲庭うどんね」と呟いた。