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コーギーとお昼寝

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丸の内にて

本社への挨拶を終えてから、少し時間に余裕があったので少し散歩に行くことにした。
丸の内のどこだったかに日本代表の銅像や手形があるというのでその実物を拝みに行こうと思い立ったのである。
丸の内に限った事じゃないが東京はいつどこに行っても人がいて忙しなく感じるのは自分が田舎者なせいだろう。
ふらふらとあてどなく歩いていると観光客が写真を撮るベンチに目が留まる。
「……これか」
ラグビーボール型の板に日本代表の手形が映され、それがベンチの彩りとなっている。
噂のシロモノをようやく見つけたので記念の写真を撮ってからふと思う。
「世が世ならうちの松尾さんとかの手形になってたのかもな」
ヴェルブリッツだとかブレイブルーパスだとかの古なじみたちの名前とともに刻まれた手形の中に、己の名がないのはシンプルに不甲斐なく思う。
同時に今与えられた条件で戦うとしても今より上に上がれないのではないか?という不安が胸をよぎった。
いや、そんな発想はいけない。自分の頬をぺちんと叩いて活を入れる。
そんな弱気でいたら自分は町の誇りでいられなくなってしまう。
「……明日、頑張ろう」
正直勝てる自信はない、というかDロックスには最近負けてばかりだ。
けれど奮戦することはできるし、奮戦する姿こそが自分があの町の誇りでいられた理由なのだ。
冬から春へと移ろう風のなかで自分を奮い立たせてもう一度歩き出した。



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海波さんの散歩道。
インスタ開いたら数日前の本社訪問の記事が目に入って、それでふと思いついたお話でした。

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