周りの空気が緩むのに気づくと二か月にわたった太陽生命ウィメンズが終わったのだな、と思う。
「フェニックス、お疲れ」
「くまちゃんおつー!きょーのあたしってばすごかったっしょー?」
私の事をくまちゃんと呼ぶ東京山九フェニックスは何の衒いもなく汗まみれの身体で私にハグしてくるので、仕方なく私もハグで応じる。
「おつかれさま」
「あー、けーちんもおつかれー!」
スポーツドリンクを持ってきてくれたKTMにもハグをしようとして、眼前にスポーツドリンクを突き付けられる。
「フィジカルディスタンス、ね?」
「けーちんノリわるーい」
そう言いつつも渡されたボトルを受け取って一気飲みするあたり、現実的というかなんというか。
私もついでに貰っておくと「お疲れさまでした」と足元から声がした。
「ブルーエンジェルス」
「アルカスさん、KTMさん、本日もいい試合を見せていただきありがとうございました」
小学生ほどの見た目でありながらやけにかしこまった挨拶をしてくるので「こちらこそ」としか言えない。
「ながとっちとの試合激アツだったわー!優勝できたしほんとありがとね!」
「こちらこそ。でも総合優勝したのはながとなのでフェニックスさんがしたのは鈴鹿大会優勝ですよ」
ストレートにすごい事ぶち込んでくるよなあこの子。
何とも言えない気持ちになりつつ遠くからまた一人小さい子が駆け寄ってくるのを追いかけてるのは……パールズだ。
「みんないる!!!!!!すごい!!!!!」
オパールのように輝く目できらきらとこちらを見つめてくれる小さな女の子。
たぶん、人間の子ではないのは察しがつくけどどちらさんとこの子だろう……。
「どちらさまですか?」
ブルーエンジェルスがストレートに突っ込んでくる。
「ナナイロプリズムふくおか!ちはるさんにつれてきてもらったの!」
そのチーム名で、そういえば今日のゲストが今いるチームだったなという事を思い出す。
「ね、あそぼ!」
ラグビーボールをどこかから取り出して、らんらんとした瞳でこちらを見てくる。
その瞬間にみんな乗り気になったのが分かる。
「いいね!」
「帰るまで時間もそんなにないのに?」
「それに私たち試合後よ?あんまりきついのは出来ないんじゃないかしら?」
「円陣パスぐらいなら出来るっしょ!人数的にもちょうど良くない?」
気付くと足が全員グラウンドに向かってしまう。
くたくたになるまでラグビーした後にもこうやって遊んでしまうのは、どうしようもないラグビー馬鹿だからだろう。
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アルカス+KTM+フェニックス+ブルーエンジェルス+ナナイロプリズム。
現状実装組の女の子たちでわいわいさせてないなと気づいてしまったので……