「笠間にぃ、しもだてにぃからシーディー貰ったのですよ!」
トタトタと部屋に走りこんだ桜川が、一枚のCDを見せた。
それは下館らしいJPOPのCDだった。
「ふうん・・・・ラジカセ使って良いぞ」
「分かったのですよ!」
桜川は最近、筑西と遊ぶ事を覚えたらしくちょいちょい下館の家に行っている。
おかげでこちらも下館の会うことが増えて、もうだいぶ慣れていた。
「・・・・・・あいつも俺もいずれ消え行く運命なんかね」
友部と最後に会ってだいぶ過ぎた。
笠間の名前を残してはくれたが、もしかしたら水戸と併合して自分自身も消えてしまうかもしれない。
むしろ今、消えるか消えないかの瀬戸際に下館がいる。
たぶんあいつが消えるのは寂しい。
「笠間にぃ?」
「ああ、悪い。考え事してた。」
桜川とはいずれ別れ行く運命なのだろう。
何故なら桜川も含め自分たちは人間よりも永く生きることを約束された代わりに、いつこの場所から消えるか分からない運命にあるからだ。
消えてもまた何度だってこいつと家族になれればいい、そんな馬鹿みたいな事を脳裏で考えていた。
笠間と桜川はあくまでも家族愛なので、それ以上を超える事はありません。
笠間にとって桜川は親友の子どもだから、桜川も養育者や家族として想ってるんだろうな。
たぶんそうでないパターンも書くかもしれませんが、今のところこの二人は家族愛です。
下館と笠間は幸せにならない事が筑西の登場で固まってしまったので、笠間が笑えるのって桜川の前だけになっちゃうんだよなぁ・・・・・・貴重な喧嘩っぷるのはずだったのに。
消え行く運命の下館はともかく、笠間は消える前に幸せにしてやりたいなぁ。