「今年は結構早めに咲いたんだなあ」
俺がポツリとそう呟くと、ひたちなかは「天気のせいですから」と答えた。
この季節のひたちなかを代表するネモフィラブルーに包まれた丘を遠くに眺めながらするのはこれからの観光客の出足の予想だ。
「天気はしょうがないんとはいえ……ゴールデンウィークまで持つんだぜ?」
「見ごろが終わって散りだす感じですかね」
「ってことはうちに寄り道する観光客の出足にも響きそうな気がするんだぜ……」
はあと深い溜息を吐きながらも、もう一度青に染まるネモフィラの丘を見つめる。
空に溶け込みそうなブルーがどこまでも広がる丘に「ほんと綺麗なんだぜ」と呟いた。
この公園が無ければ生まれなかっただろうひたちなかとこの公園が無ければ生まれなかった景色を見つめている、それは悪い未来ではなかったと思いたい。
「そうだ、ネモフィラアイス食おう」
ひたちなかと大洗のゆるゆる小話