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コーギーとお昼寝

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たまにはお礼

バレンタインという行事がある。
「・・・・・・義理チョコ、どうしよう」
別にモテる訳でも無いのだけれど毎年大量のチョコレートが関係者から渡され、かつそのお礼もすべきと言う意味で毎年このことには頭を悩ませていた。
特に最も世話になっている(そして最も迷惑な)隣人のご希望を考えるのも、結構大変だった。
そういえば今年の14日は火曜日で、向こうは仕事だ。
(毎年バレンタインは方々から送られる大量の義理チョコから逃れるために休んでいた)
「弁当でも作ってみようかな」

たまにはお礼

2月13日、夜
炊き込みご飯の仕込みが終わり、食材の下ごしらえも終えて明日の準備を一通り整えた。
本当は使いたくなかったけどはやぶさのランチセット(弁当箱はこれといつも使ってる傷だらけの奴しか持っていなかった)を並べておく。
しかしこうやると新妻のようにも思えてくるんだから困る。
(新妻やってるのはむこうでしょ・・・・・)
数々の新妻じみた行動を思い出しつつ。それでもあの人は綺麗なんだから困る。
あくまでも客観的に見ればあの人は綺麗なのだ、顔だけ見れば。

*         *

2月14日、朝
「ちょっといいですか」
予め水戸線に話をつけておいたお陰で、朝っぱらから家にお邪魔する。
「小山・・・・・まさか貴方が来るとは思いませんでしたよ」
「え?」
「だって毎年、県内から職場に届くチョコレートから逃げてるでしょう?
だから私は毎年家に押しかけてるのに今年は貴方のほうが来るのは意外でした」
言われて見ればその通りだ。
しかも今回は弁当まで持ってきてるわけだから、俺の脳裏にある諺が浮かぶ。


(・・・・・これぞまさしく『鴨が葱を背負ってくる』だな)


笑うしかない。
そうだ、普通自分のことが好きだと言う相手に弁当作るのなんておかしい。
「あなた、いま目が死んでますよ」
「え、いや、あー・・・・・すいません」
今の今まで気づかなかった自分をたこ殴りにしたい。
「ほら、今年のチョコレートです」
そう言って渡されたのは都内の老舗メーカーの高級生チョコだった。
高級そうな金色のパッケージだが、結城さんは毎年配る分は全部手作りのはずだ。
「今年は手作りじゃないんですね」
「だって去年嫌だって言ってたでしょう、手作りは何が入ってるか分からないって」
「去年宇都宮さんから届いたレモン牛乳チョコのせいですけどね・・・・・」
あれはどう考えてもひどかった、なんせまずいと悪名高いレモン牛乳が生クリーム代わりに使われたお陰でレモンとチョコレート不協和音が口で広がって殺人兵器レベルだった。
「だから今年は手作りです、宇都宮線に案内してもらいましたけど」
そういえばこのブランドは宇都宮線の姉である高崎線がお気に入りだと言っていたものだった。
「じゃあ、これお礼です」
弁当を渡すと鴨にならないうちに走り去っていった。




数時間後
『もしもし、яだけど』
「古河さん?」
『結城が倒れたから引取りに来てもらえる?』
「ど、どうして?!」
『小山の手作り弁当にわくわくしすぎて階段踏み外した』
俺はなにも言えなくなりながら分かりましたとだけ答えた。

『相手にお弁当を作ってあげようと頑張る』『結城小山』を描きor書きましょう。 #kawaiiCP http://shindanmaker.com/62729







うちの結城さんはどうしてこうも残念なんだろうと思いつつ。
こんなんでも愛はあるんです、愛は。

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