「・・・・・・やっぱり」
そこは水戸のとある霊廟に不釣合いな一輪の赤い花。
「日立って俺見つけるの上手だよね」
「どう考えたってこの日付じゃここしかないでしょ」
今日は光圀様の誕生日だしね、とつぶやくと正解と日立の胸ポケットに花を刺した。
「・・・・仏桑花(ブッソウゲ)」
「うん、これって7月11日の誕生花なんだってさ」
「へえ」
「日立にはちょっとあれだけど」
「・・・・・・・・・・・この間頼まれたハードディスクの修復9月までに伸びるけどいいよね」
「いやそれは無理です勘弁して神様仏様日立さまぁ!」
(それでも水戸を甘やかすのは自分だ)
ちょっとため息をついて水戸を霊廟から引きずり出すように小走りに歩いた。