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コーギーとお昼寝

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手放せないものはきっと、

ある5月の晴れた日のこと。
「いわきさんとこの水族館に行きたい」
「・・・・・・あそこか」
「うん、行きたいじゃなくて行こう」
「めんどくさくないか」
「そういう日もあるよ」

手放せないものものはきっと、

いわきさんちの名所のひとつとして挙げられる某水族館は平日というだけあって結構空いていた。
「大きい水槽だね」
「んな大きいから大水槽なのに小さかったら詐欺だろ」
「それもそっか」
水槽から暗い室内に差し込む青い光にた照らされて、こっそりと手を繋いでみる。
だってさ、こんなロマンチックな空間にいるんだしちょっとぐらい恋人気分を味わったって詐欺にはならないはずだ。
その手をいわきさんは拒まなかった。
ただただ無言で避難先から帰ってきた生き物たちを見ていた。

*                 *

「もしかしてさ、ここに来るの久しぶりだった?」
「・・・・・・だいぶ久しぶりだったな」
「やっぱり」
あの大水槽にいたとき、俺はかすかに聞こえたのだ。
動物たちにお帰りという声が。
この街への縁を抱くものはたとえなんであっても手放せない、その優しさに俺は心底から惚れているのだから。










おわり
アクアマリンデート話でした。ホントもう俺の脳みそは・・・・。

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