出会いはある年の冬。
「という訳で紹介するけど、この3人が常総筑波鉄道ね」
「はじめまして、龍ヶ崎さん」
まだ4人全員が揃っていたころの始まりの話。
はじまりのうた僕らが京成グループに加入してすぐ、僕らより一足先に京成グループへと入った常総達と出会った。
「ふたりともご近所さんだし、仲良くしなよ?」
「わかっています」
当時、会社は赤字でその時に救ってもらったのが京成さんだった。
それは常総も同じだった、だけれど常総はまた少し事情が違った。
「京成さん、俺ちょっと用事あるんで失礼しますね?」
「んー」
「京成さん、常総は忙しそうですね」
「あの子は東武の資本も貰い受けてるから」
東武資本と京成資本の両方を譲り受けている常総は両方の本社を渡り歩いていた。
「・・・・・・ところで、龍ヶ崎たちに会わせた理由わかってるよね?」
鹿島をちらりと見れば小さくうなずく。
「系列会社同士の競合は無益、ということですよね」
「正解、とりあえず2~3年ぐらいかけて話し合ってみてよ。」
うちもちょっと厳しいからさ、などと呟いてふらっとどこかへと去っていった。
* *
少し暖かくなった頃、話し合いをするため取手まで呼び出された。
「合理化のための併合、かぁ」
「どう思う?」
「将来的には視野に入れるべき、ってとこですかね。」
「だよねぇ」
「・・・・・・・でも、東武系列になるよりはいいかな」
「どうして?」
「いや、まあなんというか東武さんは出資理由がいまいち謎だから向こうの系列と併合してろくでもない目に合わされるよりも同じ京成系列のほうがある意味信頼できるというか・・・・ね」
「そうなんだ」
そして僕らはいずれひとつになるのだと、そう小さな約束をした。
常総にとってどうして東武の資本提供が受けられたのか謎だったらいいなっていう妄想です。
だって冷静に考えてみると東武の地盤は両毛で茨城周辺で東武がらみというと筑波高速度しか浮かんでこないというね。(フィルターかかってます)
まだこの頃は鬼怒川もいましたけど鬼怒川はいつか出てきます、いつか。