*東武さんのわちゃわちゃ話です。
*ちょっとびーえるくさいので折りたたみます。
兄さんにとって、あの山は未練だった。
北関東といいながら未だに資本すら入れることはできなかった、茨城という土地自体にも思うことはあったんだろう。
なんて可哀相な兄さん、まだあの女のことを忘れられやしないというのか。
「筑波の山を拝むいーチャンスだと思わねぇか、日光」
「日光と赤城で山は見飽きたよ」
「・・・・・・あの山はまたちがーだんべぇ」
思わず緑茶を零しそうになる。
兄さんの視線の先にはあの女がいて、自分がいない。
どうしようもなく過去に囚われたその視線をこちらに向けてほしい、未だにその感情が消えない。
一目でいい、こっちを向いて。
「兄さんの馬鹿」
その為だけにわざわざ常総に資本提供なんてするというのか。
(できれば根津さんの血であって欲しいけど)