*ＫＳ本線×ＴＢいささき線だよ。
*史実ベース過去話。
*折りたたんでありますので自己責任でどうぞ。
彼女がいなくなって半年が過ぎた。
会議書類に書かれた大嫌いな東武の名前。
「・・・・・・と言うわけで東武鉄道の請地駅の乗換駅として京成請地駅の開業の採決を採ります、賛成の方は挙手でお願いいたします」
会議室には賛成の挙手が挙がり、こうして新駅開業が決まった。
君の黒髪
彼女の形見で貰った黒髪を包んである布袋を見る。
白地に紫と青の格子模様は自分と向こうさんの色であり、彼女の願いがオレと向こうさんとの融和であることを無言のうちに伝えていた。
(・・・・・・・・融和してどうすんのよ)
それがどちらかの利益になるのか、と聞かれれば甚だ疑問だ。
唯一無二の存在を手に入れたかった相手を許せるほどの器がなかったと言えば、たぶん正しい。
永遠に意地を張り合って、それでいいと思っている。
* *
そう思っていたのに、こんな時に遭遇したらいたたまれなくもなる。
用事があって東武本社に行ってみれば泣いているのである。
「・・・・・・こっち見るな、帰れ」
「なんで泣いてんの」
「お前が横から奪い去ったやつの夢だんべ」
それが誰を指していたのかは言われずとも分かった。
「ああ」
「・・・・・・・やっぱおめぇのこと絶対に許さねぇ」
半分泣いてるような表情でそういったって効果はなくて、むしろ純粋に可愛いとすら思っていた。
おわり
けーちゃんが伊勢崎さんを可愛いと思うまでのお話でした。形見の髪の話は別で書いたような・・・・・。
