忍者ブログ

コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

あわらさんと下妻さん

遅めのお中元として届いたのは走りの梨が段ボール1つ分届いてきた。
「あらあら……」
下妻さんとこうして仲良くし始めたのはちょうど去年の春のことで、まだこうして交流を持ち始めて1年ほどしか経っていない。
同封された手紙には仕事でバタバタしていてお中元が遅くなってしまった事を詫びる旨と、ちょうど下妻の名産である梨が走りなので少し早いけれど食べて欲しいという旨が記されている。
「美味そうな梨だな」
「あなた、来てたんですか」
ひょいと顔を覗きこませてきたのはいつもならここにいないはずの三国だ。
「ずっと坂井のところにいると息が詰まるからな、ちょいと抜け出してきた」
「あの人も大概欲の深いお人ですからね……せっかくですし、一つ剥きましょうか?」
「その前に昼飯が食いたい、その間に梨を冷やしておけば美味かろう?」
「分かりました、お雑炊でも拵えますね」
冷蔵庫に梨を二つ入れて、冷ごはんと野菜と卵を取り出してからふと思い出して三国の方を向く。
「あなた、後で一緒に下妻さんへのお礼状考えてくださいね?」
「それくらい俺もやるさ」
「あと机の片付けお願いします」





下妻とあわらが姉妹都市(しかも下妻にとっては唯一の姉妹都市)だという事実を知った記念。
三国あわらはひと昔前の亭主関白とその妻(ただし精神的には意外に対等)なのでその辺のイメージぶち込みつつ。
あわらの坂井評についてはおいおい。

拍手

PR

高校野球と梨のサングリア

イチマルさん(@10_plus10 )宅の茨木市さんをお借りしています。
茨木市さんと茨城町ちゃんが付き合ってる話。



拍手

夏のデートは

ぷらいべったー再録。
うちよそカプ詰め合わせ、カプと一緒にお借りしたキャラの親御さんの名前も明記してあります。



拍手

太陽が昇る海1

あの頃の俺にとって、八幡は太陽だった。
東京湾の片隅に一人だった俺を慈しみ育ててくれた八幡と、兄妹のように育った東京、そして従業員。
それがあの頃の俺の世界の全てだった。

太陽が昇る海

1965年(昭和40年)4月の君津は話題性に満ちた春だった。
長く続いた漁協との交渉や米軍の飛行ルートに端を発した騒動が収束し、八幡製鉄君津製鉄所が稼働したのだ。
目が覚めてすぐに俺が初めて見たのは、目の前に広がる春の東京湾とその光だった。
「いた、」
ぽつりと呟いたのは俺よりも少し大きな姿をした礼服に身を包んだ少女だった。
適当に伸ばした髪をざっくりとゴムで止めた彼女はじっと俺を見た。
「八幡ぁー、君津いたよー」
「ああ……ここにいたんですね、君津」
仕立てのいいスーツを着た彼に名前らしきものを呼ばれた時、唐突に全てを理解した。
自分の名前が君津であること、そして自分がこの製鉄所の付喪神であること、彼らは自分の兄弟分のようなものであることを、ここで自分は生きて死んでいくことを。
そして俺はじっと二人を見た。
「君津。あたしは八幡鋼管東京工場、あんたとは兄弟分になる。呼びにくかったら戸田でいいから。」
「戸田はもう少し愛想よくしたらどうです?」
「兄弟分なんだし別にいいでしょ」
「ああ、話がずれましたね。私が八幡製鉄八幡製鉄所です、どうぞよろしく」
八幡からそばされた手を受け入れて握手をし、そのまま事務所へと連れていかれた。
そうして俺は人々からこの製鉄所を守る付喪神として歓迎され、ここで暮らすことになったのだ。





次へ

幼少期の君津のお話です。たぶん7話くらいで終わるはず。
16.11.29東京の名前について修正。

拍手

どうでもいい福井とあわらの話

あわらの温泉に入りたい気分だったから、と告げて我が家にやってきた福井を私はあらあらと言う面持ちで迎え入れることにした。
ソファーに身体を横たえて冷たいクーラーの風に当たる間にお湯を沸かす。こういう時自宅に源泉を引いておいたのは正解だったなと思う。
「あわら、」
「はいはい?」
「……結城さんからお中元が届いたのだけれど、どうしたらいいだろう」
ここからはるか遠い北関東の地にある彼女の想い人の名を聞けばなるほどと言う気持ちになる。
家に来たのは相談のためなのだろう。
「羽二重でも贈ってみるのはどうですか?」
「去年のお歳暮に贈った」
「じゃあ……越のルビーのゼリーは?」
がばりと起き上がると、その手があったかと言う顔でこちらを見てくる。
つくづくうちの県庁所在地様は素直な子でありがたいと思う。
「ああ、お風呂が沸きましたね。夕飯も食べていきます?」
「邪魔にならない?」
「今日は三国も金津も不在ですから」
今日は女二人でいろいろ話しましょう、と告げれば彼女はこくりと頷いた。



せっかく福井嶺北組を独立させたのであわらと福井の話。

拍手

バーコード

カウンター

忍者アナライズ