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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

花言葉にしか頼れない

毎年、母の日のプレゼントという名目で薔薇の花を贈る。
紅色の薔薇を1本とメッセージカードという愛想のない組み合わせは自分なりに考えた末のやり方だった。だけれどこの気持ちが正しく伝わったことなど一度もなく今に至っている。
たぶん方法が悪いのだという自覚はあるが、遠回しにしか伝えようがない。
八幡の唯一はもうずっと釜石だけだ。
自分が生まれる遥か前からそうだったので勝ちたいと願いながらも勝てないことをなんとなく分かっている。
(今年こそ、ちゃんと届きますように)
それでもまた懲りずに薔薇の花を贈るのだ。


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紅色の薔薇の花言葉は「死ぬほど恋い焦がれています」
一本の薔薇は「あなたしかいない」


ぴくぶらに投げたお話その2

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100万本の薔薇ではないけれど

お届け物です、と届いた花の匂いに思わず顔をしかめる。
送り先は北九州・八幡となっていて贈り主の顔を思い出して深いため息が漏れた。
「……あいつは人を何だと思っとんかね」
別に花が嫌いな訳じゃないが、いかんせんあまりにも多すぎる。
煙草の匂いの染みついた男に大量の薔薇を送るなどどうかしている。
とりあえず何本かづつに分けて人に譲ろう、と思ってとりあえず10本づつに分けて薔薇を纏めてみる事にした。
10本の薔薇の束は10組完成したので100本薔薇を送ってよこしてきたのかと気づく。
もはや一昔前のものになってしまった携帯を開いて電話を鳴らしてやる。
『もしもし』
「八幡、なんで薔薇を送ってきた?」
『贈りたいと思ったから、じゃ駄目ですか』
告白されてから八幡は自分への好意を隠さなくなった。
時に奇行とも思える好意の発露を受けるのはいつも自分で、それを拒むこともなくただ淡々と受け止めている。
「こっちの迷惑も考えてくれ……こんなもんどこに置いたらいいのか」
『事務所にでも飾らせてもらえばいいじゃないですか』
「100本も飾れるような花瓶なんぞ無いわ!」
『……花瓶もセットで送った方がよかったですかね』
「その発想がおかしいぞ」
『じゃあ何ならよかったんです?』
「もう勝手にしてくれ……」
だんだん頭が痛くなってきて電話を切る。
本当は構われたくてこの薔薇を贈ってきたのだろうか、と疑心暗鬼になる。
人前では官営として気を張る反動か自分への依存心は昔から強烈だった。
「寂しいなら寂しいと言えばいいのになあ?」
きっと切り捨てられないのは、結局自分も八幡が可愛くて仕方ないのだ。




ぴくぶらのイベント用に投げたお話1つめ。
八幡に甘い釜石さんの話。

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財閥関係メモ

大雑把な私見メモのようなもの。
たぶん書くとしたらこの辺のイメージが反映されるかなあと。

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遠雷

窓を打ち付ける雨と遠雷の音で目が覚めた。
時計を見れば午後4時前になっていて、ああしまったなと思う。
特殊な身元故にあっても無くてもいいような部署に置かれているとはいえ、いちおう割り振られた仕事はしないとならないというのに3時間以上寝ていたことになる。
とりあえずお茶でも飲んで目を覚ましてから仕事するか、と給湯室に足を延ばした。
唐突に携帯が鳴って取ってみれば、それは遠くに住まう友であった。
『もしもし、福井です』
「どうかしましたか」
『今朝送った交流事業の件のファックスの返事が来ないので確認の電話を、いつもなら夕方にはお返事来てるみたいなので……』
「分かりました、確認してきますんでいったん切りますね」
給湯室へ向かう途中にある担当者の机に向かってみれば今日は風邪で休みだという。
なるほどそれなら仕方ないと思いつつ電話をかけなおすとすぐにつながった。
『もしもし』
「もしもし、ファックスの件確認しましたけど担当者病欠みたいなんで返事明日になりそうです」
『そうでしたか……』
「ところで、随分と後ろが騒がしいですけど何か?」
『熊本への災害派遣でいま人が足りなくて』
「それで本来閑職のあなたに仕事が多めに割り振られてると」
『はい。彼は大切な友人ですから』
その言葉に思わず納得の声が漏れる。
「あまり無理はしないでくださいね、あなたが倒れたら大変ですから」
『……はい、そう言っていただけるなら幸いです』
「事実を述べたまでですよ、それじゃあ」
電話を切って窓の外を見る。
まだ、遠雷は止まない。




結城さんと福井ちゃんの何てことない話。
熊本さん頑張って……。

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えふいーにおけるカプまとめ

だいたい全部自分のためのまとめです。
たぶん読まなくても本編楽しめると思います。

2016.8.30追記と修正
2017.8.4また追記と修正

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