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コーギーとお昼寝

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大盛りごはんに何食べる?

「今日は遠路はるばる来てくれて有難うな」
そう言いつつ蒸しタオルを渡すと、スピアーズは体をぬぐい洗濯かごに詰め込む。
「でも俺も久しぶりの試合と久しぶりの釜石で楽しかった!」
試合終わり、トークショーの中継をパソコンで見ながら食事をすることになった。
寒いので部屋の暖房をつけ、夏の間はちゃぶ台にしていた机をこたつにした。
「あ、お米は「要望通り岩手の米を用意したぞ、全部今年の新米だ」
付箋を貼った小さな炊飯器を5つ目前に並べれば、嬉しそうに目を輝かせた。
「右の炊飯器から金色の風、銀河のしずく、どんぴしゃり、いわてっこ、かけはしの5品種。生産地は全部県内だ。
かけはしやいわてっこなんて今は作ってる農家も少ないから探すの大変だったぞ」
「これ全部食べていいの?!」
「3合づつ炊いたから全部食いきるのきついと思うけどな、おかずもあるぞ」
色んなつてを辿って探した岩手の米に合わせるのはもちろん岩手のものだ。
冷蔵庫や棚から用意しておいたものをひとつづ引っ張り出してくる。
「まず南部鮭のホイル焼きといわて牛のスペアリブの煮込み、漬物盛り合わせにめふん……鮭の腎臓の塩辛のことな、普通の塩辛と納豆も用意しといた。
汁物はわかめと豆腐の味噌汁。甘いもんも一応あるぞ」
こたついっぱいの食事に「めっちゃあるじゃん!」と目を輝かせた。
「どうせ多めに作っておけばそれを明日明後日まで回せるしな」
「でも発想は貧乏性だ」
「客人のセリフか?」
「でもめちゃくちゃ嬉しい、じゃあいただきます!」
さっそく茶碗一杯に金色の風を盛って、大きな口で頬張れば「岩手の新米やっぱ最高……」と呟く。
自分もかけはしのほうを一口味わってみると米の甘みがじわりと広がる。
「俺もうこの米のために釜石に来てる……南部鮭も美味しい……」
「食いもんじゃなくて試合と復興支援で来てくれ」
箸を休めることなくあれやこれやと食べ進めていく目の前の男の暢気さはどうにも嫌いになれない。
同じく復興支援で何度も来てくれているジュビロの真面目で敬意を払う態度とは正反対だが、スピアーズとはトップイースト時代の知り合いである。
今更変に気を使われるよりはいいのかもしれない。
あの震災から10年。あれから生まれた縁がこうして今も続いていることはきっといいことだ。
能天気にコメを盛る男の顔を見ながら、そう思う。


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シーウェイブスとスピアーズ。

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